二級ボイラー技士の過去問
令和5年10月公表
ボイラーの取扱いに関する知識 問9
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問題
二級ボイラー技士試験 令和5年10月公表 ボイラーの取扱いに関する知識 問9 (訂正依頼・報告はこちら)
ボイラー水中の不純物について、適切でないものは次のうちどれか。
- 溶存しているO2は、鋼材の腐食の原因となる。
- 溶存しているCO2は、鋼材の腐食の原因となる。
- スケールは、溶解性蒸発残留物が濃縮され、ドラム底部などに沈積した軟質沈殿物である。
- 懸濁物には、りん酸カルシウムなどの不溶物質、エマルジョン化された鉱物油などがある。
- スケールの熱伝導率は、炭素鋼の熱伝導率より低い。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は、ボイラー水中に存在する不純物の種類とそれらがボイラーシステムに及ぼす影響に関する理解を評価します。
特に、不純物が鋼材の腐食、スケールの形成、懸濁物の発生、および熱伝導率に与える影響を正確に把握することが求められます。
適切
解説:溶存酸素(O2)は、ボイラー内の鋼材が腐食する主要な原因の一つです。
酸素が金属表面と反応することで、錆の形成を促進し、長期的にシステムの劣化を引き起こします。
適切
解説:溶存二酸化炭素(CO2)は、鋼材の腐食の原因となります。
CO2は水と反応して炭酸を形成し、これが金属表面の腐食を加速させる酸性環境を作り出します。
不適切
解説:スケールは溶解性蒸発残留物が濃縮された結果生じる固体沈殿物であり、ボイラーの伝熱面に固着して熱伝導の効率を低下させます。
対して、ドラム底部などに沈積する軟質沈殿物は「スラッジ」と呼ばれ、スケールとは異なります。
適切
解説:懸濁物質には、りん酸カルシウムなどの不溶性の化合物やエマルジョン化した鉱物油が含まれることがあり、これらはボイラー内での腐食や熱交換効率の低下の原因となり得ます。
適切
解説:スケールの熱伝導率は炭素鋼よりも低く、これが熱交換効率を低下させる主な原因の一つです。
スケールが形成されると、ボイラーの燃料消費量が増加し、効率が低下します。
ボイラー水中の不純物を理解することは、ボイラーの効率的かつ長期的な運用に不可欠です。
不純物がボイラーシステムに与える負の影響を最小限に抑えるためには、これらの不純物の特性を正確に把握し、適切な水処理と保守管理を実施する必要があります。
特に、スケールとスラッジの区別、溶存ガスによる腐食のメカニズム、および懸濁物質とスケールの熱伝導への影響を理解することが、問題解決の鍵となります。
スケールとスラッジの正確な定義と影響を明確に区別することが重要です。
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02
この問題では、ボイラー水中の不純物の種類とその影響についての理解が問われています。
溶存酸素や二酸化炭素による腐食、スケールとスラッジの違い、懸濁物の成分、およびスケールの熱伝導率に関する知識が重要です。
それでは、各選択肢を詳しく見ていきましょう。
この文章は正しいです。
溶存している酸素(O2)は、鋼材の腐食を引き起こす原因となります。
この文章は正しいです。
溶存している二酸化炭素(CO2)も、酸性条件を作り出し、鋼材の腐食を促進する原因となります。
この文章は誤りです。
スケールは溶解性蒸発残留物が濃縮され、伝熱面などの表面に固体として析出し固着したものです。
一方、スラッジは固着しないでドラム底部などに沈積した軟質沈殿物です。
この文章は正しいです。
懸濁物には、りん酸カルシウムなどの不溶物質やエマルジョン化された鉱物油などが含まれます。
この文章は正しいです。
スケールの熱伝導率は炭素鋼よりも低く、これが熱効率の低下につながる主要な原因となります。
ボイラー水中の不純物の種類とそれらがボイラー運転に及ぼす影響を理解することが重要です。
特に、スケールとスラッジの違いに関する正確な理解が、この問題の正答を導く鍵となります。
また、溶存酸素や二酸化炭素による腐食の原因となるメカニズム、およびスケールの熱伝導率の影響についての知識も必要です。
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03
この問題ではボイラー水中の不純物について問われています。
不純物には色々な種類がありますが、腐食の原因となるものが特に重要となるので、問題文を確認していきましょう。
正しい記述です。
酸素は腐食の原因となります。
正しい記述です。
二酸化炭素も酸素ほど強力ではありませんが、腐食の原因となります。
誤った記述です。
この問題文の説明は「スケール」ではなく「スラッジ」の説明となります。
スケールは伝熱面に固着している残留物となります。
正しい記述です。
りん酸カルシウムや鉱物油は腐食の原因になります。
正しい記述です。
スケールの熱伝導率が低いため、熱効率低下につながります。
また、スケールが生成されるとそれだけ余分に燃料を消費します。
腐食の原因になるものとスラッジ、スケールの違いを理解する事がこの問題のカギとなります。
共にボイラーにとっては不利なものなので、しっかり覚えておきましょう。
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