二級ボイラー技士の過去問
令和3年10月公表
ボイラーの取扱いに関する知識 問17

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問題

二級ボイラー技士試験 令和3年10月公表 ボイラーの取扱いに関する知識 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーの蒸気圧力上昇時の取扱いについて、適切でないものは次のうちどれか。
  • 点火後は、ボイラー本体に大きな温度差を生じさせないように、かつ、局部的な過熱を生じさせないように時間をかけ、徐々に昇圧する。
  • ボイラーをたき始めるとボイラー水の膨張により水位が上昇するので、2個の水面計の水位の動き具合に注意する。
  • 蒸気が発生し始め、白色の蒸気の放出を確認してから、空気抜弁を閉じる。
  • 圧力上昇中の圧力計の背面を点検のため指先で軽くたたくことは、圧力計を損傷するので行ってはならない。
  • 整備した直後のボイラーでは、使用開始後にマンホール、掃除穴などの蓋取付け部は、漏れの有無にかかわらず、昇圧中や昇圧後に増し締めを行う。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、4です。

1.適切です。

 点火後に、急激に燃焼量を増してはなりません。ボイラー本体などの不同膨張を起こし、ひずみが生じるからです。

 ボイラー本体に大きな温度差を生じさせないこと、局部的な加熱を生じさせないことに注意します。

2.適切です。

 点火後は、ボイラー水の水位は上昇します。蒸気ボイラーには2個以上の水面計がついていますから、確認します。

3.適切です。

 空気抜き弁は、点火時は開放していて、水滴の混じった蒸気(湯気)の放出を確認してから閉めます。

4.適切ではありません。

 圧力計の指針の動きが鈍い場合は、内部のギヤが引っかかっている場合があるので、圧力計の背面を軽くたたいてみることは効果があります。

5.適切です。

 点火後は、蓋取付け部や、水面計、吹出し弁の取付け部などに漏れがないか確認します。整備復旧後は、漏れの有無に関係なく、増し締めを行います。

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02

正解は,4です。

ボイラー起動に関する問題です。

1.正しいです。

局部過熱を行うと,金属の不同膨張により水管および過熱器を破損させますので,昇温は徐々に行います。

2.正しいです。

ボイラーの温度が上昇すると,水面も上昇しますので,適宜水面計で水位を確認する必要があります。

また,圧力を換算して水位を表示する電子式水面計は,定格圧力より低い圧力では誤差が大きい場合がありますので,注意が必要です。

3.正しいです。

ハンマリング防止のため空気抜弁より空気を逃がし,徐々に昇圧させ、所定の圧力に到達(=白色の蒸気が発生)した後,空気抜弁を閉じます。

4.誤りです。

圧力計取り出し口に空気溜まりがある場合やハンチングを起こしている場合は,指示に誤差が生じますので,背面を軽くたたき指示を適正なものにします。

また,前面はガラス製のふたがしてありますので,前面をたたくとガラスを破損させるため,背面をたたきます。

5.正しいです。

起動前にマンホール・掃除穴は確実に閉止を行い,大気圧の状態で水を張り,漏れ確認を実施します。最終的な漏れ確認は圧力がある状態で行うのが望ましいため,昇圧中や昇圧後にさらに増し締めを行います。

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03

正解は、 4 です。

1.正しい記述です。

ボイラーの操作では、昇圧時に限らず急激な変化を伴う操作は、してはいけません。例えば、急激な加熱、急激なバルブ操作、急激なブロー等です。

昇圧時においてもゆっくり温度が均等になるようにして、時間をかけて行ないます。

2.正しい記述です。

水は温度が上昇すると膨張します。ボイラー昇圧時においても同様ですので、水面計を注視する必要があります。仮に、高水位まで上昇してしまった場合は、ゆっくり少しずつブローして定常水位まで戻します。

3.正しい記述です。

空気抜き弁は、空のボイラーに水張りを行なう際や逆に水抜きを行なう際に開けます。昇圧時、空気抜き弁は、蒸気が噴き出るようになってから、圧力計が約0.1Mpaになったのを確認して閉めます。

4.誤った記述です。

ごく稀ですが、圧力上昇時に圧力計の針が正しい値を示さない場合があります。その場合は、圧力計に軽い刺激を与えると針が戻り、正しい値を示すことがあります。軽い刺激を与える事は、誤った事ではありません。

もちろん、他の圧力計と比較して異常な値を示す場合は、すぐに取り替えます。

5.正しい記述です。

熱を加えると鋼材は膨張します。ですから、ボルトで固定されている所は、ゆるんだりする場合もありえますので、熱が加わった時点で一度増し締めを行ないます。

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