二級ボイラー技士の過去問 令和3年10月公表 燃料及び燃焼に関する知識 問22
この過去問の解説 (3件)
正解は,3です。
燃料成分に関する問題です。
1.正しいです。
煤塵(ばいじん)の主な成分は,燃料中に含まれる灰分と炭素分になります。
2.正しいです。
燃料中の水分に熱を吸収されますので,熱効率は悪くなります。
使用する燃料の発熱量が「低位発熱量」と「高位発熱量」のどちらで標記されているかを把握しておきましょう。
3.誤りです。
硫黄分はエコノマイザや空気予熱器の低温部で結露し,硫酸(H2SO4)を発生させ,エコノマイザや空気予熱器を腐食させます。これを低温腐食と呼びます。
高温腐食とは,灰に含まれる金属酸化物が伝熱面に付着し,高温下で溶融することで,伝熱面の酸化被膜を腐食させる現象の事を言います。
4.正しいです。
灰分は高温化で溶融し,クリンカとなり,水管および過熱器に付着し,伝熱障害を発生させます。
燃焼により発生する灰の内90%程度がフライアッシュとなり,残り10%程度がクリンカとなります。
5.正しいです。
重油燃料を噴霧させるため,圧力かけ送油する際にスラッジ等の固形物があると,ポンプ・流量計・バーナチップ等,流路にあるものを摩耗させます。
正解は、3です。
1.正しいです。
ばいじんとは、燃焼の際に発生する固体微粒子で、ダストとすすに分けられます。
ダストは燃料に含まれる灰分が主体です。すすは炭素が不完全燃焼したものです。ですから、燃え残った炭素(残留炭素)が多いほど、すすが多くなり、ばいじん量は増加します。
2.正しいです。
燃料中の水分が多いということは、燃焼ガス中の水蒸気が多いということです。水蒸気が送気管中で冷やされ水になると、熱を放出します。放出された熱はその場で失われますから、熱損失ということになります。
3.誤りです。
硫黄分が引き起こす腐食は、低温腐食といいます。エコノマイザや空気予熱器など伝熱面の比較的温度の低い場所で起こります。
問題文中の「高温腐食」の代表は、バナジウムです。燃料中のバナジウムが燃焼して、五酸化バナジウムとなり、ボイラーの伝熱面に付着、融解し、金属を腐食します。630℃~690℃の高い温度で起こるのでそのように呼ばれています。
4.正しいです。
灰分は、不燃性の残渣物ですので、伝熱面に付着すると伝熱を阻害します。
5.正しいです。
ここでいうスラッジとは、重油油に多く含まれているゴミや沈殿物のことです。
スラッジは、ストレーナでろ過して排除します。
正解は、 3 です。
1.正しい記述です。
ばいじんとは、端的に言えば、いわゆる煙突から出る『煤(すす)』のことをさします。ですから、残留炭素分が多いほど、ばいじん量は増加します。
2.正しい記述です。
水分を気化させるのに2257kJ/kgの熱量を必要とします。ですので、水分が多いと熱損失は増加します。
3.誤った記述です。
高温腐食を発生させるのは、バナジウムです。バナジウムは、灰の融点を上昇させ水管などを腐食させます。
硫黄分は、SOXの原因になるほか、低温腐食の原因となります。
4.正しい記述です。
灰分は、原油中にもともと存在する物質です。重油の燃焼後に残る物質の事です。伝熱面に付着すると伝熱を阻害します。
5.正しい記述です。
スラッジは、原油中に含まれる固形物の事です。ですから、ポンプ、流量計、バーナチップなどを通ることにより、それらを摩耗させます。
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