問題
「45歳の男性。主訴は腰痛。2か月前から発症し、後屈時に主訴が再現する。後正中の外方約2cmの深部に圧痛がみられる。」
45歳の症例の男性の主訴は、
2か月前から発症した腰痛でした。
後屈時に主訴が再現するとともに、
後正中の外方約2cmの深部に
圧痛がみられていました。
症例の男性の症状から、
最も適切な施術部位は、
腰椎椎間関節部であるといえますので、
これが正解であると考えられます。
仙腸関節は、
仙骨と腸骨で形成される関節です。
仙腸関節に障害がある場合、
前屈時や後屈時に腰痛を生じるほか、
そ径部や下肢に痛みが生じることがあります。
腰方形筋は、
腸骨稜の後面内側縁を起始とし、
第1〜4腰椎の横突起と第12肋骨の下縁で
停止する筋です。
仙腸関節に障害がある場合、
後屈時に腰痛が増強するほか、
大腿後面に痛みが生じることがあります。
棘筋は、
第2腰椎-第12,11胸椎棘突起を起始とし、
第8,9-第3,2,1胸椎棘突起で停止する筋です。
棘筋の障害による腰痛では、
前屈に痛みが増強することがあります。
腰部や背部の筋について振り返っておきましょう。
腰の後屈時の腰痛は、椎間板が原因である可能性が多くなってきます。
また、後正中の外方約 2 cm の深部への圧痛ということで、対象となる部位は椎間関節だと言えます。
よって、1.腰椎椎間関節部が、正答となります。
2.仙腸関節部が原因の場合、臀部・鼠径部の疼痛や下肢の痺れなど、坐骨神経症状が現れやすくなってきます。
3.腰方形筋部が原因の場合、腰部の回旋時の疼痛や可動制限などが現れやすくなってきます。
4.棘筋部に原因がある腰痛は筋・筋膜性腰痛であることが多く、腰椎前屈時や回旋時の疼痛が現れやすくなってきます。
筋としては腸腰筋と脊柱起立筋(最長筋・棘筋)が考えられます。
腸腰(腸骨筋と大腰筋)筋
腸骨筋
起始部 :腸骨窩(内部)
停止部 :小転子
大腰筋
起始部 :胸椎(T12)から腰椎(L1~5)の横突起
停止部 :小転子
最長筋(胸最長筋)
起始部 :腸骨(腸骨稜)、仙骨、腰椎(棘突起)
停止部 :腰椎(副突起)、第3-5以下の肋骨、胸椎(横突起)
棘筋
起始部 :L2 - T12・11棘突起
停止部 :T8,9 - T3・2・1棘突起