中小企業診断士の過去問
平成29年度(2017年)
経済学・経済政策 問18

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 平成29年度(2017年) 問18 (訂正依頼・報告はこちら)

近年、保育や介護の現場における人手不足が社会問題となっている。この問題に対処するための方策として、これらに関わる職種の賃金の引き上げが検討されることがある。そこで、賃金の引き上げと労働供給の関係を考察することにした。
下図を参考にしながら、次の文中の空欄A〜Dに当てはまる語句として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

人手不足を解消するためには、現在働いていない人に新規に就労してもらうか、あるいは現在パート勤務などの短時間労働の人に今までよりも長い時間働いてもらうことが必要である。
すでに働いている人が賃金の上昇によってもっと働くようになるかどうかは、代替効果と所得効果によって決まる。賃金の上昇は、( A )効果によって労働供給を増やし、( B )効果によって労働供給を減らす。両者の関係は、通常、低い賃金水準では( C )効果の方が大きく、高い賃金水準では( D )効果の方が大きい。したがって、現在の賃金が低い水準であるならば、賃上げは、労働時間を増やして人手不足の解消に寄与する。逆に、もし現在の賃金が高い水準にあるとすれば、賃上げは労働時間を減らすことになる。
問題文の画像
  • A:所得  B:代替  C:所得  D:代替
  • A:所得  B:代替  C:代替  D:所得
  • A:代替  B:所得  C:所得  D:代替
  • A:代替  B:所得  C:代替  D:所得

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この過去問の解説 (2件)

01

代替効果とは、労働者が余暇時間を削り、労働時間を増加させ、より多くの賃金を得ることです。
一方、所得効果とは、一定程度所得が増えると労働時間を減らし、余暇時間を増やすことです。
表をみると、賃金が低い場合、労働時間が増え、賃金が高くなるにつれ労働時間が減っています。
つまり、賃金が低ければ代替効果の方が大きく、賃金が高ければ所得効果が大きいと言うことが出来ます。

よって正解は4です。

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02

賃金と労働における所得高価と代替効果を問う問題です。

賃金と労働の間には、低い賃金水準の時には賃金を上昇させると労働者は労働時間を伸ばし高い賃金水準の時に賃金を低くすると労働者は労働時間を短くする関係があります。

賃金の上昇は代替効果を生み、賃金の代替として労働時間を伸ばして結果労働供給が増えることになります。

一方では所得効果の発生により、労働時間を短くもします。

両者の関係をまとめると、低い賃金では、代替効果の方が大きいため、賃金の上昇により労働時間が増えやすくなります。

反面、賃金が高い水準では所得効果の方が大きいため、労働時間の減少を招くことになります。

空欄に入る適切な語句の組み合わせは A:代替 B:所得 C:代替 D:所得 です。

選択肢1. A:所得  B:代替  C:所得  D:代替

本選択肢は不正解です。

選択肢2. A:所得  B:代替  C:代替  D:所得

本選択肢は不正解です。

選択肢3. A:代替  B:所得  C:所得  D:代替

本選択肢は不正解です。

選択肢4. A:代替  B:所得  C:代替  D:所得

本選択肢が正解です。

まとめ

見慣れなさから取り組むのが難しいと感じる問題ですが、与えられているグラフや所得効果と代替効果を落ち着いて分析すれば回答できる問題でした。

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