二級ボイラー技士の過去問
令和4年4月公表
ボイラーの取扱いに関する知識 問15

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問題

二級ボイラー技士試験 令和4年4月公表 ボイラーの取扱いに関する知識 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーにおけるキャリオーバの害に関するAからDまでの記述で、正しいもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。

A  蒸気の純度を低下させる。
B  ボイラー水全体が著しく揺動し、水面計の水位が確認しにくくなる。
C  ボイラー水が過熱器に入り、蒸気温度が上昇して過熱器の破損を起こす。
D  水位制御装置が、ボイラー水位が下がったものと認識し、ボイラー水位を上げて高水位になる。
  • A、B
  • A、B、C
  • A、B、D
  • B、C
  • C、D

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この過去問の解説 (3件)

01

【同一テーマでの出題回数】★★★★(H27/4~R3/10)

【正解】1番です。

A.正しいです。

キャリオーバとは、「ボイラ水中に溶解している塩類、水分などが、発生蒸気に伴われて運び出される現象。(JIS B0126)」で、蒸気の純度に影響を及ぼすものです。

B.正しいです。

☛キャリオーバには、「プライミング」と「フォーミング」が知られています。

プライミングは、「ボイラ負荷の上昇やドラム水位の異常な上昇などによって、水分と蒸気に分離されないままドラムから送り出される現象。(同)」です。

一方のフォーミングは、「ボイラ水中の油脂類、溶解塩類、浮遊物などによってドラム水面に多量の泡を生じる現象。(同)」で、この時に本肢のような現象が起こるものと考えられます。

C.誤りです。

☛正しくは、「ボイラー水が過熱器に入り、蒸気温度が低下したり、過熱器の汚損や破損を起こす。」です。

D.誤りです。

☛正しくは、「水位制御装置が、ボイラー水位が上がったものと認識し、ボイラー水位を下げて低水位事故を起こす。」です。

【その他のキャリオーバの害】

・「蒸気とともにボイラーから出た水分が配管内にたまり、ウォータハンマを起こす。」

ウォータハンマとは、「弁の急激な開閉、気体の混入などによって、管内の流速が急変した場合、異常圧力が発生し、管をたたくような音が生じる現象。(同)」です。

・「自動制御関係の検出端の開口部若しくは連絡配管の閉塞又は機能の障害を起こす。」

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02

キャリーオーバーに関する問題です。

キャリーオーバーはボイラー水が蒸気と一緒に送られてしまう現象です。

ボイラー水には濃度が高くなった清缶剤なども含まれているので、Aの記述とおり、蒸気の純度は低下してしまいます。

また、清缶剤の濃度が高くなりすぎてしまい、水面が泡立つフォーミング現象やボイラー水が蒸気と送られてしまうプライミング現象により、Bの記述とおり、水位が確認しにくくなります。

Cは誤りです。

ボイラー水は過熱器に入ると、蒸気温度は低下してしまいます。

また過熱器の汚損や破損などにも直結します。

Dは誤りです。

フォーミンクなどにより水位制御装置がボイラー水位が上がったものと認識すると、給水などが行われずに、ボイラー水位が低下してしまい、低水位事故に繋がります。

選択肢1. A、B

正しい組み合わせです。

選択肢2. A、B、C

Cは誤りです。

選択肢3. A、B、D

Dは誤りです。

選択肢4. B、C

Cが誤っています。

選択肢5. C、D

CとDが共に誤っています。

まとめ

キャリーオーバーはボイラー効率を下げるだけでなく、ボイラーや付属部品の消耗にもつながる現象です。

どのような理由でどのような現象になり、どのような事に繋がるのか一連してイメージをし、把握しましょう。

参考になった数14

03

この問題では、ボイラーにおけるキャリオーバの害とその影響についての理解が求められています。

キャリオーバによる蒸気の純度低下、ボイラー水の揺動による水面計の水位確認の困難、過熱器へのボイラー水の流入による蒸気温度の変化、および水位制御装置によるボイラー水位の誤認識とその結果に関する知識が重要です。

それでは、各選択肢を詳しく見ていきましょう。

A. この文章は正しいです。

キャリオーバにより、蒸気に水分が混入し、蒸気の純度が低下します。

B. この文章は正しいです。

キャリオーバによりボイラー水が揺動し、水面計の水位が確認しにくくなることがあります。

C. この文章は誤りです。

実際には、ボイラー水が過熱器に入ると、蒸気温度が低下し、過熱器の汚損や破損を起こすことがあります。

D. この文章は誤りです。

水位制御装置は、ボイラー水位が上がったものと認識し、ボイラー水位を下げて低水位事故を起こす可能性があります。

まとめ

キャリオーバはボイラー運転において避けなければならない現象であり、その害に対する正確な理解が重要です。

特に、キャリオーバによる過熱器への影響や水位制御装置の誤認識による問題は、ボイラー運転の安全性に大きく影響します。

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