二級ボイラー技士の過去問
令和3年10月公表
ボイラーの構造に関する知識 問10
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問題
二級ボイラー技士試験 令和3年10月公表 ボイラーの構造に関する知識 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
ボイラーのドラム水位制御について、誤っているものは次のうちどれか。
- 水位制御は、負荷の変動に応じて給水量を調節するものである。
- 単要素式は、水位だけを検出し、その変化に応じて給水量を調節する方式である。
- 二要素式は、水位と蒸気流量を検出し、その変化に応じて給水量を調節する方式である。
- 電極式水位検出器は、蒸気の凝縮によって検出筒内部の水の純度が高くなると、正常に作動しなくなる。
- 熱膨張管式水位調整装置には、単要素式はあるが、二要素式はない。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は、5です。
1.正しい記述です。
ボイラーにかける負荷(例えば能力の最大限で稼働させるか、半分で稼働させるか)の変動によって、蒸発流量も変化し、それに伴って給水量も調節する必要があります。ボイラーの水位制御は、水位の変化や蒸気流量の変化を検知し、給水ポンプをオン/オフしたり、給水量を調節したりして、水位を制御します。
2.正しい記述です。
単要素式は、水位だけを検出するやり方です。具体的には、水位検出器を取りつけます。
3.正しい記述です。
二要素式は、水位の他に蒸気流量を検出するやり方です。具体的には、水位検出器と蒸気流量発信器を取りつけます。
4.正しい記述です。
水位検出器には、フロート式、電極式、熱膨張管式があります。
電極式では数本の電極を検出筒(水柱管)に挿入し、ボイラー水に接触している電極間に電気が流れることを利用します。ボイラー水は煮詰まると不純物が増すイメージがありますが、検出筒(水柱管)内では逆に蒸気側連絡管から入った蒸気が結露し、水の純度が増していきます。電気伝導率が下がり、電気が流れにくくなり、正常に作動しづらくなります。
5.誤った記述です。
熱膨張管式水位調節装置では、金属管(サーモスタット)の温度変化による伸縮を利用します。金属管が蒸気に触れる面が多くなれば膨張し、水に触れる面が多くなれば収縮します。コープス式では、膨張収縮の動きを連結したレバーに伝え、給水調節弁の開度を調節(単要素式)しますが、コープス・バルカン式のような二要素式のものもあります。
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02
正解は, 5です。
ボイラーのドラムの水位制御に関する問題です。
水位制御について
負荷が変動すると,蒸気発生量も変動し,それに伴い水位も変動しますので,以下の制御方式をとり,ドラム水位を一定に保ちます。
・単要素制御:水位のみ検知し,給水量を制御します。
・二要素制御:水位+蒸気流量を検知し組合せ,給水量を制御します。
・三要素制御:水位+蒸気流量+給水流量を検知し,給水量を制御します。
水位検出器について
・フロート式検出器:フロートが浮力により上下し,水位を検出します。ポンプ起動停止条件や高低水位を検出するものに向いています。
・電極式水位検出器:電極を組合わせその電極に電流が流れる事で,水位を検出します。ポンプ起動停止条件や高低水位を検出するものに向いています。電極数を増やす事で検出範囲を増やせます。水の純度が高くなると電導度が低くなるため,不動作に繋がります。
・熱膨張管式水位調整装置:熱に対して伸縮差が大きい金属を使用し,その変化を水位制御に利用するものです。単要素および二要素制御があります。
1.正しいです。
2.正しいです。
3.正しいです。
4.正しいです。
5.誤りです。(誤:二要素式はない➡正:二要素式もある。)
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03
正解は、 5 です。
1.正しい記述です。
問題文のとおりです。ボイラー蒸発量に応じてドラム水位が下がりますので、ドラムレベルを正常に保つ為に給水します。
2.3.正しい記述です。
単要素式は、ボイラー水位のみ検出して制御する方式です。簡単な制御方式であり、負荷変動が激しい時には上手く制御できない事もあります。
二要素式は、ボイラー水位に加え蒸気流量も検出して制御する方式です。単要素式に比べきめ細やかな制御が可能です。
更に、三要素式の制御方式もあります。水位、蒸気流量、給水流量を検出して、よりリアルタイムの負荷変動に追従できる制御方式です。
4.正しい記述です。
電極式水位検出器は、水の導電性を利用して検出する方式です。電極間をイオンが介在して電子を運ぶ事により検出しますので、水の純度が高くなり電極間に介在するイオンがなくなると電極で検出できなくなります。
5.誤った記述です。
熱膨張管式水位調整装置には、水位検出金属管があり、ドラム内の水部と蒸気部がその金属管に接続されています。その金属管は、蒸気量や水量の変化に伴う熱により伸縮します。その伸縮の働きを利用し給水弁を動かす方式です。この方式には、単要素式と二要素式があります。
ですから、問題文の記述は誤りです。
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