クレーン・デリック運転士 過去問
令和7年(2025年)4月
問1 (クレーン及びデリックに関する知識 問1)

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問題

クレーン・デリック運転士試験 令和7年(2025年)4月 問1(クレーン及びデリックに関する知識 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

クレーンに関する用語の記述として、適切なものは次のうちどれか。
  • 起伏するジブクレーンの定格荷重とは、クレーンの構造及び材料並びにジブの傾斜角及び長さに応じて負荷させることができる最大の荷重から、フックなどのつり具の質量を除いた荷重をいい、クレーンによっては、ジブの傾斜角や長さに応じて定格荷重が変化するものがある。
  • 定格速度とは、つり上げ荷重に相当する荷重の荷をつって、巻上げ、走行、横行、旋回などの作動を行う場合の、それぞれの最高の速度をいう。
  • 起伏するジブクレーンの作業半径とは、ジブの取付けピンの中心から、ジブ先端のシーブの中心までの距離をいい、引込みクレーンでは、水平引込み機構により、ジブを起伏させると作業半径が変化する。
  • 天井クレーンのキャンバとは、クレーンガーダに荷重がかかったときに生じる下向きのそり(曲がり)をいう。
  • 天井クレーンの寄りとは、クラブトロリをクレーンガーダ端の停止位置まで寄せたときの、クラブトロリ端部とクレーンガーダ端部との間の最小の水平距離をいう。

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この過去問の解説 (2件)

01

クレーンの用語に関する問題です。クレーンの用語はクレーンを扱う際の基本となるので、しっかり覚えておきましょう。

選択肢1. 起伏するジブクレーンの定格荷重とは、クレーンの構造及び材料並びにジブの傾斜角及び長さに応じて負荷させることができる最大の荷重から、フックなどのつり具の質量を除いた荷重をいい、クレーンによっては、ジブの傾斜角や長さに応じて定格荷重が変化するものがある。

正しい記述です。

起伏するジブクレーンの定格荷重とは、クレーンの構造及び材料並びにジブの傾斜角及び長さに応じて負荷させることができる最大の荷重から、フックなどのつり具の質量を除いた荷重をいい、クレーンによっては、ジブの傾斜角や長さに応じて定格荷重が変化するものがあります。

選択肢2. 定格速度とは、つり上げ荷重に相当する荷重の荷をつって、巻上げ、走行、横行、旋回などの作動を行う場合の、それぞれの最高の速度をいう。

定格速度とは、つり上げ荷重ではなく、定格荷重に相当する荷重の荷をつって、巻上げ、走行、横行、旋回などの作動を行う場合の、それぞれの最高の速度を指します。

選択肢3. 起伏するジブクレーンの作業半径とは、ジブの取付けピンの中心から、ジブ先端のシーブの中心までの距離をいい、引込みクレーンでは、水平引込み機構により、ジブを起伏させると作業半径が変化する。

起伏するジブクレーンの作業半径とは、ジブの取付けピンの中心から、ジブ先端のシーブの中心までの距離ではなく、ジブの旋回中心とつり具の中心部との距離を指します。

選択肢4. 天井クレーンのキャンバとは、クレーンガーダに荷重がかかったときに生じる下向きのそり(曲がり)をいう。

天井クレーンのキャンバとは、クレーンガーダに荷重がかかったときに生じる下向きのそりではなく、上向きのそりとなります。

選択肢5. 天井クレーンの寄りとは、クラブトロリをクレーンガーダ端の停止位置まで寄せたときの、クラブトロリ端部とクレーンガーダ端部との間の最小の水平距離をいう。

天井クレーンの寄りとは、クラブトロリをクレーンガーダ端の停止位置まで寄せたときの、クラブトロリ端部とクレーンガーダ端部ではなく、つり具速度と走行レールの中心間の最小の水平距離を指します。

まとめ

特に定格荷重に関する問題は良く出題されるので押さえておきましょう。

参考になった数8

02

用語問題は「どの言葉をどの場面で使うか」を正確に覚えているかを見ます。特に、定格荷重と定格総荷重の違い、作業半径の測り方、キャンバの意味、寄りの測り方は頻出です。文章の中の1語のズレに注意して丁寧に判断しましょう。

選択肢1. 起伏するジブクレーンの定格荷重とは、クレーンの構造及び材料並びにジブの傾斜角及び長さに応じて負荷させることができる最大の荷重から、フックなどのつり具の質量を除いた荷重をいい、クレーンによっては、ジブの傾斜角や長さに応じて定格荷重が変化するものがある。

正しいです。
定格荷重は「吊り上げ可能な荷の重さ」を指し、フック等のつり具の質量は含めません。起伏ジブでは角度や長さが変わると作業半径が変化し、定格荷重も変わります。イメージは「ジブを寝かせて半径が大きくなるほど持てる重さが下がる」です。

選択肢2. 定格速度とは、つり上げ荷重に相当する荷重の荷をつって、巻上げ、走行、横行、旋回などの作動を行う場合の、それぞれの最高の速度をいう。

誤りです。
定格速度は「定格荷重を吊ったときに出せる基準の作動速度」です。「最高の速度」とは限りません。無負荷時の方が速いこともあるため、「最高」という表現が不適切です。

選択肢3. 起伏するジブクレーンの作業半径とは、ジブの取付けピンの中心から、ジブ先端のシーブの中心までの距離をいい、引込みクレーンでは、水平引込み機構により、ジブを起伏させると作業半径が変化する。

誤りです。
作業半径は「旋回中心からフック中心までの水平距離」です。問題の記述ではジブの長さだけになってしまい、作業半径の定義になっていません。起伏や引込みで作業半径が変わる点自体はそのとおりですが、前段の定義が誤りです。

選択肢4. 天井クレーンのキャンバとは、クレーンガーダに荷重がかかったときに生じる下向きのそり(曲がり)をいう。

誤りです。
キャンバは「無負荷時に上向きに与えておく反り」のことです。荷重で下向きにたわむ分を見越して、最初から上向きに反らせておくイメージです。下向きの変形そのものは「たわみ」です。

選択肢5. 天井クレーンの寄りとは、クラブトロリをクレーンガーダ端の停止位置まで寄せたときの、クラブトロリ端部とクレーンガーダ端部との間の最小の水平距離をいう。

誤りです。
寄りは「トロリを端まで寄せたときのフック中心から端部(止め位置)までの最小水平距離」です。フック中心で規定するのがポイントで、「トロリ端部どうしの距離」ではありません。

まとめ

・定格荷重はつり具の質量を含めない。ジブ角や長さにより作業半径が変われば定格荷重も変化する。
・定格速度は「定格荷重時の基準速度」であり「最高速度」ではない。
・作業半径は「旋回中心→フック中心の水平距離」。
・キャンバは「無負荷時に上向きの反り」。
・寄りは「フック中心基準の最小水平距離」。
これらは言い回しの細部で正誤が分かれる典型問題です。ひっかけ問題に惑わされないよう本文を一語ずつ確認する癖をつけましょう。

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