あん摩マッサージ指圧師の過去問
第25回（2017年）
午前 問53

内分泌系疾患や、

循環器系疾患などでは、

体重増加をきたすことがあります。

各疾患の特徴を熟知していれば解ける問題です。

特に体重の増減を問う設問は覚えておいて損はないでしょう。

甲状腺機能亢進症（バセドウ病）

甲状腺機能の異常は，FT4，FT3，TSH の結果によって，亢進，低下，正常の 3 群

に分けられます。機能亢進症の場合FT4，FT3 上昇，TSH 低下が見られます。

自覚症として汗が多い・ 疲れやすい・ 動悸がする・ 手が震える・ 首が腫れた・ 暑さに弱い・ やせた・ 食欲が異常にある ・いらいらする

他覚症状として甲状腺腫・ 頻脈・ 皮膚の変化・ 振戦・ 心房細動 ・眼球突出

パーキンソン症候群

パーキンソン症候群は、パーキンソン病に似ているが異なる病気の総称で、またはパーキンソン病とよく似た運動障害症状全般を指します。症状の出方は原因疾患によって微妙に異なります。

症候群とパーキンソン病の決定的な違いは比較的振戦が少ない事です。

アジソン病

難病指定されています。免疫反応に関わるホルモンが必要以上に低下する疾患。

特に副腎皮質自体の病変による原発性のものをアジソン病と呼びます。

初期にみられる症状および徴候は，筋力低下，疲労，起立性低血圧。

色素沈着（体の露出部，および程度は低いが非露出部にも生じるびまん性の黒色化）

食欲不振，悪心，嘔吐，下痢、体重減少，脱水，低血圧はアジソン病の後期にみられる特徴

クッシング症候群

難病指定されています。内分泌疾患です。副腎からのコルチゾル過剰分泌。

身体徴候として、満月様顔貌・野牛肩（バッファローパンプ）・中心性肥満・皮膚菲薄化・腹部赤色皮膚線条・近位筋の筋力低下・高血圧・耐糖能異常・骨粗鬆症・月経異常・うつ症状

体重増加や浮腫で疑われる病気として、甲状腺疾患、心機能疾患、腎機能疾患が主に疑われます。
　・甲状腺機能低下症は橋本病を代表に全身浮腫がみられます。
　・心機能疾患はうっ血性心不全時に下肢の浮腫、重症時は全身浮腫がみられます。
　・腎機能疾患はネフローゼ症候群のときに全身浮腫がみられます。

他に特徴的な体重増加が症状とされる疾患には、クッシング症候群（副腎皮質機能亢進症）があります。
この疾患は40代女性に多く、「中心性肥満・満月様顔貌（ムーンフェイス）・水牛様脂肪沈着（バッファローハンプ）」がみれれます。

特に女性において更年期障害やからの肥満もみられます。

１．甲状腺機能亢進症
　　甲状腺機能亢進症のほとんどがバセドウ病で、バセドウ病の症状としては「眼球突出・甲状腺腫脹・徐脈・手指振戦・発汗過多・体重減少・精神不安」などがあります。

２．パーキンソン症候群
　　パーキンソン病は手足のふるえや身体のこわばりが緩やかに進行する神経変性疾患です。
　　特徴としては「仮面様顔貌・振戦・筋固縮・動作緩慢・姿勢反射障害・足の引きずり・突進歩行」などがあります。

４．アジソン病
　　アジソン病は副腎皮質機能低下症で、症状としては「低血糖・低血圧・Na血症・高K血症・脇毛、恥毛の脱落・色素沈着」などが出現し結果体重は減少します。