二級ボイラー技士の過去問
令和3年4月公表
燃料及び燃焼に関する知識 問26
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問題
二級ボイラー技士試験 令和3年4月公表 燃料及び燃焼に関する知識 問26 (訂正依頼・報告はこちら)
燃料の分析及び性質について、誤っているものは次のうちどれか。
- 組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には元素分析が、気体燃料には成分分析が用いられる。
- 燃料を空気中で加熱し、他から点火しないで自然に燃え始める最低の温度を、発火温度という。
- 発熱量とは、燃料を完全燃焼させたときに発生する熱量である。
- 高発熱量は、水蒸気の顕熱を含んだ発熱量で、真発熱量ともいう。
- 高発熱量と低発熱量の差は、燃料に含まれる水素及び水分の割合によって決まる。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は、4です。
1.正しいです。
液体燃料及び固体燃料の組成は、元素で表します。(元素分析)
→炭素、水素、窒素、酸素、硫黄、灰分(不燃残滓)
気体燃料には、気体の含有成分を測定します。(成分分析)
→メタン、プロパン、プロパン、ブタン等
2.正しいです。
「発火点」ともいいます。
他に点火源がある場合には、「引火点(引火温度)」といいます。
3.正しいです。
発熱量とは、液体燃料や固体燃料では、質量1kgの燃焼で発生する熱量です。
気体燃料の場合は、体積1㎥の燃焼で発生する熱量です。
4.誤りです。
顕熱とは、温度変化をおこす熱です。
潜熱とは、気体→液体のように状態変化に使われる熱です。
高発熱量は、燃焼ガス中の水蒸気が冷却されて水滴になり(気体→液体)、大気中に逃げていってしまう熱(凝縮熱)も含んだ発熱量です。
凝縮熱は、潜熱の一種です。
また、真発熱量は、低発熱量のことですから、この点でも誤りです。
5.正しいです。
燃料には、水素や水分が含まれます。
特に、液体燃料や気体燃料の主成分は、炭素と水素です。
水素や水分は、燃えると水蒸気になります。
水蒸気は、周囲に冷却され、水滴になります。
水蒸気が水滴になるとき、熱を放出します。
この熱は大気中に逃げてしまいボイラーに利用できないので、損失です。
燃料の実際の発熱量は、この損失分を初めから除いて考えるべきです。
(低発熱量=真発熱量)
他方で、高発熱量は、この損失分も含めて考えます。
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02
【既出回数】★★★★★★(H27/4~R2/10)
【正解】4番です。
1.〇
☛元素分析とは、「燃料の成分元素を検出して、その含有量を定めること(JIS B0126)」をいい、質量%で示されます。また、成分分析とは、燃料の成分を分析する一つの方法をいい、体積%で示されます。
2.〇
☛発火温度は、発火点や着火温度とも呼ばれ、よく対比される引火点は、「液体燃料を加熱すると蒸気が発生し、これに小火炎を近づけると瞬間的に光を放って燃え始める最低の温度」をいいます。
3.〇
☛発熱量の単位は、固体及び液体燃料ではMJ/kg、気体燃料ではMJ/m3が通常用いられます。
4.X
☛正しくは、「高発熱量は、水蒸気の潜熱を含んだ発熱量で、総発熱量ともいう。」
となります。『高発熱量(総発熱量)』=『低発熱量(真発熱量)』+『蒸発潜熱』
潜熱とは「温度一定のもとで相変化に際して出入りする熱量(JIS Z9211)」をいい、ここで相変化とは、物質の三態(固体・液体・気体)間の変化する過程を指し。蒸発の時の潜熱が「蒸発潜熱」と呼ばれています。
一方、顕熱とは「熱容量に温度差を乗じることによって示される熱量(JIS Z9211)」をいい、ここで熱容量とは「ある物体の温度を1℃高めるのに要する熱量」を言います。
5.〇
☛高発熱量と低発熱量の差は、燃料中の水素と結合してできる水と燃料中の水分の蒸発熱であり、記載の通りです。
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03
正解は、 4 です。
1.正しい記述です。
元素分析とは、単位質量中の元素の含有割合を示すものです。
JISでは、炭素、水素、硫黄、窒素を測定して、これらの合計と全成分との差の割合を酸素として扱います。
成分分析とは、構成分子の体積比を示したものです。
燃料特性が分ります。
2.正しい記述です。
問題文は、「発火点」の説明です。
誤りやすい概念に、「引火点」もありますので、注意です。
引火点とは、「液体燃料の温度を上昇させていくと発生する蒸気に、火を近づけた際、燃える時の温度」の事です。
3.正しい記述です。
発熱量は、高発熱量(総発熱量)、低発熱量(真発熱量)に分けられます。
燃料を燃焼すると水分が発生します。その水分を気化させるのに必要な熱量を含むのが『高発熱量』です。
4.誤った記述です。
高発熱量は、「総発熱量」とも言います。
「真発熱量」とは、低発熱量の事です。
5.正しい記述です。
高発熱量と低発熱量の差は、水素が燃焼して生成される水分を蒸発させる時の熱量の差です。
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