あん摩マッサージ指圧師の過去問
第32回(2024年)
午前 問57

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第32回(2024年) 午前 問57 (訂正依頼・報告はこちら)

小球性低色素性貧血を呈するのはどれか。

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この過去問の解説 (2件)

01

貧血は、平均赤血球容積と平均赤血球ヘモグロビン濃度から、小球性低色素性貧血、正球性正色素性貧血、大球性正色素性貧血の3つに分類されます。

選択肢1. 鉄欠乏性貧血

鉄の欠乏により、赤血球のヘモグロビン合成が低下して起こる貧血です。ヘモグロビン含有量が少ないので、小球性低色素性貧血になります。なので、これが正解であると考えられます。

選択肢2. 巨赤芽球性貧血

DNA合成障害により、核の成熟が障害されるのに対し細胞質は正常に発達していくため、巨赤芽球が生成されアポトーシスを起こす貧血です。大型の赤芽球がみられる大球性正色素性貧血になります。

選択肢3. 溶血性貧血

何らかの原因により赤血球の破壊が亢進し、貧血をきたす疾患です。基本的に正球性正色素性貧血となります。

選択肢4. 再生不良性貧血

骨髄での造血幹細胞レベルの障害により、血球が産生できなくなる疾患です。正球性~大球性正色素性貧血になります。
 

まとめ

貧血の分類は以下の通りです。
小球性低色素性貧血:鉄欠乏性貧血、鉄芽球性貧血、サラセミア、慢性疾患による貧血
正球性正色素性貧血:溶血性貧血、出血性貧血、腎性貧血、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群
大球性正色素性貧血:巨赤芽球性貧血、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群
 

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02

この問題のポイントは、小球性低色素性貧血の特徴とどの種類の貧血がこれに該当するかを理解することです。

 

小球性低色素性貧血は、赤血球の大きさが小さくてヘモグロビン量が少ない状態を指します。

 

病態についてきちんと把握しておきましょう。

選択肢1. 鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血は、体内の鉄が不足しているために発生する貧血です。

 

鉄が不足すると、ヘモグロビンの合成が妨げられて小球性低色素性貧血が生じます。

 

したがって、この選択肢が正解です。

選択肢2. 巨赤芽球性貧血

巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸の欠乏によって赤血球の成熟が遅れるために発生する貧血です。

 

この場合、赤血球は大きくなる(大球性)ため、小球性低色素性貧血には該当しません。

 

この選択肢は不正解です。

選択肢3. 溶血性貧血

溶血性貧血は、赤血球が破壊される速度が増加することによって発生する貧血です。

 

溶血性貧血では赤血球の大きさや色素量に関する特定のパターンははありません。

 

よって、小球性低色素性貧血には該当しません。

 

この選択肢は不正解です。

選択肢4. 再生不良性貧血

再生不良性貧血は、骨髄の造血機能が低下して赤血球の生成が減少することによって発生する貧血です。

 

この場合、赤血球の大きさや色素量に関する特定のパターンはありません。

 

小球性低色素性貧血には該当しません。

 

この選択肢は不正解です。

まとめ

小球性低色素性貧血は、赤血球が小さくてヘモグロビンの量が少ない貧血を指します。

 

このタイプの貧血は鉄欠乏性貧血によって引き起こされます。

 

小球性低色素性貧血を呈する貧血は以下2つと覚えておきましょう。

 

1.鉄欠乏性貧血

体内の鉄不足でヘモグロビンの合成が不十分になるのが原因

 

2.サラセミア(地中海性貧血)

遺伝性の疾患でヘモグロビンの鎖の合成異常が原因

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