問題
「 41 歳の男性。2 か月前から大腿及び下腿後面、足底にかけて痛みが出現した。MRI 検査で椎間板ヘルニアと診断されている。SLR テスト陽性。」
本症例で経脈流注を考慮した施術を行う場合、最も適切なのはどれか。
MRI検査で椎間板ヘルニアとの診断がついていること、
SLRテストが陽性であること、
大腿〜下腿後面〜足底の痛みがあることから、
L5〜S1間のヘルニアであり、S1神経根障害が生じていると考えられます。
痛みがある大腿〜下腿後面〜足底に沿った施術を考慮します。
足の厥陰経は、第1趾から、
下腿内側、膝窩を経て鼠径部へと続きます。
足の太陰経は、第1趾から、
足の内側、中足骨底内側前縁、下腿内側、膝蓋骨内側上縁を経て
大腿内側、鼠径部に至ります。
足の陽明経は、
下肢では鼠径部から大腿前面外側、膝蓋骨、下腿前面、
足背を経て、第2趾に至ります。
足の太陽経は、下腿では、殿部、大腿後面、下腿後面、外果を経て、
足の外側、第5趾に至ります。
痛みの出現部位を考慮すると、これが正解であると考えられます。
経絡については、設問に出てくる都度復習するなどして、
繰り返し触れていきましょう。
本症例の「大腿及び下腿後面、足底にかけて痛み」「SLR陽性」「椎間板ヘルニア」という事から、L5-S1ヘルニアでS1神経根症状が出現していると推測されます。
施術対象の経脈流注としては、痛みの走行に合致するものを選択すると良いでしょう。
足の母指と示指の間を上がり、内果の前から下腿内側を上がり、大腿内側に沿って、下腹部に入り、生殖器を巡って肝臓に達します。
足の母指内端から内果を通って、下腿内側、大腿内側を上がり鼠径部より腹に入ります。
鼻根から鼻外側を巡り、上歯の中に入り、唇を巡り、下顎下縁を通り、耳の前を上がり、側頭部を巡り、額に至ります。
一方は、前頸部を下り、鎖骨に沿って、乳の内廉を下り、臍の脇を通って、大腿前外側を下り、膝関節を巡り、下腿前外側を下り、足の第二趾外端に終わります。
内眼角から、額に上がり頭頂部を通り、後頭部を下り、頸部後方を通り、背部後方を下り、臀部を通り、大腿後面を下り、下腿後面を通って、外果後方を通り、足の第5趾外側に終わります。