二級ボイラー技士の過去問 令和2年4月公表 ボイラーの取扱いに関する知識 問18
この過去問の解説 (3件)
設問は、ボイラーの内面腐食及びその抑制方法について問われています。
以下に、設問ごとに説明します。
給水中に含まれる溶存気体の酸素や二酸化炭素は、鋼材の腐食の原因となります。
酸素は鋼材と反応して錆の原因となりますし、二酸化炭素は水に溶けて炭酸となりますので、これも腐食の原因となります。
腐食は、一般に電気化学的作用などにより生じます。
腐食とはつまり、鋼材の金属が腐食されることによって電子を放出してイオンになり、酸に含まれる水素が還元されて水素ガスを発生する酸化還元反応です。
アルカリ腐食は、高温のボイラ水中で濃縮した水酸化ナトリウムと鋼材が反応して生じます。
電気化学的作用の設問で説明した腐食のメカニズムとは違いますが、このような腐食を「アルカリ脆性」といいます。
ボイラ水の酸消費量を調整することによって、腐食を抑制できます。
酸消費量の調整は、リン酸ソーダや炭酸ソーダなどを添加して行います。
ボイラ水のpHは、酸などによる腐食防止のため、弱アルカリ性に調整します。
以上の説明により、選択肢「ボイラー水のpHを弱酸性に調整することによって、腐食を抑制する。」が誤っていることがわかります。
適切でないものは「ボイラー水のpHを弱酸性に調整することによって、腐食を抑制する。」です。
適切です。
溶存酸素は、酸化要因です。鉄などを酸化させます。
二酸化炭素は、水に溶けると炭酸水となり、水を酸性化させる要因です。
両方とも腐食の原因になります。
適切です。
酸化還元反応により腐食が、起こります。
適切です。
アルカリ腐食とは、アルカリ濃度が濃くなる事によって生じる現象です。
アルカリが濃くなりすぎても
腐食の原因となります。
適切です。
酸消費量とは、アルカリ成分を中和するのに必要な酸の量の事です。
この量を適正に調整する事で腐食を防ぐ事が出来ます。
適切でないです。
ボイラー水は、pH11程度に保っており、鉄等を酸で溶かさないように調整します。
弱酸性では、ボイラー水を管理しないです。
ボイラーの内面腐食及びその抑制方法についての問題です。
正しいです。
溶存酸素や二酸化炭素は腐食の原因になります。
正しいです。
腐食は、金属表面が錆びたり穴が開いたりといったふうに侵されることです。
たとえば錆びることも酸化という化学反応ですし、電子のやりとりです。
正しいです。
アルカリ腐食は、工業用アルカリ(代表的なものは、苛性ソーダ=水酸化ナトリウム)を大量に使用するプラント等で問題になってきました。
鋼材が薄くなったり穴が開いたりします。
ボイラーでも設定のpHを超えると起こりえます。
正しいです。
水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの酸消費量調整剤を用いて、ボイラー水のpHを一定の範囲内に保つことで防食効果につながります。
誤りです。
ボイラー水はかなりのアルカリ性です。(pH 11.0~11.8)
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