あん摩マッサージ指圧師 過去問
第33回(2025年)
問141 (午後 問61)
問題文
「65歳の女性。自宅で転倒。左大転子周囲に腫脹と内出血があり、背臥位で左下肢外旋位がみられた。立ち上がることができず、人工股関節置換術を受けた。」
最も考えられる疾患はどれか。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
あん摩マッサージ指圧師試験 第33回(2025年) 問141(午後 問61) (訂正依頼・報告はこちら)
「65歳の女性。自宅で転倒。左大転子周囲に腫脹と内出血があり、背臥位で左下肢外旋位がみられた。立ち上がることができず、人工股関節置換術を受けた。」
最も考えられる疾患はどれか。
- 関節リウマチ
- 股関節後方脱臼
- 大腿骨頸部骨折
- 変形性股関節症
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
大腿骨頸部骨折が最も考えられます。
転倒後に立てなくなり、患肢が外旋位で短縮しやすいこと、また高齢女性で人工股関節置換術(骨頭・頸部の置換が必要)が行われた、という臨床経過が典型的です。
慢性的な炎症で複数関節が腫れますが、転倒直後に外旋位で立てなくなる急性像とは一致しません。
人工股関節を急施する背景にもなりにくいです。
交通外傷など高エネルギー外力で起こり、患肢は通常「内旋・短縮・内転位」を示します。
今回の外旋位とは逆の肢位です。
高齢者の転倒後に多発する骨折で、腫脹・皮下出血が大転子周囲に出やすく、患肢は外旋位となり自立歩行不能になります。整復固定が難しいと人工股関節置換術を選択するのが一般的です。
長年の軟骨摩耗で徐々に痛みや可動域制限が進みます。
転倒による急性症状や皮下出血は通常みられません。
高齢女性の転倒後に
大転子周囲の腫脹・内出血
下肢外旋位
歩行不能 → 人工股関節置換術
という一連の所見は、「大腿骨頸部骨折」を示す典型例です。
他の疾患では急性の外旋位固定と手術選択が説明できません。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
02
転倒によって負傷した部位や実際に痛みがある部位、実施された処置を考えると
どれが一番正しいが選択できるはずです。
関節リウマチは関節内の疾患なので
大転子付近ではなく股関節周辺に異常がみられるはずです。
また転倒による発症ではありません。
よって✕です。
股関節後方脱臼は股関節屈曲、内転、内旋方向へのストレスがかかり発生します。
発生機序としては
車に乗車中の交通事故、THA後(股関節人工関節置換術・後方侵入)禁忌姿勢の実施によるものが多くあげられます。
よって✕です。
どちらかのお尻に重心がやや強く寄った状態での転倒(しりもち)で
大腿骨頸部骨折が疑われます。
高齢者に多く、筋肉や関節の適合性が悪くなるため人工関節置換術を用います。
設問の状況に当てはまるので〇です。
変形性股関節症でも人工関節置換術をする場合がありますが
今回の場合は、転倒により痛みが出現し、その症状を加味して手術を行っていることが窺えます。
変形性股関節症ではすぐに手術ではなく
徐々に痛みが出現し、運動リハビリなどで改善できない場合に外科的アプローチを行う流れが多いです。
よって✕です。
変形性の関節症の場合
基本的に運動療法が第一選択となる場合が多いです。
転倒による骨折で急を要する場合に外科的アプローチを用いたり
運動療法でも改善が見られず、ADLに多大な影響がある場合に
生活背景等も加味して手術を選択されます。
その選択肢も「手術を行う可能性があるが
すぐ適応なのか」なども観察・アドバイスする必要があります。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問140)へ
第33回(2025年) 問題一覧
次の問題(問142)へ