あん摩マッサージ指圧師 過去問
第33回(2025年)
問146 (午後 問66)
問題文
「75歳の男性。3週間前から排便量が少なく、腹部膨満感がある。食欲低下、倦怠感、足の冷えがあり、病院で機能性便秘と言われた。舌苔は白膩、脈は沈遅、腹は小腹不仁を認める。」
病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
あん摩マッサージ指圧師試験 第33回(2025年) 問146(午後 問66) (訂正依頼・報告はこちら)
「75歳の男性。3週間前から排便量が少なく、腹部膨満感がある。食欲低下、倦怠感、足の冷えがあり、病院で機能性便秘と言われた。舌苔は白膩、脈は沈遅、腹は小腹不仁を認める。」
病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。
- 肝陰を補う。
- 腎陽を補う。
- 大腸の熱を除く。
- 肺の痰湿を除く。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (1件)
01
腎陽を補う。
高齢で足が冷え、舌苔は白く厚い、脈は沈遅――これらは体を温める力(陽気)、とくに腎陽の不足を示します。
腎陽が弱ると腸の動きも鈍り、便が出にくくなるため、まずは腎陽を温めて気血の巡りを高めることが治療の要になります。
肝陰虚ではほてり・目の乾き・舌の赤みなどが目立ちます。
今回の白膩苔・沈遅脈・冷えとは正反対の所見です。
腎陽は全身を温め水分代謝を促す“エンジン”です。
- 足の冷え、腹の冷え(小腹不仁)
- 白く湿った舌苔
- 深くゆっくりの脈(沈遅)
これら寒湿・陽虚のサインを最もよく説明できます。
腎陽を補い温めることで腸の蠕動と気血の流れが回復し、便秘と膨満感が改善します。
熱がこもる便秘では黄厚苔や顔の赤み、のどの渇きが出ます。
冷えが主体の本症例には合いません。
痰湿が肺にたまると咳や胸苦しさが主になります。
腹部症状と冷えを中心とする今回の病態とは関連性が低いです。
白膩苔・沈遅脈・足の冷え・小腹不仁など、寒と陽虚の所見がそろっています。
75歳という年齢も腎陽の低下を裏付ける要素です。
したがって、腎陽を補い体を内側から温めて腸の機能を立て直すことが最も適切な治療方針になります。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問145)へ
第33回(2025年) 問題一覧
次の問題(問147)へ