美容師 過去問
第50回
問40 (香粧品化学 問5)

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問題

美容師 国家試験 第50回 問40(香粧品化学 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

2剤型の酸化染毛剤による染毛メカニズムに関する次の文章の(   )(   )内に入る語句の組合せのうち、正しいものはどれか。

「第2剤の( A )が第1剤の影響で分解して酸素を放出する。この酸素が毛髪中の( B )を分解し、さらに第1剤の染料中間体を酸化して重合させ、発色させる。このとき、第1剤に配合された( C )が染料中間体と共に酸化されると、染料中間体単独とは異なった色調に発色する。」
  • A:過酸化水素  B:メラニン  C:調色剤(カップラー)
  • A:過酸化水素  B:シスチン  C:アルカリ剤
  • A:過硫酸塩  B:メラニン  C:アルカリ剤
  • A:過硫酸塩  B:シスチン  C:調色剤(カップラー)

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この過去問の解説 (1件)

01

2剤型の酸化染毛剤による染毛メカニズムについて、以下のように解説します。

 

1. 第1剤の役割(アルカリ剤)

  第1剤(通常はアルカリ剤)は、髪の毛のキューティクルを開きます。

  このプロセスにより、髪の毛が染料や酸化剤を吸収しやすくなります。

  アルカリ剤が髪の構造に作用することで、髪の毛の表面が膨張し、染料の浸透が促進されます。

 

2. 第2剤の役割(酸化剤)

  第2剤は主に過酸化水素を含み、染料反応を促進する酸化剤です。

  過酸化水素は分解されて酸素を放出し、この酸素が染毛に重要な役割を果たします。

 

3. 酸素による反応

  ・酸素がメラニンを分解

    髪の中にあるメラニン(天然の色素)は、過酸化水素の酸素により酸化されます。

    これにより、髪の元の色が明るくなり、脱色されます。これが、髪が染毛前に比べて明るくなる理由です。

  ・染料中間体の酸化と重合

    次に、染料中間体(染毛剤に含まれる化学物質)が過酸化水素の酸素で酸化され、重合を起こします。(酸化重合)

    この過程で染料中間体が髪に色をつける役割を果たし、色調が現れます。

 

4. 調色剤(カップラー)の役割

   染料中間体だけでは、特定の色合いにはならないことがあります。

   そこで、調色剤(カップラー)が使われ、これが染料中間体と反応して、

   より望ましい色調を作り出します。この反応により、

   染料中間体が酸化されて異なる色に発色するため、髪の色が調整されます。

選択肢1. A:過酸化水素  B:メラニン  C:調色剤(カップラー)

正しい

 

A:過酸化水素

過酸化水素は、2剤型の酸化染毛剤における第2剤の主成分であり、酸化反応を起こすための酸素を放出します。

染料の発色に必要な酸素を供給し、染料中間体の酸化を促進します。

 

B:メラニン

メラニンは、髪の毛に含まれる天然の色素で、髪の色を決定します。

過酸化水素が分解されて放出された酸素が、髪のメラニンを酸化し、髪の色を明るくします。

これにより、染髪の色調が変化します。

 

C:調色剤(カップラー)

調色剤(カップラー)は、染料中間体と反応して、異なる色調に発色させる役割を果たします。

染料中間体単独では得られない色を調整するために、カップラーが酸化反応に関与します。

選択肢2. A:過酸化水素  B:シスチン  C:アルカリ剤

誤り

 

シスチンは、髪のケラチンに含まれるアミノ酸の一つであり、

過酸化水素と反応して髪の結合を解くことができますが、この選択肢では間違いとなります。

メラニンが酸化されるのが正しいメカニズムです。

選択肢3. A:過硫酸塩  B:メラニン  C:アルカリ剤

誤り

 

過硫酸塩は、酸化染毛剤には使用されません。

過酸化水素が酸化剤として働きます。

アルカリ剤は、髪の毛のキューティクルを開いて、

染料が髪内部に浸透しやすくする役割を担います。

選択肢4. A:過硫酸塩  B:シスチン  C:調色剤(カップラー)

誤り

 

過硫酸塩は使用されず、シスチンではなくメラニンが酸化され、カップラーが役割を果たします。

まとめ

2剤型の酸化染毛剤は、髪の毛に次のように作用します:

1. 第1剤(アルカリ剤)がキューティクルを開き、染料と酸化剤の浸透を促進。

2. 第2剤(過酸化水素)が酸化反応を引き起こし、酸素を放出してメラニンを脱色。

3. 酸素が染料中間体を酸化し、色調が発色。

4. 調色剤(カップラー)が染料中間体と反応して、最終的な色を調整。

 

このメカニズムにより、髪の色を変えることができ、染毛後の色が鮮やかに現れます。

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