あん摩マッサージ指圧師の過去問
第30回(2022年)
午前 問52
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問題
あん摩マッサージ指圧師国家試験 第30回(2022年) 午前 問52 (訂正依頼・報告はこちら)
慢性骨髄性白血病について正しいのはどれか。
- 脾臓は萎縮する。
- 10~20歳代に多い。
- 白血球数は正常である。
- 急性転化を起こさせないことが重要である。
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この過去問の解説 (3件)
01
染色体異常をもつ造血幹細胞が、分化能を持ちながら腫瘍性に増殖することによる疾患で、各成熟段階の顆粒球増加を特徴とします。
脾臓内でも白血球が増殖するため、脾種になります。
30~40歳代での発病が多いです。
著明な白血球数の増加がみられます。
無治療の場合に、3~5年程度持続する慢性期を経て、芽球が著増する急性転化を起こします。急性転化すると、貧血や感染症、出血傾向など急性白血病と同様の症状を呈します。治療は極めて困難で死に至るため、防ぐことが重要です。なので、これが正解であると考えられます。
治療法には、薬物療法や同種造血幹細胞移植がありますが、急性転化した場合は長期生存は望めません。
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02
慢性骨髄性白血病とは、主に好中球や好酸球、好塩基球が無制限に増殖する骨髄増殖性の疾患で、
造血幹細胞における遺伝子変異によるものとされています。
フィラデルフィア染色体という、異常染色体を認める事が多く、10万人に1人の割合で発症し、50歳~60歳に好発します。
慢性期から、急性転化した場合には脾腫や発熱がみられ、急性白血病となってしまうので、
急性転化しないよう治療を進めていく必要があります。
間違いです。
脾臓は委縮しません。脾腫がみられることがあります。
間違いです。
10代から20代ではなく、50代から60代の傾向が強いです。
間違いです。
白血球は、増加します。
正解です。
急性転化を起こさせないことは非常に重要です。
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03
正解は「急性転化を起こさせないことが重要である。」です。
白血病は造血幹細胞・造血前駆細胞が腫瘍化した細胞が、骨髄・末梢血液で無制限に増殖し正常な造血機構を障害する病態です。
簡単にいうと、親から分化するときに、細胞へ異常をきたして、未熟な細胞(慢性の場合は各種成熟段階の白血球も含む)を大量に生産してしまいます。また、未熟な細胞は正常に働くことができないため、それぞれの細胞が担うべき働きが通常に行われず異常が現れてきます。
それがリンパ系ならリンパ性白血病。骨髄系なら骨髄性白血病となります。
例として貧血・感染症・傷が治りにくい・脾臓肥大(たくさんの血漿を壊さなければならないためパンパンになる)などが挙げられます。
☆それぞれの白血病の特徴
・急性骨髄性白血病(AML)
造血幹細胞から顆粒系へ分化する段階で細胞が腫瘍化します。ペルオキシターゼ反応が陽性。
・急性リンパ性白血病(ALL)
リンパ球が分化する段階で細胞が腫瘍化します。ペルオキシターゼ反応が陰性。
*ペルオキシターゼ反応について抑えておくと良いでしょう。
・慢性骨髄性白血病(CML)
末梢血液、骨髄で顆粒系の白血病が著しく増えているのが特徴です。95%フィラデルフィア染色体(9番と22番染色体の転座)があり、遺伝子異常が明確です。比較的慢性に経過しますが、発病して3〜5年で急性転化と言って急性骨髄性白血病のような病像に変化し、急速に悪化します。急性転化が起こってからは予後が悪いため、急性転化が起こらないようにすることが重要となります。
・慢性リンパ性白血病(CLL)
高齢者に多く見られ一見すると成熟した様な形態のリンパ球が末梢血液や骨髄で増加し(ほとんどがBリンパ球の腫瘍化)リンパ節が腫脹します。慢性の経過をたどり、5〜10年にわたることがあります。
・成人T細胞白血病(ATL)
日本の西南地方に多く見られ、白血病化した異常な形態を示すT細胞が末梢血液、骨髄、リンパ節で増殖します。
白血病は生理学の血液生成の仕組みと一緒に覚えるとより理解を深めることができます。
苦手意識が多い部分ではありますが、根気強く頑張りましょう。
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