美容師の過去問
第48回
文化論及び美容技術理論 問8

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問題

第48回 美容師国家試験 文化論及び美容技術理論 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

刃物の材料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 鉄に炭素を加えると加工性が低下する。
  • ステンレス鋼は、炭素鋼に比べてさびに弱い。
  • コバルト鋼は、炭素鋼に比べて摩耗に強い。
  • ステンレス鋼には、クロムが約3〜6%含まれている。

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この過去問の解説 (3件)

01

含むものが増えるとさびや摩耗に強くなりますが、加工性が低下してしまうことをおさえておきましょう。

選択肢1. 鉄に炭素を加えると加工性が低下する。

鉄に炭素を加えると、加工性がよくなります。

選択肢2. ステンレス鋼は、炭素鋼に比べてさびに弱い。

ステンレス鋼は、炭素鋼に比べてさびに強いです。

クロムが加えられており、耐腐食性や加工性がいいのが、ステンレス鋼です。

選択肢3. コバルト鋼は、炭素鋼に比べて摩耗に強い。

コバルトを加えると、切れ味が長く持続するようになります。

ただし、含有量が多くなると、加工性が低下します。

選択肢4. ステンレス鋼には、クロムが約3〜6%含まれている。

ステンレス鋼には、クロムが約12〜18%含まれます。

約3〜6%はコバルト鋼に含まれコバルトの量ですが、このふたつは「コバルトが多くなると加工性が低下する」という点をおさえると覚えやすいです。

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02

炭素鋼は、主に鉄と炭素で構成されており、炭素の含有量によって更に種類が分けられます。

選択肢1. 鉄に炭素を加えると加工性が低下する。

鉄に含まれる炭素量が多くなると、加工性が高まります。

よって誤りです。

選択肢2. ステンレス鋼は、炭素鋼に比べてさびに弱い。

ステンレス鋼は、表面に不動態被膜をつくっており、さびにくい特徴を持ちます。

車の部品や水筒など、身近なものに使われています。

よって誤りです。

選択肢3. コバルト鋼は、炭素鋼に比べて摩耗に強い。

コバルト鋼は、耐熱性、耐摩耗性に優れています。

よって正しいです。

選択肢4. ステンレス鋼には、クロムが約3〜6%含まれている。

ステンレス鋼は、クロムが10.5%以上含まれている鋼です。また、炭素の含有量は1.2%以下と定義されています。

よって誤りです。

まとめ

炭素鋼の特徴

含まれる炭素の量によって、硬度や加工性に変化が生じます。

ステンレス鋼の特徴

さびにくく、耐熱性も高いです。クロムが10.5%以上含まれています。

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03

刃物の代表的な材料

 

ステンレス鋼…鉄にクロムやニッケルを混ぜた合金で、シザーズの素材として最も使用されている素材です。

コバルト…ステンレスよりも固く、錆に強いのが特徴です。

ステライト…コバルトに中心に、クロムやダングステンなどが配合された非鉄合金です。

 

これらを参考に、正しい選択肢を選びましょう。

 

選択肢1. 鉄に炭素を加えると加工性が低下する。

×…不正解

 

炭素を鉄に混ぜることで、鉄を硬く、強くする効果があるため、その加工性が向上すると言えます。

選択肢2. ステンレス鋼は、炭素鋼に比べてさびに弱い。

×…不正解

 

ステンレス鋼は炭素鋼に比べると、耐食性が高く非常にさびに強い素材です。

選択肢3. コバルト鋼は、炭素鋼に比べて摩耗に強い。

◎…正解

 

コバルト鋼は、硬度が高く、耐食性の高いため、炭素鋼に比べて摩擦に強いのが特徴です。

 

選択肢4. ステンレス鋼には、クロムが約3〜6%含まれている。

×…不正解

 

JISが定義する、ステンレス鋼には配合されているクロムの含有率は、10.5%以上とされています。

 

まとめ

道具の素材に関する問題では、刃物に限らず、それぞれの道具に使われている素材や特徴などをしっかりと覚えておきましょう。

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