二級ボイラー技士の過去問
平成29年10月公表
ボイラーの構造に関する知識 問7
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問題
二級ボイラー技士試験 平成29年10月公表 ボイラーの構造に関する知識 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
ボイラー各部の構造及び強さについて、誤っているものは次のうちどれか。
- 胴板には、内部の圧力によって引張応力が生じる。
- 胴板に生じる応力に対して、胴の周継手の強さは、長手継手の強さの2倍以上必要である。
- だ円形のマンホールを胴に設ける場合には、短径部を胴の軸方向に配置する。
- 平鏡板は、内部の圧力によって曲げ応力が生じるので、大径のものや圧力の高いものはステーによって補強する。
- 管板には、煙管のころ広げに要する厚さを確保するため、一般に平管板が用いられる。
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この過去問の解説 (4件)
01
聞き慣れない言葉も多いですが、理解していきましょう。
1.正解です。
円筒形になっているボイラーの主要部品で、丸ボイラー⇒胴、
水管ボイラー⇒ドラムといいます。
蒸気の圧力が、内側からかかりますので、胴自体は引張応力が生じます。
2.誤りです。
周継手とは、胴の周囲を『円形』に溶接する部分です。
長手継手とは、胴の側面を『直線』に溶接する部分です。
円筒形のドラムの場合、周方向、長手方向がありますが、どちらの方向が弱いでしょうか。
周方向は壊れにくく、長手方向が壊れやすいのです。
(長手方向の方が、周方向に比べ、応力が約2倍大きいです)
よって、長手継手の強さは、周継手の2倍以上の強さが必要です。
3.正解です。
前問の胴にかかる応力を理解すれば解けます。軸方向は、
長手方向ですので、周方向に比べ強度が弱くなります。
マンホールを作る場合、当然、強度が弱い方の開口部の距離を短くします。
4.正解です。
鏡板とは、円筒形の形をした胴部分の端っこの丸い部分を指します。
鏡板は複数あり、強度の強い順に、
『全半球形>半楕円体形>皿形>平』となります。
平鏡板の強度は、最も弱いので『ガセットステー』等で補強します。
5.正解です。
鏡板の事を炉筒煙管ボイラーなどでは、管板と言います。
そこに煙管(管ステー)を取り付ける為、平らでないと取り付けにくいし、厚さを均一にできないです。
煙管を管板に取り付けた後、漏れ防止の為、管内側からコロで広げ、
管板に溶接等で取り付けます。
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02
2 . 誤り。胴の周継手の強さは、長手継手の強さの1/2倍以上必要となります。
3 . 正しい。ボイラー内部には、周方向の応力は、軸方向の応力の2倍作用します。つまり、楕円形または長方形の穴を胴に設ける場合は、短径部を胴の軸方向に配置することで防ぐことができます。
4 . 正しい。平鏡板は圧力に対して強度が小さいため、補強が必要となります。この補強材をステーと呼び、管ステー、ガセットステー、棒ステーがあります。
5 . 正しい。管板に管穴と呼ばれる穴をあけ、この穴に煙管を挿入し管を広げることをころ広げと呼びます。
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03
引張応力には、周方向と軸方向の2つの応力があります。
2.誤っています。
胴板に生じる応力に対して、胴の周継手の強さは、長手継手の強さの1/2倍必要になります。
3.正解です。
記載の通りです。
4.正解です。
ステーとは、平鏡板等を内部から支えるもののことです。
5.正解です。
ころ広げとは、管端を内側から外側へ押し広げ、管ステーと管板を圧着させることです。
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04
設問は、ボイラー各部の構造及び強さについて問われています。
以下に、選択肢ごとに説明します。
1.胴板には、内部の圧力によって外部へ向けての力がかかるため、引張応力が生じます。
2.胴板に生じる応力に対して、胴の長手継手の強さは、周継手の強さの2倍以上必要です。
胴板に生じる応力は、長手方向にかかる応力に比べ、周方向の応力は約2倍です。
長手継手は、周方向の力に対応します。
3.だ円形のマンホールを胴に設ける場合には、応力に弱い短径部を、かかる応力が弱い胴の軸(長手)方向に配置します。
4.平鏡板は、内部の圧力によって曲げ応力が生じるので、大径のものや圧力の高いものはステーによって補強します。
5.管板には、煙管のころ広げに要する厚さを確保するため、一般に平管板が用いられます。
以上の説明により、選択肢2が誤っていることがわかります。
正答は「2」です。
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