あん摩マッサージ指圧師の過去問
第30回(2022年)
午後 問31
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問題
あん摩マッサージ指圧師国家試験 第30回(2022年) 午後 問31 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文で示す症例の絞扼部位として施術対象となる筋で最も適切なのはどれか。
「26歳の女性。1か月前から右上腕から手指にかけてのしびれと冷感がある。電車のつり革に長時間つかまっていると症状が悪化する。ジャクソンテスト陰性、モーレイテスト陰性、ライトテスト陽性。」
「26歳の女性。1か月前から右上腕から手指にかけてのしびれと冷感がある。電車のつり革に長時間つかまっていると症状が悪化する。ジャクソンテスト陰性、モーレイテスト陰性、ライトテスト陽性。」
- 斜角筋
- 小胸筋
- 僧帽筋
- 上腕筋
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は小胸筋です。
右上腕から手指にかけてのしびれと冷感があること、
電車のつり皮を長時間持っていると症状が悪化することから、
胸郭出口症候群が疑われます。
胸郭出口症候群は、
首から腕にかけて走行する
腕神経叢と鎖骨下動脈が圧迫されることで生じます。
なお、ジャクソンテストが陰性であることから、
事例の女性の症状の原因として、
神経根障害である可能性は低いと考えられます。
×
斜角筋は、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋と3つあり、
このうち前斜角筋と中斜角筋との間は、
胸郭出口における絞扼部位の一つとされています。
モーレイテストが陰性であったことから、
斜角筋による神経の圧迫はないものと考えられます。
○
小胸筋と肩甲骨の間は、
胸郭出口における狭窄部位の一つとされています。
ライトテストが陽性であることから、
小胸筋の痙攣などが原因として示唆されます。
以上より、小胸筋は施術対象となると考えられます。
×
僧帽筋は、背部にある筋で、
胸郭出口症候群との関連性は低いと考えられます。
×
上腕筋は、上腕にある筋で、
胸郭出口症候群との関連性は低いと考えられます。
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02
上腕の長時間の挙上により、手指のしびれと冷感ということから、第一肋骨、鎖骨、斜角筋などで構成される胸郭出口での絞扼性障害の胸郭出口症候群が疑われる症例です。
ジャクソンテストは、神経根症状のテスト法です。
モーレイテストは、前斜角筋と中斜角筋の絞扼による斜角筋症候群のテスト法です。斜角筋症候群は、胸郭出口症候群の中に分類されます。
ライトテストは、小胸筋と肩甲骨烏口突起の絞扼による胸郭出口症候群のテスト法です。
正解です。
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03
胸郭出口症候群の症例です。
胸郭出口には、斜角筋、鎖骨、第1肋骨、頚肋で物理的に狭い空間があります。
こうした場所で、腕神経叢・鎖骨下動静脈が圧迫されることで、
胸郭出口症候群を発症します。
ライトテスト陽性の場合、小胸筋の緊張などによる過外転症候群が疑われます。
よって、正解は2.小胸筋です。
他の選択肢については次の通りです。
1.斜角筋→モーレイテスト陽性であれば、施術対象になります。
3.4.胸郭出口症候群の直接的な原因となるケースを考えにくいため、
最も適切な施術対象から外れます。
【補足】
ジャクソンテストは、椎間関節障害や神経根障害を疑う際に、行う検査です。
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