二級ボイラー技士の過去問
令和2年4月公表
ボイラーの構造に関する知識 問6
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問題
二級ボイラー技士試験 令和2年4月公表 ボイラーの構造に関する知識 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
ボイラーの送気系統装置について、誤っているものは次のうちどれか。
- 主蒸気弁に用いられる玉形弁は、蒸気の流れが弁体内部でS字形になるため抵抗が大きい。
- バイパス弁は、発生蒸気の圧力と使用箇所での蒸気圧力の差が大きいとき、又は使用箇所での蒸気圧力を一定に保つときに設ける。
- 沸水防止管は、大径のパイプの上面の多数の穴から蒸気を取り入れ、蒸気流の方向を変えることによって水滴を分離するものである。
- バケット式蒸気トラップは、ドレンの存在が直接トラップ弁を駆動するので、作動が迅速かつ確実で、信頼性が高い。
- 長い主蒸気管の配置に当たっては、温度の変化による伸縮に対応するため、湾曲形、ベローズ形、すべり形などの伸縮継手を設ける。
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この過去問の解説 (3件)
01
設問は、ボイラの送気系統装置について問われています。
以下に、選択肢ごとに説明します。
1.玉形弁(グローブ弁)は、その構造上、流体の流れを弁の中でS字にするため、流体抵抗が大きくなります。
2.バイパス弁は、主蒸気配管とは異なるバイパス配管に設けられる弁のことです。
この選択肢で説明されていることは、減圧弁のことで、発生蒸気の圧力が蒸気使用箇所で求められる蒸気圧力よりも大きい場合、供給蒸気圧力を低下させるために設けられます。
3.沸水防止管は、大径のパイプの上面に開けられた多数の穴から蒸気を取り入れ、蒸気流の方向を変えることによって、上部の穴からは入ることができない水滴を分離する、気水分離機の一種です。
4.バケット式蒸気トラップは、ドレンの存在でフロートが浮くことによって、直接トラップ弁を駆動するので、作動が迅速かつ確実で、信頼性が高いです。
5.長い主蒸気管の配置に当たっては、温度の変化による伸縮に対応するため、湾曲形、ベローズ形、すべり形などの伸縮継手を設けます。
以上の説明により、選択肢2が誤っていることがわかります。
正答は「2」です。
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02
玉形弁(グローブバルブ)内の流路は、S字に流れるようになっています。
2.誤りです。
バイパス弁は、例えば、メインのバルブが壊れた時の修理時にラインを
閉止する場合、応急的に操作してラインを確保する場合や、
何らかの要因で使用量が足りなくなった場合等に開けたりします。
3.正解です。
沸水防止管は、ドラムの主蒸気管取出し口に沸騰した時の水滴が、
主蒸気管に流れ込まないようにする為に、取り付けられた気水分離器の一つです。
構造は、問題文のとおりです。
4.正解です。
バケット式蒸気トラップは、蒸気が冷えた後のドレンの排出に使用されます。
ドレンがバケット内に流れ込むとトラップ内の排水弁を押し上げ排水します。
5.正解です。
長い主蒸気管は、冷えた状態で蒸気を通すと熱で伸びます。ですから、
熱による収縮に対応する為に、伸縮接手を入れます。
収縮を吸収する部分が無いと配管が破損するからです。
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03
正解は「2」です。
発生蒸気を、使用箇所での圧力に合わせて調整したり、一定に保つ役割をするのは「減圧弁」です。
1.正しいです。
全体が丸みを帯びた形の玉形弁は、流量の調節ができると同時に流れをしっかりと止めることができるので、主蒸気弁に向いています。
入口と出口は1直線ですが、弁体内部ではS字形に流れ抵抗は大きいです。
入口と出口で蒸気の方向が90度変わるのはアングル弁です。
入口と出口が1直線で、弁体内でも流れが直線で抵抗が少ない仕切弁もあります。ただ仕切弁は全開か全閉で使い、流量の調節はできません。
2.誤りです。
バイパス弁とは、主蒸気管にバイパス回路が設けられていることが多く、そのバイパス管にある弁のことです。
3.正しいです。
沸水防止管は、水滴の混じっていない蒸気を取り出すための装置で、丸ボイラー等に備えられます。
上面の穴から取り入れられた蒸気は方向転換して(下から上へ)主蒸気管へ向かうので、その際、重い水は振り落とされ、沸水防止管の底面に叩きつけられます。
規模の大きい水管ボイラーでは蒸気と水滴を分離するのに気水分離器が使われます。
4.正しいです。
蒸気トラップとは、復水(ドレン)を取り除く装置です。
復水(ドレン)とは蒸気が使用され放熱し水滴になったものです。
バケット式では、蒸気トラップの中にバケツのようなものが逆さに入っていて、ドレンが溜まってくるとそれが上に上がっていき弁を直接開けてドレンを排出する仕組みで、間に他の機器が入らないため、作動は迅速・確実です。
5.正しいです。
伸縮継手は、配管の温度変化による伸縮を吸収させる仕組みです。
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