二級ボイラー技士の過去問
令和4年10月公表
燃料及び燃焼に関する知識 問6
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問題
二級ボイラー技士試験 令和4年10月公表 燃料及び燃焼に関する知識 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
重油に含まれる水分及びスラッジによる障害について、誤っているものは次のうちどれか。
- 水分が多いと、熱損失が増加する。
- 水分が多いと、息づき燃焼を起こす。
- 水分が多いと、油管内に低温腐食を起こす。
- スラッジは、弁、ろ過器、バーナチップなどを閉塞させる。
- スラッジは、ポンプ、流量計、バーナチップなどを摩耗させる。
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この過去問の解説 (3件)
01
【同一テーマでの出題回数】★★(H27/4~R4/4公表分)
重油の原料とされる「原油」は、自然界に生息していた動植物が地殻内に少しずつ堆積し液状化したものといわれています。そのためその成分の中には、燃料として有効な炭素のほか、硫黄分や窒素分といった大気汚染の因子となる元素からなる化合物のほか、水分や灰分も含まれています。灰分としてはスラッジなどがあり、水分も不純物として燃焼に影響を与えています。
正しい文章です。
重油中に含まれる水分が多いと、蒸発潜熱に熱量が多く費やされるため結果的に熱損失が増えてしまいます。
正しい文章です。
重油中に含まれる水分が多いと、霧化して空気と混合させる際、燃焼にムラが発生し「息づき燃焼」と呼ばれる不安定燃焼に起因した燃焼室内の圧力変動へとつながっていきます。
誤った文章です。
低温腐食と高温腐食という、似たような言葉のためよく出題されています。原因含めよくその違いを理解しておきましょう。
・低温腐食☛原因は重油中の含まれる硫黄分です。
・高温腐食☛原因は重油中の含まれる金属酸化物からなる灰分です。
油管内の低温腐食を誘発するのは「水分」ではなく「硫黄分」となります。
正しい文章です。
ボイラーの運転に障害を引き起こす原因として、管壁内付着して腐食を促進する「スケール」と並んで注意を要するのが、ドラムや管寄せなどの底に堆積していく「スラッジ」です。弁などの可動部を有する機器の閉塞といった動作不良につながります。
正しい文章です。
原油中に含まれる不純物が管内の底に蓄積していくスラッジは、流量計といった流動体を扱う機器類のなかでは摩耗剤のような役割を演じ機器を傷める結果となります。
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02
重油は、水分やスラッジ量は少ないのですが、輸送中や貯蔵中に混入することが考えられます。水分やスラッジが多いと、次のような障害を発生させます。
(1) 水分が多いとき
・貯蔵中にタンクの中にスラッジを形成します。
・熱の損失が起こります。
・燃焼時に息継ぎ燃焼がおきます。
(2) スラッジが多いとき
・弁・濾過器・バーナチップの閉塞を起こします。
・ポンプ・流量計・バーナチップの摩耗を起こします。
(3) これらの障害の防止対策
・水分の混入箇所を特定し混入を防ぎます。
・重油タンクのドレンを定期的に抜くなどを行います。
・濾過器で引っ掛かるはずですので、定期に濾過器を清掃します。
正しいです。
重油に水分があると、燃焼時に水蒸気となり、水蒸気に使われた熱が損失となります。
正しいです。
水分によって、バーナの着火部で重油噴出中に水分が噴出することが起き、連続燃焼ができないことが起こり、不安定な燃焼となります。これが息継ぎ燃焼あるいは振動燃焼です。
誤りです。
低温腐蝕は、燃焼中に燃料中の硫黄成分による腐蝕が起こる現象です。これは、水分とは関係しない現象です。
正しいです。
スラッジが、弁・ろ過器・バーナチップの閉塞を引き起こします。
正しいです。
スラッジが重油に交じって、連続してポンプ・流量計・バーナチップなどを流れると、少しずつ摩耗が起こります。さらにバーナチップでは詰まりという障害を引き起こし、失火を招くことも考えられます。
重油には、水分やスラッジの他に、灰分、硫黄分、残留炭素などによる障害もあるため、対策が必要です。
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03
重油の水分やスラッジに関する問題です。
正しいです。
水分が含まれていると、気化熱で熱エネルギーが消費されてしまい、熱損失が増加します。
正しいです。
水分が多いと霧化が均等に行われず、息づき燃焼へつながることがあります。
誤りです。
低温腐蝕は燃料中の硫黄分が原因となり、腐蝕が起こるというものです。
正しいです。
スラッジによって、弁、ろ過器、バーナチップなどが閉塞してしまう可能性はあります。
正しいです。
スラッジの発生と混入は、ポンプ、流量計、バーナチップなどを摩耗させることにつながります。
重油燃料に関する不具合についてをしっかり把握しておきましょう。
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