二級ボイラー技士の過去問
令和2年4月公表
燃料及び燃焼に関する知識 問22

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問題

二級ボイラー技士試験 令和2年4月公表 燃料及び燃焼に関する知識 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

重油に含まれる成分などによる障害について、誤っているものは次のうちどれか。
  • 残留炭素分が多いほど、ばいじん量は増加する。
  • 水分が多いと、息づき燃焼を起こす。
  • スラッジは、ポンプ、流量計、バーナチップなどを摩耗させる。
  • 灰分は、ボイラーの伝熱面に付着し、伝熱を阻害する。
  • 硫黄分は、ボイラーの伝熱面に高温腐食を起こす。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.正解です。
残留炭素とは、油が高温燃焼時、揮発分と残渣に分離されるが、
燃焼時、還元されて生成されるコークス状のものをいいます。
問題文のとおり、残留炭素分が多いほど、ばいじん量は増加します。

2.正解です。
水分が多いと、燃焼の不安定、フィルター目詰まり、金属部分の腐食の原因になります。

3.正解です。
スラッジは、分離する沈殿物ですが、ポンプなどに悪影響を及ぼしますから、
スラッジ分散剤を添加して、溶解させたり、表面活性作用で分散させたりします。

4.正解です。
灰分とは、有機金属化合物やスラッジ、触媒粒子からなります。
重油中に含有量の多いものは、ニッケル、バナジウムがあります。
溶融状態でバナジウムが付着すると、腐食が激しいバナジウムアタックをおこします。
高温で発生するので、高温腐食といわれます。

5、誤りです。
硫黄分は、低温腐食をおこします。硫酸蒸気が伝熱面に結露した際、腐食をおこします。
対策は、硫黄分の少ない燃料を使用するなどの対策があります。

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02

正答は「5」です。

設問は、重油に含まれる成分などによる障害について問われています。

以下に、選択肢ごとに説明します。

 1.重油中の残留炭素分が多いほど、燃焼ガス中の未燃炭素画像化し、結果的にばいじん量は増加します。

 2.重油中の水分が多いと、息づき燃焼を起こすことが多いです。
   これは、重油の霧化によって、含まれる水分も霧化されますが、水分は燃焼しないためです。

 3.スラッジは重油中に含まれる不純物の固形分になりますが、これが摩擦することでポンプ、流量計、バーナチップなどを摩耗させます。

 4.灰分は、ボイラーの伝熱面に付着して、伝熱を阻害します。

 5.硫黄分は、燃焼して硫黄酸化物となった後、ボイラの伝熱面で、低温の状態で水分と反応して硫酸になり、低温腐食を起こします。
   窒素分は、高温の状態で燃焼して窒素酸化物となった後、ボイラの伝熱面で水分と反応して硝酸になり、高温腐食を起こします。

以上の説明により、選択肢5が誤っていることがわかります。

正答は「5」です。

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03

正解は「5」です。

液体燃料(重油)の特徴が問われています。

1.正しいです。

石油試料をJISの試験方法により燃焼させたときに残る炭化物のことで、重質油ほど多くなります。

燃やすとすすになるので、ばいじん(ダストとすすのこと)が多くなります。

2.正しいです。

燃料に水分が混じっていると、瞬間的に火炎を遮断するので、息づき燃焼(息継ぎをするように火炎が大きくなったり小さくなったりすること)になります。

3.正しいです。

この場合のスラッジとは、重油に含まれているごみや沈殿物のことです。

配管中につけられたストレーナで濾し取ることにより、(燃料)ポンプ、(燃料の)流量計、バーナチップ(バーナで燃料が噴出される部分)などを守ります。

4.正しいです。

灰分とは、不燃物の残渣です(炭素ではありません)。

重油の灰分は石炭に比べると極めて少ないものの、伝熱面に付着すれば伝熱を阻害します。

5.誤りです。

高温腐食はバナジウムによって起こります。

硫黄分が引き起こすのは、低温腐食です。

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