中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
経営法務 問11

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 平成28年度(2016年) 問11 (訂正依頼・報告はこちら)

甲が商標Aについて商標登録出願を行ったところ、他人乙の先願先登録商標Bが、商標Aに類似する商標として引用され、拒絶理由通知が発せられた。この場合に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 商標Aと商標Bの類否は、それぞれの商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決せられる。
  • 商標Aと商標Bの類否は、まず、それぞれの商標の要部を抽出し、その後、商標Aと商標Bの要部のみを対比することにより、判断しなければならない。
  • 商標Aの登録を乙が承諾している旨を示す証拠が提出された場合、乙の利益が害されることはないため、審査官は当該証拠を資料として参酌して登録する義務がある。
  • 商標Aは立体商標であり、その指定商品は有体物である。一方、商標Bは平面商標であり、その指定役務は、無体物である。この場合、商標Aと商標Bとは互いに類似とされることはないため、甲は意見書を提出して審査官の判断を覆すべきである。

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この過去問の解説 (2件)

01

【正解1】

[1]適切

商標Aと商標Bの類否は、それぞれの商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決まります。

[2]不適切

商標Aと商標Bの類否判断は、商標の持つ外観・称呼・観念により総合的に行われることになっており、要部のみを対比して判断するわけではありません。

[3]不適切

商標Aの登録を相手方が許可しており、その資料が提出されても、審査官がその資料を参酌(参考)して登録することはありません。

[4]不適切

立体商標Aを特定の角度から見た場合、平面商標Bと類似する可能性があれば、類似とみなされますので、商標登録することはできません。

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02

類似する商標として判断される要件を問う問題です。

選択肢1. 商標Aと商標Bの類否は、それぞれの商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決せられる。

正解の選択肢となります。

商標には、この商品(または役務)は〇〇社のものだと消費者が認識することができる「自他商品役務識別力」が求められます。もし、誤認混同を生ずるおそれがある場合は、後から出願している甲の申請は認められないことになります。

選択肢2. 商標Aと商標Bの類否は、まず、それぞれの商標の要部を抽出し、その後、商標Aと商標Bの要部のみを対比することにより、判断しなければならない。

要部のみを対比するのではなく、見た目や名称等、総合的に判断されます。

選択肢3. 商標Aの登録を乙が承諾している旨を示す証拠が提出された場合、乙の利益が害されることはないため、審査官は当該証拠を資料として参酌して登録する義務がある。

本選択肢での「証拠」とは、商標Aの登録を乙が承諾している旨を示しているだけに過ぎません。したがって、審査官は当該証拠を資料として参酌して登録する義務はありません

選択肢4. 商標Aは立体商標であり、その指定商品は有体物である。一方、商標Bは平面商標であり、その指定役務は、無体物である。この場合、商標Aと商標Bとは互いに類似とされることはないため、甲は意見書を提出して審査官の判断を覆すべきである。

立体商標と平面商標であっても、見方によっては互いに類似し得ます

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