あん摩マッサージ指圧師の過去問
第29回(2021年)
午前 問78
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問題
あん摩マッサージ指圧師国家試験 第29回(2021年) 午前 問78 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文で示す症例について、以下の問いに答えよ。
「65歳の女性。指圧を受けているときに左側胸部に強い痛みを感じた。帰宅後も痛みは続き、疼痛部位に一致して半円球状の膨隆がみられたため、病院の夜間外来を受診した。」
半円球状の膨隆の原因として最も考えられるのはどれか。
「65歳の女性。指圧を受けているときに左側胸部に強い痛みを感じた。帰宅後も痛みは続き、疼痛部位に一致して半円球状の膨隆がみられたため、病院の夜間外来を受診した。」
半円球状の膨隆の原因として最も考えられるのはどれか。
- 浮腫
- 皮下出血
- 皮下膿瘍
- 血胸
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この過去問の解説 (3件)
01
65歳の女性は、
指圧の施術中から生じた左側胸部痛がなくならず、
半円球状の膨隆がみられたため、夜間に病院を受診されました。
浮腫は、皮下組織に水分が貯留した状態です。
浮腫の原因は、静脈圧の上昇や浸透圧の変動、
炎症に大別されます。
皮下出血は、長時間の圧迫などにより、
皮下で出血している状態です。
この女性は、指圧を受けた後に
半円球状の膨隆がみられていることから、
施術時の圧迫による皮下出血を生じている可能性がありますので、
これが正解であると考えられます。
皮下膿瘍は、皮下組織に細菌感染がおこり、
膿が溜まった袋ができている状態です。
血胸は、胸腔内に
血液が貯留している状態です。
一般に、高齢の女性は、骨密度の低下により、
骨折しやすい状況にあります。
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02
1.浮 腫
浮腫は、皮下組織に水がたまった状態であり、疼痛は伴いません。
頻発部位は下肢であり、指圧などを受けた際には改善することも多く、本症例に適しているとは言えません。
2.皮下出血
皮下出血は骨折などが起きたときに現れやすい症状であり、指圧の際に過剰な圧迫を加えたために起こりうる事例であり、正答となります。
3.皮下膿瘍
皮下膿瘍とは皮膚や皮下組織などに炎症が起こり、細菌感染によって化膿巣や膿瘍を形成した状態です。
この疾患は細菌感染が主たる原因であり、指圧を受けた事が原因とは言えません。
4.血 胸
血胸とは、何らかの原因によって肺と胸壁との間に血液が溜まってしまう状態です。
ふらつき・息切れ・胸痛等が主症状で、皮膚が汗ばみ、冷感を帯びます。
血胸自体は痛みを伴いませんが、その原因は肺や胸部血管の損傷で起こりるため、その痛みが現れます。
外傷でもよほどの事態の際に起こるものであり、指圧が原因で起こる事はまずないと言えます。
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03
1、浮腫・・・×
水分により腫れた状態であり痛みを伴いません。主に顔や手足に多く見られます。
2、皮下出血 ・・・○
骨折部の出血や炎症により膨隆が起こったと考えられます。
3、皮下膿瘍 ・・・×
皮下膿瘍は多くの所見がありますが、指圧時以降から痛みが発生し続け、腫れが現れていることから、皮下膿瘍の可能性は低いと言えます。
4、血胸・・・×
胸腔に何らかの原因で出血した血液が溜まってしまう状態です。肋骨骨折によって起こりえますが、症状は息苦しさやチアノーゼなどを伴い、本症例とは異なります。
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