二級ボイラー技士の過去問
平成29年10月公表
ボイラーの構造に関する知識 問2
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問題
二級ボイラー技士試験 平成29年10月公表 ボイラーの構造に関する知識 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
ボイラーの水循環について、誤っているものは次のうちどれか。
- 温度が上昇した水及び気泡を含んだ水は上昇しその後に温度の低い水が下降して、ボイラー内に自然に水の循環流ができる。
- 丸ボイラーは、伝熱面の多くがボイラー水中に設けられ、水の対流が容易なので、特別な水循環の系路を構成する必要がない。
- 水管ボイラーは、水循環を良くするために、水と気泡の混合体が上昇する管と、水が下降する管を区別して設けているものが多い。
- 自然循環式水管ボイラーは、高圧になるほど蒸気と水との密度差が小さくなり、循環力が強くなる。
- 水循環が良いと熱が水に十分に伝わり、伝熱面温度は水温に近い温度に保たれる。
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この過去問の解説 (4件)
01
2 . 正しい。丸ボイラーは高温の燃焼ガスが通る煙管などが胴内部のボイラー水中に設けられているため、ボイラー水は煙管等の伝熱面より熱を受けます。したがって、特別な循環経路を構成せずとも、水の循環が可能となっています。
3 . 正しい。燃焼室に近い管は上昇管と呼ばれ、内部を流れる流体は水+蒸気です。対して、燃焼室から遠い管では周囲の燃焼ガスが低音のため、内部のボイラー水にあまり熱交換はされません。
4 . 誤り。自然循環式水管ボイラーは、高圧になるほど蒸気と水との密度差が小さくなり、循環力が小さくなります。
5 . 正しい。熱交換が上手くいくことで、強い循環力を得ることができ、急激な温度変化がなく一定に保たれます。
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02
記載の通りになります。
4.誤っています。
自然循環式水管ボイラーは高圧になるほど蒸気と水との密度差が小さくなり、循環力が弱くなります。
自然循環の仕組みは、蒸気と水の密度差で循環されます。したがって、密度差が大きければ循環力が強くなります。
5.正解です。
循環力が強ければ、水温が疎らにならない為、伝熱面温度とほぼ一緒の温度になります。
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03
ボイラーの構造とそれぞれのボイラーの水循環の
仕方を理解しましょう。
1.正解です。温度の高い気泡を含んだ水は、
密度が小さくなるので上昇します。逆に、
温度が下がると水の密度が大きくなり
下降します。密度差で水は、循環します。
2.正解です。丸ボイラーとは、胴の中に沢山の
水を保有した中低圧用ボイラーです。
同じ胴の中に燃焼室や煙管があり、燃焼室
や煙管の外側に多量の水を保有する構造です。
ですから、ボイラー内に水管のような水循環
の経路は、ありません。
3.正解です。水管ボイラーとは、燃焼室の中に
多数の水管群を有したボイラーです。循環式
水管ボイラーの水管群は、下部に水ドラム、
上部に蒸気ドラムを有し繋がっています。
水管は、火炎に当たる上昇管と火炎に
当たらない下降管を別々に配置されます。
密度差により水管内の水は、循環します。
4.誤りです。低圧蒸気は、飽和水と飽和蒸気
の密度差は大きいです。高圧蒸気になるほど
飽和水と飽和蒸気の状態があいまいになり
密度差が、小さくなります。密度差が少ない
と循環力が弱くなります。
5.正解です。熱は、良好な水循環と伝熱面なら
正常な熱通過で水に伝わります。ですから、
ボイラー伝熱面の温度は、通常20~30℃位
水より高い温度に維持され水管内の水の温度
とほぼ等しくなります。
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04
設問は、ボイラの水循環について問われています。
以下に、選択肢ごとに説明します。
1.水は温度が高くなるほど、密度が低くなります。
従って、温度が上昇した水及び気泡を含んだ水は上昇し、その後に温度の低い水が下降して、ボイラー内では自然と水が循環する流れができます。
2.丸ボイラは、伝熱面の多くがボイラ水中にあるため、水の対流が容易なので、特別に水を循環させる系路を設ける必要がありません。
3.水管ボイラは、水循環を良くするために、水と気泡の混合体が上昇する管と、水が下降する管を区別して設けているものが多いです。
管を同一にしてしまうと、上昇流と下降流がぶつかり合って、かえって循環を悪くしてしまいます。
4.自然循環式水管ボイラは、高圧になるほど蒸気と水との密度差が小さくなってしまい、循環力が弱くなります。
そのため、高圧の水管ボイラでは強制的に水の循環をさせる強制循環式を採用しています。
5.水循環が良いと熱が水に十分に伝わり、伝熱面温度は水温に近い温度に保たれます。
以上の説明により、選択肢4が誤っていることがわかります。
正答は「4」です。
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