クレーン・デリック運転士の過去問
令和4年(2022年)10月
クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 問7

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問題

クレーン・デリック運転士試験 令和4年(2022年)10月 クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

クレーンに使用される鉄鋼材料(以下、本問において「材料」という。)の強さ、応力、変形などに関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
  • 材料に荷重が作用し変形するとき、荷重が作用する前の元の量(原形)に対する変形量の割合をひずみという。
  • 引張試験で、材料が破断するまでにかけられる最大の荷重を、材料が破断する前の断面積で除した値を引張強さという。
  • 引張試験において、材料の試験片を材料試験機に取り付けて静かに引張荷重をかけると、加えられた荷重に応じて試験片に変形が生じるが、荷重の大きさが「荷重-伸び線図」における比例限度以内であれば、荷重を取り除くと、試験片は荷重が作用する前の形状(原形)に戻る。
  • 材料に荷重をかけると、材料の内部にはその荷重に抵抗し、つり合いを保とうとする内力が生じる。
  • 圧縮応力は、材料の断面積を材料に作用する圧縮荷重で除して求められる。

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この過去問の解説 (1件)

01

クレーンの設計や運用において、鉄鋼材料の強度特性や応力の概念を正確に理解することは重要です。本問題では、材料の変形や応力に関する記述の正誤を問うています。以下に各選択肢について解説します。

選択肢1. 材料に荷重が作用し変形するとき、荷重が作用する前の元の量(原形)に対する変形量の割合をひずみという。

この記述は正しいです。
ひずみとは、材料が荷重を受けて変形した際の、元の形状に対する変形量の割合を示します。この定義は正確で、変形の評価に広く使用される基本的な指標です。

選択肢2. 引張試験で、材料が破断するまでにかけられる最大の荷重を、材料が破断する前の断面積で除した値を引張強さという。

この記述は正しいです。
引張強さは、引張試験で材料が破断するまでに加えられた最大荷重を、その時点の断面積で割ることで求められます。この定義は適切です。 

選択肢3. 引張試験において、材料の試験片を材料試験機に取り付けて静かに引張荷重をかけると、加えられた荷重に応じて試験片に変形が生じるが、荷重の大きさが「荷重-伸び線図」における比例限度以内であれば、荷重を取り除くと、試験片は荷重が作用する前の形状(原形)に戻る。

この記述は正しいです。 引張試験で比例限度以内の荷重を加えた場合、材料は弾性範囲内で変形するため、荷重を取り除くと元の形状(原形)に戻ります。この記述は適切です。

選択肢4. 材料に荷重をかけると、材料の内部にはその荷重に抵抗し、つり合いを保とうとする内力が生じる。

この記述は正しいです。
材料に荷重をかけると、内部には外部荷重に抵抗するための内力が発生し、つり合いを保つように作用します。これは応力の基本的な性質を説明した内容であり、正確です。

選択肢5. 圧縮応力は、材料の断面積を材料に作用する圧縮荷重で除して求められる。

この記述は誤りです。 圧縮応力は、圧縮荷重を材料の断面積で割ることで求められます。この記述では「材料の断面積を荷重で割る」と逆の関係になっているため、誤りです。

まとめ

適切でない記述は選択肢5です。 圧縮応力の計算式に誤りがあり、正しい計算式は「圧縮荷重 ÷ 材料の断面積」です。他の選択肢は正確に記述されています。

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