あん摩マッサージ指圧師 過去問
第33回(2025年)
問137 (午後 問57)

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問題

あん摩マッサージ指圧師試験 第33回(2025年) 問137(午後 問57) (訂正依頼・報告はこちら)

次の症例でみられる腹痛の性質で最も適切なのはどれか。
「27歳の男性。主訴は腹痛。普段から食が細く、痩せ型で胃下垂がみられる。大便は溏薄。顔色は萎黄、舌質は淡、脈は虚弱を認める。」
  • 脹痛
  • 絞痛
  • 重痛
  • 隠痛

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この過去問の解説 (2件)

01

東洋医学において腹痛とは

血のめぐりが悪くなったり、気が滞ったりが原因で起こるとされています。

選択肢1. 脹痛

脹痛とは腹部の張りを感じることです。

婦人科系疾患、胃腸炎などで脹痛を感じます。

設問ではそのような不調は見られないので✕です。

選択肢2. 絞痛

絞痛とはその名の通り、絞られるような強い痛みのことです。

四肢が冷えた際にこれを訴えます。

設問に冷えの訴えはないので✕です。

選択肢3. 重痛

重痛は湿度が高い時期に訴えが多くなる、主だるく感じる痛みのことです。

設問に湿度の訴えはないので✕です。

選択肢4. 隠痛

隠痛の症状は下痢、顔色の萎黄、細い食事などであり

設問とあてはまります。

よって〇です。

まとめ

痛みの種類も把握し、治療につなげましょう。

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02

隠痛(いんつう)が最も適切です。

隠痛は鈍くて持続的な痛みが特徴で、気血や脾胃の虚弱によって起こりやすいとされています。

選択肢1. 脹痛

張るように膨満して痛むタイプで、気の停滞(肝気鬱結や食滞)など実証に多くみられます。

今回のような虚弱所見とは合いません。

選択肢2. 絞痛

しぼられるように激しく差し込む痛みで、寒邪の凝滞や急性の閉塞が原因となります。

虚弱で慢性的な症状とは異なります。

選択肢3. 重痛

重だるい痛みで、湿邪が停滞すると生じやすく、体の重だるさを伴うことが多いです。

痩せ型・食少・淡舌の虚証像とは一致しません。

選択肢4. 隠痛

鈍く持続する痛みで、温めたり軽く押さえると楽になるのが特徴です。

脾胃気虚や血虚などの不足状態で現れやすく、
 ‐ 食が細い
 ‐ 痩せ型・胃下垂
 ‐ 溏薄便
 ‐ 顔色萎黄・舌淡・脈虚弱
 といった脾胃虚弱の所見がそろう本症例と符合します。

まとめ

虚弱体質で脾胃の働きが低下すると、腹部を温めたり圧迫したりすると軽減する隠痛が現れやすくなります。

脹痛・絞痛・重痛はいずれも実証や湿邪・寒邪が主体の痛みで、本症例の「脾胃虚弱による慢性の鈍痛」とは性質が異なるため、選択肢としては隠痛が最も適切です。

 

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