肩の前面、肘外側を走行している経脈は、手の陽明大腸経です。
手の厥陰心包経は胸中に起こり、胸をめぐって腋窩に至り、上腕前面、前腕前面を下ります。
手の少陽三焦経は第４指内側端に起こり、手背、前腕後面、上腕後面を上ります。
手の太陰肺経は中焦に起こり、前胸部より腋窩に出て上腕前外側、前腕前外側を下ります。
手の陽明大腸経は示指外側端に起こり、前腕後外側、上腕後外側、肩を上ります。なので、これが正解であると考えられます。
手の陽明経の病証には、経脈上の症状のほか、眼が黄色くなる、口の渇き、鼻づまり、鼻血、喉の腫れ・痛みなどがあります。
上肢の経絡の流注は、マクロ的なイメージを持って覚えておくと良いでしょう。
先ず、前腕のイメージは、
前腕屈筋側が陰経で、
母指側、外側ラインが太陰肺経、
中央ラインが厥陰心包経、
小指側、内側ラインが少陰心経、
この逆の前腕伸筋側は、陽経となり、
母指側、外側ラインが陽明大腸経
中央ラインが、少陽三焦経
小指側、内側ラインが太陽小腸経
となります。
このまま上腕ラインを走行していきますが、
肩部では若干のずれが生じます。
肩関節周囲の経絡のラインは、
屈筋側、三角筋前部線維部分の、
外側ラインに、太陰肺経、
中央ラインに、厥陰心包経、
内側ラインに、少陰心経、
外側部、三角筋中部線維部分の
前面寄りが、陽明大腸経、
後面寄りが、厥陰三焦経、
そして、伸筋側、三角筋後部線維の、
内側ラインに、太陽小腸経、
となっています。
問題では、肘関節外側とあるので、この時点で、
陽明大腸経に絞れます。
これは図を見れば一目瞭然なので、絵を描いて覚えましょう。
肩前面と肘外側に痛みがあるとのことから、
経脈の流注を考えます。
手の厥陰経は、
前胸部から、肩前面、肘窩を経て、
第４指先端で終わります。
手の少陽経は、
第４指外側端から、手背、
肘頭、肩後面、頚部、耳後部を経て、
眉毛外端で終わります。
手の太陰経は、
前胸部から、肩前面、肘窩、
手首を経て、第１指外側端で終わります。
手の陽明経は、
第２指外側端から、手首、
肘外側、肩前面、頚部を経て、
鼻孔の外で終わります。
痛みが生じている、
肩前面と肘外側に一致していますので、
これが正解であると考えられます。
経脈図も確認しておきましょう。
