二級ボイラー技士の過去問
令和3年4月公表
燃料及び燃焼に関する知識 問27
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問題
二級ボイラー技士試験 令和3年4月公表 燃料及び燃焼に関する知識 問27 (訂正依頼・報告はこちら)
重油燃焼によるボイラー及び附属設備の低温腐食の抑制方法に関するAからDまでの記述で、誤っているもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A 高空気比で燃焼させ、燃焼ガス中のSO2からSO3への転換率を下げる。
B 重油に添加剤を加え、燃焼ガスの露点を上げる。
C 給水温度を上昇させて、エコノマイザの伝熱面の温度を高く保つ。
D 蒸気式空気予熱器を用いて、ガス式空気予熱器の伝熱面の温度が低くなり過ぎないようにする。
A 高空気比で燃焼させ、燃焼ガス中のSO2からSO3への転換率を下げる。
B 重油に添加剤を加え、燃焼ガスの露点を上げる。
C 給水温度を上昇させて、エコノマイザの伝熱面の温度を高く保つ。
D 蒸気式空気予熱器を用いて、ガス式空気予熱器の伝熱面の温度が低くなり過ぎないようにする。
- A, B
- A, B, C
- A, B, D
- A, D
- C, D
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は、1です。
低温腐食とは、硫黄を含む燃料を燃やした時に、燃焼ガス中の二酸化硫黄(亜硫酸ガス)が、三酸化硫黄、さらに硫酸蒸気へと変わり、これが結露した硫酸水溶液が起こす腐食です。
ボイラーの低温部(エコノマイザ、空気予熱器など)で起こります。
A 誤りです。
高空気比で燃焼させれば、多くの酸素(O2)を送り込むことになります。
酸素が多ければ、SO2からSO3への転換率は上がってしまいます。
B 誤りです。
例えば、露点が100℃と150℃を考えてみましょう。
120℃の燃焼ガスがあったとして、ガス中の硫酸蒸気は、露点100℃だと結露しません。ガスの温度が露点より高いからです。
露点150℃だと結露します。ガスの温度が露点より低いからです。
低温腐食を抑制するには、露点は低い方がいいです。
逆に、低温腐食を抑制するには、燃焼ガスの温度は高い方がいいです。
ここが紛らわしいところです。
C 正しいです。
エコノマイザや空気予熱器などの低温部は、硫酸が結露して腐食が起こりやすいです。
伝熱面の温度を高くすることが対策になります。
D 正しいです。
上の説明と同様です。
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02
正解は、 1 です。
燃料中の硫黄成分は、燃焼中に二酸化硫黄(SO2)になります。そして、さらにその一部は、更に酸化して三酸化硫黄(SO3)になります。これが燃焼ガス中の水分と反応すると硫酸蒸気となります。硫酸蒸気が結露し金属材料に付着すると腐食の原因になります 。
Aは、誤った記述です。
高空気比で燃焼させると空気が過剰になるので、燃焼ガス中のSO2からSO3への転換率は、上昇します。
Bは、誤った記述です。
低温腐食防止剤は、燃焼ガス中の三酸化硫黄(SO3)と反応して非腐食性物質に変え、さらに燃焼ガスの露点を下げます。露点を下げる事により、結露させにくくします。
Cは、正しい記述です。
給水温度を上昇させれば、低温腐食は起こりにくくなりますが、排ガス温度は上昇し、熱効率は悪くなってしまいます。
Dは、正しい記述です。
低温腐食を防止するには、燃焼用入口空気温度を上昇させる必要があります。
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03
【同一テーマでの出題回数】★★(H27/4~R2/10公表分まで)
【正解】A・Bが誤りで、1番です。
A.☛誤りです。
正しくは「低空気比で燃焼させ、燃焼ガス中のSO2からSO3への
転換率を下げる。」です。
B.☛誤りです。
正しくは「重油に添加剤を加え、燃焼ガスの露点を下げる。」
となります。
C.☛正しいです。
低温腐食とは、「排ガス中の三酸化硫黄SO3が水蒸気と反応して
硫酸(蒸気)となり、露点以下の金属表面に凝結して腐食を起こす現象
(JIS B0126)」をいいます。
特に、温度が低くなる傾向のエコノマイザや空気予熱器(枝D)の
伝熱面が影響を受けやすいため対策が必要となります。
D.☛正しいです。
【その他の低温腐食の抑制方法】 ★いずれも、過去に出題されたものです。
・「燃焼室及び煙道への空気漏入を防止し、煙道ガスの温度の低下を防ぐ。」
・「燃焼ガス中の酸素濃度を下げ、燃焼ガスの露点を下げる。」
・「硫黄分の少ない重油を選択する。」
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