あん摩マッサージ指圧師の過去問 第30回(2022年) 午前 問34
この過去問の解説 (3件)
「肉芽腫」慢性的な炎症によって生じる炎症関連の細胞の集まりです。
「結核」は特徴として乾酪性壊死を伴う肉芽腫がみられます。
「面疔」では顔の中心部にできた癰(毛包炎の進行したもの)のことです。
膿からなる硬結ができます。
「ジフテリア」は体内で増殖、作り出した毒素で組織を破壊し「偽膜」という膜状物を作ります。
「アレルギー性鼻炎」ではうっ血により粘膜が腫れます。
正解は 結核。です。
炎症とは・発赤・発熱・腫脹・疼痛・機能障害の5つを定義とする病気の一種です。
炎症は障害因子の作用によって細胞組織が傷害されると、それに対して現れる生体反応です。
障害因子は・病原体の感染・物理的刺激・化学的刺激・アレルギーなどが挙げられます。
そんな炎症の分類で、肉芽種性炎を起こすのは主に特異性炎です。
特異性炎は、特異的な組織像を示す肉芽種を形成する疾患が分類されます。
疾患としては代表的な結核があり、その他に梅毒・ハンセン病・野兎病。腸チフス・サルコイドーシスなどがあります。
結核は、結核菌を吸い込み(空気感染)、その結核菌が肺の中で結核結節と呼ばれる肉芽種を作ります(初期感染巣)。
この結核結節は中心が壊死(凝固壊死)しています。これはチーズのように黄白色を呈していて、乾酪化壊死とも呼ばれます。
この結核結節は壊死を囲むように結核菌を貪食するマクロファージと、マクロファージが何個か融合してできるラングハンス巨細胞の層があり、
その周囲をリンパ球が取り囲むようにして一つの肉芽種を作り炎症を引き起こします。
ほとんどが結核菌を吸い込んでも発症することはなく、初期感染の段階で結核に打ち勝ち初期変化群に石灰化を残して治癒します。
しかしAIDSのように免疫能の低下が見られるような場合は感染する確率が上がります。
その他の疾患では結核と近似した肉芽種を作ります。
面疔(めんちょう)はダニや黄色ブドウ球菌の感染によって発症する細菌感染の一種です。
炎症の分類としては化膿性炎となります。
化膿性炎症は滲出物(膿)に大量の好中球を含む炎症を言います。
ジフテリアはジフテリア菌によって感染(飛沫感染)する急性感染症の一種です。
感染症の分類では2類感染症です。
炎症の分類としては滲出性炎の中の線維素性炎となります。
ジフテリア菌が上気道粘膜が壊死に陥ったところフィブリンが出てきて一緒になって膜状になる偽膜を形成するため、偽膜性炎とも呼ばれます。
アレルギー性鼻炎は過敏症の一種です。
これは原因となるアレルゲンを吸引することで、異物を排除するための防御的な仕組みが過剰に免疫反応を引き起こします。
それにより鼻粘膜が感作されて炎症を起こし、大量の薄い鼻汁とくしゃみが多発されます。またこれはI型アレルギーに分類されます。
正解は結核です。
○
刺激物質に対し、
マクロファージ系細胞が反応して形成される慢性炎症反応を、
肉芽腫性炎(症)といいます。
結核では、結核菌による肉芽腫性炎を認めます。
×
面疔は、
顔の中心部で黄色ブドウ球菌などが毛包に感染しておこる、
細菌感染症のひとつです。
膿疱を形成し、痛みや熱感を伴います。
×
ジフテリアは、
毒素を生産するジフテリア菌による急性感染症です。
上気道粘膜に起こることが多いですが、
皮膚に生じる場合もあります。
灰色〜白色の偽膜を形成します。
×
アレルギー性鼻炎は、
何らかのアレルギーを引き起こす物質が
鼻の粘膜から侵入し、
免疫反応を起こす病気です。
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