あん摩マッサージ指圧師の過去問 第30回(2022年) 午前 問33
この過去問の解説 (3件)
食道静脈瘤は肝臓とその周囲の血圧が高くなることで引き起こされます。
胃癌でも進行すると吐血がみられますが食道静脈瘤はみられません。
肝硬変になると肝臓内の血流が滞り門脈の圧が高くなります。その結果、食道静脈瘤になります。
肺結核でも口から血を吐くことはありますが吐血ではなく喀血と呼ばれます。
正解は 肝硬変。です。
出血には大きく分けて血管壁側に問題がある破綻性出血と血液に問題がある漏出性出血の2種類の出血があります。
・破綻性出血:外傷・胃腸管の潰瘍・炎症による組織の融解・癌の浸潤・動脈硬化・動脈炎・動脈瘤など血管外に問題があるものと、血管壁の脆弱化が原因のものとあります。
・漏出性出血:乏酸素血・細菌性毒素・炎症巣に起こる出血・ビタミンC欠乏による出血が原因のものとあります。
出血の種類としては
・食道や胃からの出血を吐き出す吐血
・肺からの出血を吐き出す喀血
・腸から便へ出る下血
・尿中へ出る血尿
・体腔内の出血(血胸・腹腔内出血・心嚢内出血) などがあります。
胃癌では、癌が進行し浸潤していくことによって吐血や下血を呈することがあります。
しかし、食道静脈瘤は見られません。
食道静脈瘤は、側副血行路の発達によって食道下端の静脈叢や胃噴門部が拡張したものを言います。
普段は症状がありません。
しかし、破裂すると大量の黒色の吐血(吐血の予兆として少量の下血(黒色便)が先行することがあります)を起こし、ショック症状を呈します。
原因としては肝硬変や肝癌などによる門脈圧の上昇によって側副血行路である食道粘膜下の血管が拡張したことによるものとされています。
肺結核では結核性空洞のような炎症による組織融解によって出血することがありますが、この場合は喀血にあたります。
心臓弁膜症では原因となる心臓弁膜によって見られる症状が違います。
あえて見られる出血としては、心臓内でのうっ血や感染性心内膜炎によって血栓が生じ、その血栓によって腎梗塞を生じたときに見られる血尿などがあります。
正解は肝硬変です。
×
胃癌の場合、癌の組織から出血し、吐血することがあります。
○
肝硬変では、肝臓内に繊維組織が増えて硬くなっていきます。
すると小腸や大腸からつながっている門脈の圧力が高くなり、
その圧により食道の静脈の壁が膨らみ、瘤ができます。
これを食道静脈瘤といい、破裂すると吐血が生じます。
×
肺結核は、結核菌に感染しておこる呼吸器疾患です。
病状により、気道から出血、つまり喀血することがあります。
×
心臓弁膜症は、心臓の弁に障害がおき、
機能が低下する病気です。
心不全や不整脈がみられることがあります。
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