二級ボイラー技士の過去問
平成29年10月公表
ボイラーの構造に関する知識 問3

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この過去問の解説 (4件)

01

ボイラーの容量及び効率についての問題です。

選択肢1. 蒸気ボイラーの容量(能力)は、最大連続負荷の状態で、1時間に発生する蒸発量で示される。

正しい。

蒸気ボイラーの容量(能力)は、最大連続負荷の状態で、1時間に発生する蒸発量で表しますが、温水ボイラーの場合は時間当たりの熱量[MJ/h]で表します。

選択肢2. 蒸気の発生に要する熱量は、蒸気温度及び給水温度によって異なるが蒸気圧力については一定である。

誤り 。

蒸気の発生に要する熱量は、蒸気温度及び給水温度、蒸気の圧力によって異なります。

選択肢3. 換算蒸発量は、実際に給水から所要蒸気を発生させるために要した熱量を、2,257kJ/kgで除したものである。

正しい。

ここで使用する2257は、標準大気圧における100℃の飽和水が飽和蒸気になるために必要な蒸発熱を示します。

選択肢4. ボイラー効率とは、全供給熱量に対する発生蒸気の吸収熱量の割合をいう。

正しい。

燃料が燃焼することで発生する熱がボイラーに供給されます。この時、供給した熱量がどれだけ蒸気発生に関わっているかを示すのが、ボイラー効率です。

選択肢5. ボイラー効率を算定するときは、燃料の発熱量は、一般に低発熱量を用いる。

正しい。

燃料に含まれる水素は燃焼中に大気へ排出されます。水素が水蒸気になるための熱量(潜熱)を除外したものが低位発熱量と定義されています。

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02

1.正解です。
蒸気ボイラーの容量(能力)は、最大連続負荷の状態で、1時間に発生する蒸発量または換算蒸発量で示せます。

2.誤っています。
蒸気の発生に要する熱量は、蒸気温度、給水温度及び蒸気圧力によって異なります。

3.正解です。
換算発熱量の計算式は、下記の通りです。
換算発熱量[kg/h]=実際蒸発量×(発生蒸気の比エンタルピ-給水の比エンタルピ)/2257

4.正解です。
記載の通り、ボイラー効率とは、全供給熱量に対する発生蒸気の吸収熱量の割合のことです。

5.正解です。
ボイラー効率の計算式は、下記の通りです。
ボイラー効率[%]=実際蒸発量×(発生蒸気の比エンタルピ-給水の比エンタルピ)×100/(毎時燃料消費量×燃料低発熱量)

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03

ボイラー容量(能力)と効率の問題です。
換算蒸発量やボイラー効率の意味を理解しましょう。

1.正解です。
ボイラーの容量(能力)を表す方法は、下記の様に2つあります。
①問題文の様に、最大連続負荷の状態で1時間当たりの蒸気発生量で表す場合
②換算蒸発量で表す場合
(換算蒸発量とは、実際の圧力下の蒸発量を大気圧のもとで蒸発させた場合の蒸気量に換算する事です)


2.誤りです。
蒸気発生に必要な熱量は、蒸気温度や給水温度によって変わります。
圧力においても、任意圧力で必要な熱量が決まっているわけではありません。
必要な熱量は、圧力が一定の蒸気であっても蒸気の状態(水分が多いか、蒸気が多いか)によって変わってきます。

3.正解です。
換算蒸発量は、算出計算式があります。
実際の圧力で100℃の飽和水から蒸気になるのに必要な熱量を基準蒸発熱量(2257kJ/kg)で除した値に、実際の蒸発量を乗じた値です。

基準蒸発熱量とは、大気圧のもとで100℃の飽和水から100℃の乾き蒸気にするのに必要な熱量の事です。

4.正解です。
ボイラー効率とは、実際に燃料を燃やして発生させた熱量のうち、蒸気を発生させるのに、どの位熱量が使用されたのかを示すものです。
つまり、燃料で発生させた熱量が、蒸気を効率よく発生させることができれば、そのボイラーは効率の良いボイラーという事になります。

5.正解です。
燃料に含まれる水素が燃焼する時に、水分が発生します。低位発熱量とは、その発生した水分を蒸発させるのに必要な蒸発熱を含まない熱量の事です。
実際にボイラーに与える熱量ですので、真発熱量とも言います。
因みに、水分の蒸発熱を含んだものを高発熱量(総発熱量)と言います。
 

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04

正答は「2」です。

設問は、ボイラの容量及び効率について問われています。

以下に、選択肢ごとに説明します。

 1.蒸気ボイラの容量(能力)は、最大連続負荷の状態で、1時間あたり発生する蒸気量([kg/h]あるいは[t/h])で示されます。

 2.蒸気の発生に要する熱量は、蒸気温度及び給水温度、そして蒸気圧力によって異なります。
   内部圧力によって、水が蒸気になる温度が異なるからです。

 3.換算蒸発量は、実際に給水から所要蒸気を発生させるために要した熱量を、水の蒸発潜熱(2,257[kJ/kg])で除したものです。
   蒸発潜熱とは、沸点に達した液体が、沸点の気体に変化するために必要な熱量のことです。

 4.ボイラー効率とは、全供給熱量に対する発生蒸気の吸収熱量の割合をいいます。
   効率は良いに越したことはありませんが、実際は、外壁からの熱の逸失や、燃焼ガスに伝達しきれない熱が包含されてしまうため、100%にはなりません。

 5.ボイラー効率を算定するときは、燃料の発熱量は、一般に低発熱量を用います。

以上の説明により、選択肢2が誤っていることがわかります。

正答は「2」です。

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