二級ボイラー技士の過去問
令和4年4月公表
ボイラーの取扱いに関する知識 問18

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

二級ボイラー技士試験 令和4年4月公表 ボイラーの取扱いに関する知識 問18 (訂正依頼・報告はこちら)

単純軟化法によるボイラー補給水の軟化装置について、誤っているものは次のうちどれか。
  • 軟化装置は、水の硬度成分を除去する最も簡単なもので、低圧ボイラーに広く普及している。
  • 軟化装置は、水中のシリカや塩素イオンを除去することができる。
  • 軟化装置による処理水の残留硬度は、貫流点を超えると著しく増加する。
  • 軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂の交換能力が低下した場合は、一般に食塩水で再生を行う。
  • 軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂は、1年に1回程度、鉄分による汚染などを調査し、樹脂の洗浄及び補充を行う。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

【同一テーマでの出題回数】★★★★★★★★★(H27/4~R3/10)

【正解】2番が誤りです。

1.正しいです。

☛ボイラーの運用に際して、水の管理は最重要項目の一つであり、日常業務では欠かせないものとなっています。

ボイラーに関連した「水」には、本問の「補給水」をはじめ「原水」「軟化水」「イオン交換水」「復水」「給水」「ボイラ水」(いずれもJIS B8223によります。)が定義されています。

補給水については、「ボイラへ補給する水」とJISでは定義されていますが、具体的には復水がなく、もしくは少なく給水量を確保できない場合に外部から補給する水と言われています。ここには、「軟化水」「イオン交換水」「蒸留水」などが含まれます。

☛単純軟化法とは、イオン交換樹脂による軟化法をいいます。

軟化装置とは、軟化する装置をいいます。ここで「軟化」とはボイラーに悪影響となる「硬度成分(カルシウムやマグネシウムなど)」を除去することです。

☛「強酸性陽イオン交換樹脂により、水中の硬度成分を樹脂のナトリウムと置換させる装置である。」という出題がされています。

2.誤りです。

☛正しくは、「軟化装置は、水中のカルシウムやマグネシウムを除去することができる」です。

3.正しいです。

貫流点とは、イオン交換樹脂が所要の性能を満足させる限界点をいい、超えると硬度成分除去能力が著しく低下するため、その前に洗浄などの再生操作をしておく必要があります。

☛出題事例:「軟化装置による処理水の残留硬度が貫流点に達したら、通水を止め再生操作を行う。」

4.正しいです。

☛軟化装置に使用されているイオン交換樹脂は、性能が劣化していくため再生が必要です。通常、軟化装置は2台設置し、交互に使うことで途切れない運用を可能としています。この時、待機中となった1台に食塩を投与して再生操作を行っています。

5.正しいです。

☛強酸性陽イオン交換樹脂は、日常的な再生操作のほか、年1回程度の樹脂の洗浄と補充をすることで性能を長期的に維持させることが可能です。

参考になった数54

02

軟水装置についての問題です。

選択肢1. 軟化装置は、水の硬度成分を除去する最も簡単なもので、低圧ボイラーに広く普及している。

正しいです。

ボイラー水内にカルシウムやマグネシウムなどが含まれていると、スラッジの生成などへ繋がってしまいます。

選択肢2. 軟化装置は、水中のシリカや塩素イオンを除去することができる。

誤りです。

硬度成分はマグネシウムやカルシウムになります。

選択肢3. 軟化装置による処理水の残留硬度は、貫流点を超えると著しく増加する。

正しいです。

貫流点とはイオン交換樹脂のイオン交換性能の限界値のことで、超えると硬度成分除去能力が著しく低下します。

その為、イオン交換樹脂においては定期的な再生処置を行わなければいけません。

選択肢4. 軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂の交換能力が低下した場合は、一般に食塩水で再生を行う。

正しいです。

イオン交換樹脂における再生処置は、食塩水によって行われます。

貫流点を超えない為に、定期的な実施が必要です。

選択肢5. 軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂は、1年に1回程度、鉄分による汚染などを調査し、樹脂の洗浄及び補充を行う。

正しいです。

イオン交換樹脂は定期的な点検とメンテナンスが必要です。

まとめ

ボイラーにおける水質管理はとても重要な項目です。

軟化装置の軟化方法やメンテナンス方法をしっかり把握しておきましょう。

参考になった数13

03

この問題では、ボイラー補給水の軟化装置、特に単純軟化法に関する知識が求められています。単純軟化法は、硬水中のカルシウムイオンとマグネシウムイオンを除去することに特化しており、低圧ボイラーで広く使用されています。軟化装置のメンテナンスに関する知識も重要です。それでは、各選択肢を詳しく見ていきましょう。

選択肢1. 軟化装置は、水の硬度成分を除去する最も簡単なもので、低圧ボイラーに広く普及している。

この記述は正しいです。単純軟化法は、硬水のカルシウムイオンとマグネシウムイオンを除去するために用いられ、操作が簡単で低圧ボイラーで広く使用されています。

選択肢2. 軟化装置は、水中のシリカや塩素イオンを除去することができる。

この記述は誤りです。単純軟化法による軟化装置は、硬度成分(カルシウムイオンとマグネシウムイオン)を除去することに特化しており、シリカや塩素イオンを除去する能力はありません。

選択肢3. 軟化装置による処理水の残留硬度は、貫流点を超えると著しく増加する。

この記述は正しいです。軟化装置の陽イオン交換樹脂は、一定量の硬度イオンを交換した後、交換能力が低下し、貫流点を超えると残留硬度が増加します。

選択肢4. 軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂の交換能力が低下した場合は、一般に食塩水で再生を行う。

この記述は正しいです。強酸性陽イオン交換樹脂は、食塩水を用いて再生することができ、これにより樹脂の交換能力を回復させることができます。

選択肢5. 軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂は、1年に1回程度、鉄分による汚染などを調査し、樹脂の洗浄及び補充を行う。

この記述は正しいです。定期的な樹脂のメンテナンスは、軟化装置の性能を維持するために重要です。

まとめ

この問題の重要な点は、単純軟化法の軟化装置がどのような成分を除去するかを理解することです。特に、シリカや塩素イオンの除去能力についての誤解を避けることが、正答を導くために重要です。また、軟化装置のメンテナンスに関する知識も重要です。

参考になった数7