クレーン・デリック運転士 過去問
平成30年(2018年)10月
問32 (クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 問32)

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問題

クレーン・デリック運転士試験 平成30年(2018年)10月 問32(クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 問32) (訂正依頼・報告はこちら)

図のように天井クレーンで質量20tの荷をつるとき、レールAが受ける力の値に最も近いものは( 1 )〜( 5 )のうちどれか。
ただし、重力の加速度は9.8m/s2とし、ガーダ、クラブトロリ及びワイヤロープの質量は考えないものとする。
問題文の画像
  • 28kN
  • 59kN
  • 84kN
  • 137kN
  • 280kN

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。

まず、A、Bを支点としたときにかかる力の合計を求めます。

A+B=20,000㎏×9.8m/s²=196kN

次に、荷の位置を支点にしたA、Bの距離を、左右のモーメントがつりあっている状態で式にあらわします。

7×A=3×B

A、Bにかかる力の合計196kNからBを引けばAがもとめられますので、この式にB=196-Aを代入します。

7×A=3×(196-A)

7A=588-3A

7A+3A=588

A=58.8kN

よって、59kNが正解となります。





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02

この問題も解き方が分からないと解けませんが、注目するポイントとして、荷を吊っている位置が釣り合うという事に気付けるかが重要となります。

選択肢2. 59kN

A点とB点の力の合計はA+B=20×9.8=196kNとなり、左右は釣り合っている状態なのでA×7=B×3が成り立ちます。

最初の式を変形させると、このBはB=196-Aなので、A×7=3×(196-A)となり、この式を解くとA=約58.8kNとなります。

一番近いこの選択肢の59kNが適切となります。

まとめ

一見難しそうな問題ですが、左右が釣り合う事を理解出来れば、あとは式を変形させる事で解く事ができます。このような解き方は他の問題でも出題される事があるので是非覚えておいて下さい。

参考になった数1

03

天井クレーンにおいて荷重がかかったとき、クレーンの構造各部にはその荷重に応じた力が分担されて伝わります。特に、荷を支持するガーダ(橋桁)の両端にある走行レール(A、Bなど)は、荷重の支持点として重要な役割を果たしています。本問題では、荷の吊り位置に応じて、レールAがどれだけの力を受けるかを求めることが求められています。

選択肢2. 59kN

A点とB点が支える力の合計は、吊り下げられた荷重の全体である20t×9.8m/s²=196kNとなります。また、荷の位置関係から、ガーダ全体は釣り合っており、モーメントのつり合いが成立しています。支点Bからの距離を使ってモーメントのつり合いをとると、A×7=B×3 という関係式が得られます。この関係を使い、Bを「196−A」として代入すると、A×7=3×(196−A)となり、これを解くとA≒58.8kNとなります。よって、最も近い選択肢は59kNであり、これがレールAが受ける力の近似値です。


 

まとめ

クレーンで吊り下げられた荷の重さは、ガーダの支持点(レール)に分配されて作用します。力の分担は、吊荷の位置関係(左右のどちらに近いか)によって決まり、力学的にはモーメントとつり合いの法則を使って求めることができます。このような力の分布を理解することは、安全な荷役作業のための基本であり、設計や点検時にも不可欠な知識です。

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