二級ボイラー技士の過去問
令和元年10月公表
ボイラーの構造に関する知識 問5
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問題
二級ボイラー技士試験 令和元年10月公表 ボイラーの構造に関する知識 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
ボイラー各部の構造及び強さについて、誤っているものは次のうちどれか。
- 胴板には、内部の圧力によって引張応力が生じる。
- 胴板に生じる応力について、胴の周継手の強さは、長手継手の強さの2倍以上必要である。
- だ円形のマンホールを胴に設ける場合には、短径部を胴の軸方向に配置する。
- 皿形鏡板は、球面殻、環状殻及び円筒殻から成っている。
- 炉筒は、鏡板で拘束されているため、燃焼ガスによって加熱されると炉筒板内部に圧縮応力が生じる。
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この過去問の解説 (3件)
01
胴板は、ボイラーで暖められた蒸気圧力で内部から押し広げる力が加わります。
2.誤っています。
胴の長手継手の強さは胴の周継手の強さの2倍以上になります。選択肢の内容と逆になります。
3.正解です。
設問の通りです。覚えておきましょう。
4.正解です。
鏡板は他にも、平鏡板、半だ円体形鏡板、全半球形鏡板があります。
5.正解です。
圧縮応力が生じるので、炉筒に伸縮継手を設けます。
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02
設問は、ボイラ各部の構造及び強さについてです。
水が胴内で蒸気になる仕組みのボイラ(煙管ボイラなど)は、胴の内側から外側に向けての引張応力がかかります。
これは水管ボイラのドラムや水管も同様です。
この引張応力は、胴の円周方向より軸方向にかかる力のほうが強いため、胴の長手継手の強さは、周継手の強さの2倍以上必要になります。
楕円形のマンホールを胴に設ける場合には、楕円の短径部を胴の軸方向に配置します。
これも胴の軸方向にかかるに力のほうが強いため、マンホールの縁にかかる応力をできるだけ小さくするためです。
鏡板とは、胴又はドラムの両端を覆っている部分をいいます。
鏡板はその形状によって、平鏡板、皿形鏡板、半楕円体形鏡板、全半球形鏡板の4種類に分けられます。
鏡板の強度は平面から球形に近づくほど高く、平鏡板<皿形鏡板<半楕円体形鏡板<全半球形鏡板の順に強度が高くなります。
皿形鏡板はその名の通り皿のような形で、球面殻、環状殻及び円筒殻から成り立っています。
炉筒ボイラや炉筒煙管ボイラの炉筒は、鏡板で拘束されているため、燃焼ガスによって加熱されると、炉筒周囲にあるボイラ水の圧力上昇にともなって炉筒の外側から内側に向かって圧縮応力がかかることになります。
以上の説明により、選択肢2が誤っていることがわかります。
正答は「2」です。
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03
正解は「2」です。
ボイラーの構造および強さに関する問題です。
1.正しいです。
「胴板」とは胴・ドラムの主要部位で主に円筒状になっており,その両端を塞ぐものを「鏡板」と呼びます。形状を円筒状としているのは,内部圧力による引張応力を緩衝するためです。
2.誤りです。(誤:長手継手の強さの2倍以上➡正:長手継手の強さの1/2以上)
継手とは,胴・ドラムの接続部の事を言い,通常は溶接にて接続されています。継手には「周」と「長手」の2方向あり,「周継手」とは円周方向の継目の事を言い,「長手継手」とは軸(長手)方向の継目の事を言います。
「周継手に働く応力(長手方向の応力)」は,「長手継手に働く応力(周方向の応力)」の1/2となりますので,記述は誤りです。
(少しややこしいですが,継手と応力のかかる方向を区別して覚える必要があります。)
3.正しいです。
上記2項の解説に記載の通り,軸方向すなわち長手方向に働く応力が弱いため,短径部を胴の軸方向に配置します。
4.正しいです。
皿形鏡板は,頂部の球面をなす部分を球面殻と呼び,隅の丸みのある部分を環状殻と呼びます。また,鏡板を接続する部分を円筒殻と呼びます。
5.正しいです。
炉筒は鏡板と溶接にて固定されているため,加熱されると炉筒板内部に圧縮応力が生じます。
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