あん摩マッサージ指圧師の過去問
第27回(2019年)
午前 問70

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第27回(2019年) 午前 問70 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文で示す症例について、問いに答えよ。

「30歳の男性。人間ドックで高血圧を指摘された。頭痛、発汗、手指振戦、痩せを認めた。家族歴には特記事項なし。腹部CTでは副腎に腫瘍を認めた。」

本症例の血液検査で高値を示すのはどれか。
  • コルチゾール
  • 副腎皮質刺激ホルモン
  • カテコラミン
  • アルドステロン

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この過去問の解説 (3件)

01

本症例は、副腎に出来た腫瘍のためにホルモンの分泌が異常分泌され、クッシング症候群や褐色細胞腫といった疾患が考えることが出来ます。

そして、症状から鑑みた場合、副腎髄質の腫瘍による『副腎髄質ホルモン』の分泌異常で起きる褐色細胞腫の疑いが強いと言えます。

1.コルチゾールは、『副腎皮質ホルモン』です。

過剰分泌された場合は、高血圧となりますが、中心性の肥満やたんぱく質の異化作用による皮膚の萎縮、不眠など、クッシング症候群の症状が現れます。

2.副腎皮質刺激ホルモンは、『脳下垂体ホルモン』であす。

腫瘍位置からも考えにくく、また副腎皮質が標的となり、コルチゾールが過剰分泌されてクッシング症候群の症状が現れます。

3.カテコールアミンは、『副腎髄質ホルモン』です。

過剰分泌された場合、高血圧・発汗などの交感神経刺激症状に加え、画面蒼白・四肢冷感・手指振戦・痩せなどがあられる褐色細胞腫の症状となり、正答となります。

4.アルドステロンは、『副腎皮質ホルモン』です

過剰分泌された場合、腎臓の尿細管・集合管へ作用し、高血圧と低カリウム血性アルカローシスを起こす原発性アルドステロン症の症状が現れます。

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02

先ず「発汗」「手指振戦」「痩せ」

ということから、バセドウ病が思い浮かぶかも知れませんが、甲状腺ホルモンである、トリヨードサイロニンやサイロキシンが選択肢にないことから、除外されます。

次に、「副腎の腫瘍」ということから、

先ず最も多い、「原発性アルドステロン症」(高血圧、低カリウム血症)か、

コルチゾールにより肥満となる「クッシング症候群」、

または、

カテコールアミンによって高血圧、発汗、動悸、手指振戦、痩せなどの症状のでる「褐色細胞腫」というように、

副腎ホルモンの種類に由来する疾患を疑えます。

また、副腎皮質刺激ホルモンと、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールとアルドステロンの3つの選択肢は、副腎皮質と関係がありますが、

カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン)だけは、副腎髄質ホルモンなので、こういった切り口でも回答へと導く事も出来るでしょう。

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03

副腎の腫瘍が原因となる疾患としては、クッシング症候群、褐色細胞腫、原発性アルドステロン症などが考えられます。

それぞれの疾患の特徴としては
・クッシング症候群
 症状:中心性肥満(満月様顔貌、水牛様脂肪沈着)、糖尿病、骨粗鬆症、筋力低下、筋萎縮、高血圧、多毛、ざ瘡、月経異常、不眠、うつ症状、免疫機能低下など

・褐色細胞腫
 症状:高血圧、頭痛、発汗、高血糖、代謝亢進、頻脈、顔面蒼白、四肢冷感、手指振戦、やせ、腹痛、悪心、嘔吐など

・原発性アルドステロン症
 症状:低血糖、低血圧、Na血症、高K血症、恥毛の脱落、色素沈着など


手指振戦という特徴的な症状から「褐色細胞腫」と考えられます。

褐色細胞腫の診断は、血中カテコールアミン高値、尿中カテコールアミン排泄増加、尿中カテコールアミン代謝物高値から診断されます。
CT、MRI、シンチグラフィ検査などで腫瘍を検出し確定診断されます。


1.コルチゾール
  クッシング症候群の診断は、コルチゾール過剰分泌から診断されます。
  エコー、CT、MRI検査などにより、副腎腫瘍、下垂体腫瘍を診断します。

2.副腎皮質刺激ホルモン
  クッシング病の診断は、血中副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)上昇、血中コルチゾール高値、尿中17−ヒドロキシコルチコステロイド増加などがあります。
  脳CT検査、MRI検査で下垂体腫瘍を検出し確定診断されます。

4.アルドステロン
  アルドステロン症の診断は、高血圧、血清Na高値、K低値、血症レニン活性低値、血漿アルドステロン濃度高値などがあります。
  CT検査、シンチグラフィなどで副腎腺腫、癌を診断します。

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