二級ボイラー技士 過去問
令和6年4月公表
問12 (ボイラーの取扱いに関する知識 問2)

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問題

二級ボイラー技士試験 令和6年4月公表 問12(ボイラーの取扱いに関する知識 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーのスートブローについて、適切でないものは次のうちどれか。
  • 回転式スートブロワは、ボイラーのガス通路部、エコノマイザ、空気予熱器などに用いられる。
  • 抜き差し式スートブロワは、燃焼室、高温ガス中の管群などに用いられる。
  • スートブローには、蒸気又は圧縮空気が使用される。
  • スートブローは、圧力及び温度が低く、多少のドレンを含む蒸気を使用する方が、ボイラーへの損傷が少ない。
  • スートブローは、一箇所に長く吹き付けないようにして行う。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題では「スートブロー」について問われています。

スートブローとは、蒸気や空気を利用して設備内の洗浄を指します。

この点を押さえつつ問題をみていきましょう。

選択肢1. 回転式スートブロワは、ボイラーのガス通路部、エコノマイザ、空気予熱器などに用いられる。

正しい記述です。

固定した場所でのブローするので、比較的低温箇所で使用される事が多いです。

選択肢2. 抜き差し式スートブロワは、燃焼室、高温ガス中の管群などに用いられる。

正しい記述です。

内蔵のチューブが入ったり出たりして内部をこまなく清掃します。

選択肢3. スートブローには、蒸気又は圧縮空気が使用される。

正しい記述です。

蒸気でブローは頑固汚れには強いですが、水分が残るので、最後に圧縮空気でブローをして内部を乾燥させます。

選択肢4. スートブローは、圧力及び温度が低く、多少のドレンを含む蒸気を使用する方が、ボイラーへの損傷が少ない。

スートブローは、ドレンを含む蒸気を使用するのではなく、乾燥した蒸気を使用します。

水分を含んでいるとボイラーへの損傷が大きくなります。

選択肢5. スートブローは、一箇所に長く吹き付けないようにして行う。

正しい記述です。

特定の箇所に集中してブローすると設備の故障につながります。

まとめ

洗浄後水分が残っていると当然ですが、錆など発生するかと思います。

今回の問題のようにスートブローについての知識というより常識的な事を問われる事もありますが、基本的にはスートブローについて正しい知識を身に付ける事が大切です。

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02

スートブローとは、運転中のボイラー伝熱面に付着したすすや灰などの汚れを、蒸気や圧縮空気などを吹き付けることで除去し、熱伝導効率を維持するために行われる清掃方法です。

 

とくに大規模なボイラーでは、燃焼ガス通路やエコノマイザ、空気予熱器などに堆積した汚れが熱効率を低下させるため、スートブローの適切な実施が重要になります。

選択肢1. 回転式スートブロワは、ボイラーのガス通路部、エコノマイザ、空気予熱器などに用いられる。

これは正しい内容です。

 

回転式のノズルを用いて広範囲を連続的に吹掃できるため、比較的温度が低いエコノマイザや空気予熱器などで多く利用されます。回転式の動きで、熱交換管の外面に付着したすすを効果的に落とします。

選択肢2. 抜き差し式スートブロワは、燃焼室、高温ガス中の管群などに用いられる。

これも正しい内容です。

 

高温部ではスートブロワ本体が高熱にさらされるため、必要時にだけノズルを突き出してブローし、使用後は引き戻す抜き差し式が適しています。主に燃焼室など温度の高い領域で用いられます。

選択肢3. スートブローには、蒸気又は圧縮空気が使用される。

これも正しい内容です。

 

ボイラー自身が発生する蒸気か、あるいはコンプレッサーから供給される圧縮空気が用いられます。いずれの場合も適切な圧力と吹き付け方を選択することで、堆積物を落とす効果が期待できます。

選択肢4. スートブローは、圧力及び温度が低く、多少のドレンを含む蒸気を使用する方が、ボイラーへの損傷が少ない。

これは誤りです。

 

スートブローに用いる蒸気は、ドレンが含まれにくい乾燥した蒸気で、かつ一定の圧力と温度が必要になります。ドレンを多く含む低圧低温の蒸気を吹き付けると、衝撃や温度差により伝熱管や過熱器などが損傷を受けやすくなる場合があります。

 

そのためスートブロー時には、できるだけドレンを除去し、高温・高圧の乾いた蒸気を使用することが一般的です。

選択肢5. スートブローは、一箇所に長く吹き付けないようにして行う。

これは正しい内容です。

 

長時間、同じ部分に集中してスートブローを行うと、局所的な急冷や熱応力集中が発生し、結果として管や設備を傷める可能性があります。そのため、適切な速度でノズルを移動させながら吹掃を行うことが大切です。

まとめ

スートブローにおいては、ドレンを含む蒸気ではなく、できるだけ乾いた高温・高圧の蒸気を使用し、吹き付けすぎによる局所的ダメージが起こらないようにするのが一般的です。

 

資格試験では、どの部位にどのようなスートブロワが使われるかや、ドレンを含む蒸気がなぜ良くないかといった知識をしっかり理解しておくと役立ちます。

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03

スートブロワについての問題です。

 

スートブロワは,ボイラー運転中に,伝熱面および過熱器に付着した煤および灰(溶解したクリンカを含む)をボイラーより発生した蒸気やコンプレッサーによる圧縮空気を用いて洗浄し,熱効率を回復させる効果があります。

選択肢1. 回転式スートブロワは、ボイラーのガス通路部、エコノマイザ、空気予熱器などに用いられる。

正しい記述です。

 

比較的温度の低い煙道に設置されています。

回転することで,全周に効率良く蒸気を吹き付ける事ができます。

選択肢2. 抜き差し式スートブロワは、燃焼室、高温ガス中の管群などに用いられる。

正しい記述です。

 

燃焼室や高温ガス中ではスートブロワ装置が溶けますので使用時のみ差し込めるように,抜き差し式が使用されています。

選択肢3. スートブローには、蒸気又は圧縮空気が使用される。

正しい記述です。

 

蒸気又は圧縮空気を使用しています。

選択肢4. スートブローは、圧力及び温度が低く、多少のドレンを含む蒸気を使用する方が、ボイラーへの損傷が少ない。

誤った記述です。

 

ドレンが混入していると,ドレンが蒸気圧力で勢いよく噴出され,過熱器等を減肉させ墳破に繋がる恐れがあります。

スートブロー実施前にドレンを除去しておきます。

選択肢5. スートブローは、一箇所に長く吹き付けないようにして行う。

正しい記述です。

 

一か所に長く吹き付けると,熱交換効率の急上昇により伝熱面および過熱器が噴破する恐れがあるため,一か所に長く吹き付けないよう,適切なタイミングでスートブローを停止する必要があります。

まとめ

スートブロワ装置の設置目的をよく理解しておきましょう。

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