クレーン・デリック運転士の過去問
令和4年(2022年)4月
原動機及び電気に関する知識 問27

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問題

クレーン・デリック運転士試験 令和4年(2022年)4月 原動機及び電気に関する知識 問27 (訂正依頼・報告はこちら)

クレーンの電動機の速度制御方式などに関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
  • かご形三相誘導電動機では、電源回路にリアクトルやサイリスターを挿入し電動機の始動電流を抑えて、緩始動を行う方法がある。
  • 巻線形三相誘導電動機のダイナミックブレーキ制御は、巻下げの速度制御時に電動機の一次側を交流電源から切り離し、一次側に直流電源を接続して通電し、直流励磁を加えることにより制動力を得るもので、つり荷が極めて軽い場合でも低速で荷の巻下げができる特長がある。
  • 巻線形三相誘導電動機の電動油圧押上機ブレーキ制御は、機械的な摩擦力を利用して制御するため、ブレーキドラムが過熱することがある。
  • かご形三相誘導電動機のインバーター制御は、インバーター装置により電源の周波数をや電圧を変えて電動機に供給し、速度制御を行うものである。
  • 巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御は、回転子の巻線に接続した抵抗器の抵抗値を変化させて速度制御するもので、始動時には二次抵抗を全抵抗挿入状態から順次短絡することにより、緩始動することができる。

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この過去問の解説 (1件)

01

適切でないものは

「巻線形三相誘導電動機のダイナミックブレーキ制御は、巻下げの速度制御時に電動機の一次側を交流電源から切り離し、一次側に直流電源を接続して通電し、直流励磁を加えることにより制動力を得るもので、つり荷が極めて軽い場合でも低速で荷の巻下げができる特長がある。」です。

 

クレーンの電動機の速度制御方式や特徴について、それぞれの記述を確認します。

選択肢1. かご形三相誘導電動機では、電源回路にリアクトルやサイリスターを挿入し電動機の始動電流を抑えて、緩始動を行う方法がある。

この記述は正しいです。
かご形三相誘導電動機では、始動時の急激な電流増加を防ぐため、リアクトルやサイリスターを用いて緩やかに始動する方法が一般的です。

選択肢2. 巻線形三相誘導電動機のダイナミックブレーキ制御は、巻下げの速度制御時に電動機の一次側を交流電源から切り離し、一次側に直流電源を接続して通電し、直流励磁を加えることにより制動力を得るもので、つり荷が極めて軽い場合でも低速で荷の巻下げができる特長がある。

この記述は誤りです。
ダイナミックブレーキ制御は、直流励磁を加えて制動力を得る方法ですが、つり荷が軽い場合に制動が過剰になり、不安定になる可能性があるため、低速で安定して巻下げを行うのは難しいでしょう。

選択肢3. 巻線形三相誘導電動機の電動油圧押上機ブレーキ制御は、機械的な摩擦力を利用して制御するため、ブレーキドラムが過熱することがある。

この記述は正しいです。
機械的な摩擦力を利用するため、頻繁な使用や長時間の作業でブレーキドラムが過熱することがあります。これを防ぐための冷却対策が必要です。

選択肢4. かご形三相誘導電動機のインバーター制御は、インバーター装置により電源の周波数をや電圧を変えて電動機に供給し、速度制御を行うものである。

この記述は正しいです。
インバーター制御は、電源周波数や電圧を調整することで速度制御を行う方式で、かご形三相誘導電動機の柔軟な制御に使用されます。

選択肢5. 巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御は、回転子の巻線に接続した抵抗器の抵抗値を変化させて速度制御するもので、始動時には二次抵抗を全抵抗挿入状態から順次短絡することにより、緩始動することができる。

この記述は正しいです。
二次抵抗制御は、巻線形三相誘導電動機の代表的な速度制御方法です。始動時には抵抗値を大きくしてトルクを高め、その後抵抗値を下げることで緩やかに速度を上げます。

まとめ

速度制御方式にはさまざまな種類がありますが、それぞれの特徴や利点、制約を正確に理解することが重要です。特にダイナミックブレーキ制御の適用範囲や特徴に関する誤解は、運転の安全性に影響するため注意が必要です。

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