二級ボイラー技士の過去問
令和3年10月公表
ボイラーの構造に関する知識 問3

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問題

二級ボイラー技士試験 令和3年10月公表 ボイラーの構造に関する知識 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーに使用する計測器について、適切でないものは次のうちどれか。
  • ブルドン管圧力計は、断面が扁平な管を円弧状に曲げたブルドン管に圧力が加わると、圧力の大きさに応じて円弧が広がることを利用している。
  • 差圧式流量計は、流体が流れている管の中に絞りを挿入すると、入口と出口との間に流量の二乗に比例する圧力差が生じることを利用している。
  • 容積式流量計は、ケーシングの中で、だ円形歯車を2個組み合わせ、これを流体の流れによって回転させると、流量が歯車の回転数に比例することを利用している。
  • 二色水面計は、光線の屈折率の差を利用したもので、蒸気部は赤色に、水部は緑色に見える。
  • マルチポート水面計は、金属製の箱に小さな丸い窓を配列し、円形透視式ガラスをはめ込んだもので、一般に使用できる圧力が平形透視式水面計より低い。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は, 5 です。

ボイラーに使用する計器に関する問題です。

1.正しいです。

・ブルドン管圧力計は,断面が扁平な管を円弧状に曲げ一端を固定し,他端を閉じて自由に動けるようにしたものです。圧力の大きさに応じて,円弧が広がることで圧力を計測します。

・指示は大気圧との差=ゲージ圧力となります。

2.正しいです。

・差圧式流量計は,管路にオリフィス等の絞りを設ける事で,絞りの前後に生じた圧力差の2乗に比例した流量を計測します。

・絞り前が圧力が高く,後が圧力が低くなります。

3.正しいです。

・容積式流量計は,ケーシング内に歯車を2個設置し,流体が流れる事で回転させ,その回転数を換算し,流量を計測します。 

・歯車が可動部であり保守性が悪いため,近年ではあまり採用されていません。

4.正しいです。

・二色水面計は,蒸気(気体)と飽和水(液体)の屈折率の違いを利用し,液面を計測します。

・「飽和水=ず ➡ どり色」とすると覚えやすいです。

5.誤りです。(誤:小さな窓・平形透視式より低圧正:円形のガラス板・平形透視式より高圧

・マルチポート水面計は、円形のガラスを金属製の枠で押さえ,ガラス板間に蒸気と水が入る構造になります。

平形透視式水面計より高い圧力で使用可能です。

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02

正解は、5です。

1. 適切な記述です。

ブルドン管は、平円形または楕円形の扁平な管を円弧状に曲げたものです。圧力を加えると管の断面は円形になろうとし、曲げられた管が外側に(巻かれたものがほどける方へ)動きます。動きの度合いから圧力を知ることができます。ですから、管は扁平であることが大事で、円形では駄目です。

2. 適切な記述です。

差圧式流量計は、管の中に絞りを入れると、その前後に圧力差(差圧)が生じることを利用しています。上流側の圧力が高く、下流側の圧力が低いです。この差圧は、流量の二乗に比例するので、この差圧を測定して流量を求めることができます。

3. 適切な記述です。

容積式流量計では、回転する歯車とそれを収納するケーシングとの間に空隙(スペース)ができます。その一定の容積をもった空隙に連続して流体を取り込み、それを送り出したのが何回か(歯車の回転数)を数えることで流量を測定します。

4. 適切な記述です。

二色水面計は、物質ごとに屈折率が異なることを利用しています。裏側に赤色と緑色の電球を置くか、電灯の前に赤色と緑色のフィルターを置きます。屈折によって、蒸気部は赤色に、水部は緑色に見えます。

5. 誤った記述です。

マルチポート水面計は、金属製の箱で、透視用の小さな丸い窓を配列し、ガラスをはめ込んでいます。作りも頑丈ですし、小さな円形の透視窓は、平形ガラスより、高圧に耐えられます。マルチポート水面計は、高圧ボイラーに使用されます。

マルチポート水面計は、円形透視式水面計ともいいます。

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03

正解は、 5 です。

1.正しい記述です。

ブルドン管の断面は、真円ではなく楕円や平円形です。機構は、ブルドン管の他に歯車やリンク、指針から出来ています。

2.正しい記述です。

絞り機構のベンチュリ管やオリフィスを利用して流量を計測します。

3.正しい記述です。

ケーシングと歯車の間を流れる流体の流量が、歯車の回転数に比例することを利用しています。

4.正しい記述です。

二色水面計とは、水面計のガラスに赤色と水色の光線を通過させ、蒸気部と水面部を見えるようにしたものです。特徴として、遠くからでもレベルの確認が容易です。

5.誤った記述です。

マルチポート水面計は、金属製の箱に小さな丸い窓を数個配列した構造です。何故その様な構造になっているかというと、高圧で使用する事を想定しているからです。平形透過式水面計のような平形の水面計のガラスだと圧力に耐えられない場合に使用します。よって、問題文は、誤った記述です。

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