二級ボイラー技士の過去問
令和3年10月公表
ボイラーの取扱いに関する知識 問12

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問題

二級ボイラー技士試験 令和3年10月公表 ボイラーの取扱いに関する知識 問12 (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーの水管理について、誤っているものは次のうちどれか。
  • マグネシウム硬度は、水中のカルシウムイオンの量を、これに対応する炭酸マグネシウムの量に換算し、試料1リットル中のmg数で表す。
  • 水溶液が酸性かアルカリ性かは、水中の水素イオンと水酸化物イオンの量により定まる。
  • 常温(25℃)でpHが7は中性、7を超えるものはアルカリ性である。
  • 酸消費量は、水中に含まれる水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩などのアルカリ分の量を示すものである。
  • 酸消費量には、酸消費量(pH4.8)と酸消費量(pH8.3)がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

ボイラーの水質管理に関する問題です。

選択肢1. マグネシウム硬度は、水中のカルシウムイオンの量を、これに対応する炭酸マグネシウムの量に換算し、試料1リットル中のmg数で表す。

誤りです。(誤:水中のカルシウムイオンの量正:水中のマグネシウムイオンの量

硬度は,水中のカルシウムイオンの量もしくはマグネシウムイオンの量を炭酸カルシウムの量に換算して測定します。

マグネシウム硬度は水中のマグネシウムイオンだけを炭酸カルシウムの量に換算して測定します

マグネシウム硬度とカルシウム硬度の合計が総硬度となります。単位はmg/lまたはppmで表します。

選択肢2. 水溶液が酸性かアルカリ性かは、水中の水素イオンと水酸化物イオンの量により定まる。

正しいです。

水溶液中の水素イオン(H+)または水酸化イオン(OH-)について,水素イオンの量を基準にpH(ピーエッチもしくはペーハー)という単位を用いて,0~14の数値で表しています。

pHが7より低い場合は酸性で,水素イオン(H+)の量が多い事になります。

pHが7より高い場合はアルカリ性で,水酸化イオン(OH-)の量が多い事になります。

pHが7の場合は中性で,水素イオン(H+)と水酸化イオン(OH-)の量が均一となります。

選択肢3. 常温(25℃)でpHが7は中性、7を超えるものはアルカリ性である。

正しいです。

pH(ペーハー)は水素イオン指数と言い,水溶液中の水素イオン(H+)または水酸化イオン(OH-)の量を数値で表しています。

pH7が「中性」,pH0~7未満が「酸性」,pH7超過~14以下が「アルカリ性」となります。

選択肢4. 酸消費量は、水中に含まれる水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩などのアルカリ分の量を示すものである。

正しいです。

酸消費量とは水中に含まれるアルカリ度(水酸化物・炭酸塩・炭酸水素塩など)を示すものです。

アルカリを所定のpHに中和するのに必要な酸の量をmmoL/Lやmg/Lまたはppmで表します。

選択肢5. 酸消費量には、酸消費量(pH4.8)と酸消費量(pH8.3)がある。

正しいです。

酸消費量は、以下の2種類があります

・pH4.8:Mアルカリ度と呼ばれ,メチルレッドまたはメチルオレンジを指示薬として使用します。

・pH8.3:Pアルカリ度と呼ばれ,フェノールフタレインを指示薬として使用します。

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02

正解は、 1 です。

1.誤った記述です。

マグネシウム硬度は、水中のカルシウムイオンの量ではなく、マグネシウムイオンの量に該当します。対応する炭酸マグネシウムの量に換算し、試料1リットル中のmg数で表します。

水中のカルシウムイオンの量を対応する炭酸マグネシウムの量に換算したものは、カルシウム硬度といいます。カルシウム硬度とマグネシウム硬度を合わせたものを全硬度といいます。

2.正しい記述です。

水素イオン(H⁺)濃度、塩化物イオン(OH⁻)濃度の割合により、酸性かアルカリ性かが決まります。指標としてpH(水素イオン指数)があります。

3.正しい記述です。

pH(水素イオン指数)が7より小さい数値は酸性を示し、7より大きい数値はアルカリ性を示します。

4.正しい記述です。

酸消費量とは、ボイラー水中に含まれる水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩などのアルカリ分を示すものです。アルカリ分を中和するのに必要な酸の消費量を計測します。

5.正しい記述です。

指標は、pH4.8までに中和するのに必要な酸の量を計測する場合と、pH8.3までに中和するのに必要な酸の量を計測する場合の2つがあります。

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03

正解は、1です。

1.誤りです。

 マグネシウム硬度は、水1リットルに含まれるマグネシウムの量を炭酸カルシウムの量に換算したものです。

2.正しいです。

 水素イオンの方が多い場合は酸性、水酸化物イオンの方が多い場合はアルカリ性になります。

3.正しいです。

 pH7は中性、7を超えるものはアルカリ性、7より小さいものは酸性です。

 「酸(3)は7より小さい」や「pH3は酸(3)です」のような覚え方があるようです。

4.正しいです。

 ボイラー水の中にどれだけのアルカリ成分があるかを示すのに、酸消費量があります。2種類の表示があります。酸消費量(pH8.3)は、pH8.3まで中和する(下げる)ことを想定しています。ボイラー水のpH標準は11.0~11.8ですので、必ず酸消費量(pH8.3)は測定されます。他方で、水道水の場合、pH7程ですので、酸消費量(pH8.3)は0になります。酸消費量(pH4.8)もあり、こちらは水道水でも0ではありません。JISで定めたボイラーの水質標準には、酸消費量(pH8.3)と酸消費量(pH4.8)の項目があり、適正な数値幅が決められています。

5.正しいです。

 4の解説を参照してください。

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