あん摩マッサージ指圧師の過去問
第32回(2024年)
午後 問55

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第32回(2024年) 午後 問55 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文で示す病証の特徴として最も適切なのはどれか。
「41歳の女性。息子の反抗期で思い悩むことが多く、食欲も落ちてきた。軟便気味で最近は耳鳴りもある。舌質は淡、舌苔は薄、脈は細弱を認める。」
  • 疲れると症状が悪化する。
  • 耳鳴りはキーンとした強い音がする。
  • 足腰に力が入らない。
  • 粘つく黄色い痰が出る。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、41歳女性の精神ストレスに起因する症状から病証を推測しないといけません。

 

・食欲不振

・軟便

・鈍い耳鳴り

・舌質が淡く、舌苔が薄い

・脈が細弱

 

これらの症状からまず、原因が脾気虚にあることを特定します。

そして、脾気虚の特徴と一致した選択肢を解答する必要があります。

選択肢1. 疲れると症状が悪化する。

脾気虚の主な症状は下記の通りです。

 

・疲労すると症状が悪化する

・食欲不振

・軟便

・鈍い耳鳴り

・舌質が淡い

・舌苔が薄い

・脈が細弱

 

疲労で症状悪化は脾気虚の特徴と一致します。


よってこの選択肢が正解です。

選択肢2. 耳鳴りはキーンとした強い音がする。

脾気虚では鈍い耳鳴りがします。

 

よってこの選択肢は不適切です。

 

「キーンとした強い音での耳鳴り」肝火上炎や肝陽上亢で出現します。

選択肢3. 足腰に力が入らない。

脾気虚では足腰の力が抜けることはありません。


よってこの選択肢は不適切です。


「足腰に力が入らない」腎虚で出現します。

選択肢4. 粘つく黄色い痰が出る。

脾気虚では粘つく痰は出ません。


よってこの選択肢は不適切です。


「粘つく黄色い痰」痰熱で出現します。

まとめ

精神的ストレスが生じる症状から「脾気虚」を特定できるかが問われる問題でした。


脾気虚では「疲れると症状が悪化する」ことも知っておく必要があります。

 

症状は1つだけでなく、主症状を全て覚えておくようにしましょう。

 

 

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02

食欲不振、軟便などは脾の運化機能の失調などで起こります。また、思い悩むのは五志で脾に対応しています。また、気血の不足で舌質淡、脈弱などがみられることから、本症例の病証は脾気虚と考えられます。

選択肢1. 疲れると症状が悪化する。

気虚は疲労が原因の1つになるものなので、これが正解であると考えられます。

選択肢2. 耳鳴りはキーンとした強い音がする。

激しい耳鳴りは、肝火の上炎により頭部に影響が及んだ場合などでみられます。

選択肢3. 足腰に力が入らない。

腎の機能失調などで足腰に力が入りにくくなります。

選択肢4. 粘つく黄色い痰が出る。

粘調で黄色の痰は肺陰虚でみられます。
 

まとめ

問題文の所見から、どの臓腑の病証なのか、関係する生理物質、虚実などを判断できることが大切です。

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