二級ボイラー技士の過去問
令和4年4月公表
ボイラーの構造に関する知識 問3

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問題

二級ボイラー技士試験 令和4年4月公表 ボイラーの構造に関する知識 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーの水循環について、誤っているものは次のうちどれか。
  • ボイラー内で、温度が上昇した水及び気泡を含んだ水は上昇し、その後に温度の低い水が下降して水の循環流ができる。
  • 丸ボイラーは、伝熱面の多くがボイラー水中に設けられ、水の対流が容易なので、水循環の系路を構成する必要がない。
  • 水管ボイラーは、水循環を良くするため、水と気泡の混合体が上昇する管と、水が下降する管を区別して設けているものが多い。
  • 自然循環式水管ボイラーは、高圧になるほど蒸気と水との密度差が小さくなり、循環力が弱くなる。
  • 水循環が良すぎると、熱が水に十分に伝わるので、伝熱面温度は水温より著しく高い温度となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

【正解】誤りは5番です。

☛正解文として過去に「水循環が良いと熱が水に十分に伝わり、伝熱面温度は水温に近い温度に保たれる。( 令和3年4月公表 問3ほか)」が出題されています。

【ポイント&キーワード】

■ポイント

☛ボイラーにとって、「水循環」が正常に行われているかどうかは重要な課題であり、実務的にも関係することから出題が多く出るテーマとなっています。そのことをよく表現した出題正解文が以下の通りです。

・「水循環が不良であると気泡が停滞したりして、伝熱面の焼損、膨出などの原因となる。」

☛水循環に関する問題では、ボイラーの構造を意識した解答が求められる出題が多くみられます、

☛ボイラーは、機能的には「蒸気ボイラー」と「温水ボイラー」、使用される金属種別から「鋼鉄ボイラー」と「鋳鉄ボイラー」に分類されます。

☛鋼鉄ボイラーで温水ボイラーとして使われるボイラーは、「丸ボイラー」「水管ボイラー」「特殊ボイラー(2級ボイラー技士試験では対象外)」に分類されています。

☛実際にイラストなどで構造の違いを確認しておきましょう。

■キーワード

☛丸ボイラー~大口径の胴(炉筒)をもつボイラーです。ここに含まれるのが「立てボイラー」「煙管ボイラー」「炉筒煙管ボイラー」「炉筒ボイラー」です。

 ☛水管ボイラー~丸ボイラーの炉筒と比較すると小径のドラム(水ドラムと蒸気ドラム)と水ドラムと蒸気ドラムをつなぐ細い管の組み合わされたボイラーです。この中に「自然循環式ボイラー」「強制循環式ボイラー」「貫流ボイラー」が含まれます。

【平成27年4月公表以降の出題頻度】

  ☛4回です。

参考になった数62

02

伝熱の性質とボイラーの構造を関連させた問題です。

各ボイラーの構造をしっかり把握しておきましょう。

選択肢1. ボイラー内で、温度が上昇した水及び気泡を含んだ水は上昇し、その後に温度の低い水が下降して水の循環流ができる。

正しいです。

温度が上昇した水及び気泡を含んだ水は上昇し、温度の低い水が下降して水の循環流が起こります。これを対流といいます。

選択肢2. 丸ボイラーは、伝熱面の多くがボイラー水中に設けられ、水の対流が容易なので、水循環の系路を構成する必要がない。

正しいです。

丸ボイラーは伝熱面がボイラー水の中にある為、水の対流が起こりやすいです。

選択肢3. 水管ボイラーは、水循環を良くするため、水と気泡の混合体が上昇する管と、水が下降する管を区別して設けているものが多い。

正しいです。

水管ボイラーのメリットは水管内のボイラー水を蒸気にする為、他のボイラーより立ち上がりが早いです。しかし水量が少なく、常時蒸気を発生させる構造の為、細い水管内では対流は起きにくいです。

その為、ボイラー水が下降する管を設けているものが多いです。

選択肢4. 自然循環式水管ボイラーは、高圧になるほど蒸気と水との密度差が小さくなり、循環力が弱くなる。

正しいです。

自然循環式水管ボイラーは、高圧になるにつれ蒸気と水との密度差が小さくなる為、循環力が弱くなりやすいです。

選択肢5. 水循環が良すぎると、熱が水に十分に伝わるので、伝熱面温度は水温より著しく高い温度となる。

間違いです。

水循環が良すぎると、熱が水に十分に伝わり電熱面との熱交換が頻繁に行われる為、伝熱面温度と水温の差はほぼ等しくなります。

まとめ

各ボイラーには目的や用途に合わせた形状や構造をしています。

どのボイラーにどのような特徴があり、どのような原理で稼働しているか把握しておきましょう。

参考になった数33

03

この問題では、ボイラー内の水循環に関する理解が求められています。水循環の原理や特性、さらには異なるタイプのボイラーでの水循環の違いに関する知識が重要です。それでは、各選択肢の詳細な解説を見ていきましょう。

選択肢1. ボイラー内で、温度が上昇した水及び気泡を含んだ水は上昇し、その後に温度の低い水が下降して水の循環流ができる。

この文章は正しいです。ボイラー内で発生する対流によって、温度が上昇した水や気泡は上昇し、冷たい水が下降して循環します。

選択肢2. 丸ボイラーは、伝熱面の多くがボイラー水中に設けられ、水の対流が容易なので、水循環の系路を構成する必要がない。

この文章は正しいです。丸ボイラーでは伝熱面が水中に設けられており、これにより水の対流が自然に起こりやすく、別途水循環の系路を構成する必要はありません。

選択肢3. 水管ボイラーは、水循環を良くするため、水と気泡の混合体が上昇する管と、水が下降する管を区別して設けているものが多い。

この文章は正しいです。水管ボイラーでは、水循環を効率的に行うために、上昇管と下降管が区別されて設計されています。

選択肢4. 自然循環式水管ボイラーは、高圧になるほど蒸気と水との密度差が小さくなり、循環力が弱くなる。

この文章は正しいです。高圧になると蒸気と水の密度差が小さくなるため、自然循環式水管ボイラーでは循環力が弱まります。

選択肢5. 水循環が良すぎると、熱が水に十分に伝わるので、伝熱面温度は水温より著しく高い温度となる。

この文章は誤りです。水循環が良い場合、熱が水に効率的に伝わり、伝熱面の温度は水温に近い温度に保たれます。水循環が良い場合に伝熱面温度が水温より著しく高くなることはありません。

まとめ

ボイラーの水循環に関しては、ボイラーのタイプによって水循環の様式が異なることを理解することが重要です。また、水循環が良い場合、伝熱面の温度が水温に近い状態に保たれることを正確に把握することが、この問題の正解に繋がります。各ボイラータイプの水循環の特性を正しく理解することが、ボイラーの効率的な運用において重要です。

参考になった数7