中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
中小企業経営・中小企業政策 問42

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 中小企業経営・中小企業政策 令和5年度(2023年) 問42 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

中小企業診断士のX氏は、ポストコロナ時代の経済社会の変化に対応するため事業再構築に意欲を有する中小企業の経営者Y氏(食料品製造業)から、事業再構築補助金に関する相談を受けた。X氏は、Y氏に対して、中小企業庁の事業再構築指針に基づく説明を行うことにした。
以下は、X氏とY氏との会話である。

X氏:「事業再構築とは、新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業転換、業種転換、事業再編または国内回帰のいずれかを行う計画に基づく事業活動のことです。」
Y氏:「そうなのですね。当社は、とくに新分野展開に関心があります。たとえば、( A )などは、新分野展開に該当するのでしょうか。」
X氏:「はい、該当します。ただし、新製品の売上高などに関する要件があります。」
Y氏:「売上高に関する要件ですか。具体的に教えていただけますか。」
X氏:「事業計画期間終了後、新製品の売上高が原則として総売上高の( B )となる計画を策定することが必要になります。」

会話の中の空欄Bに入る語句として、最も適切なものはどれか。
  • 5%以上
  • 10%以上
  • 15%以上
  • 20%以上

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この過去問の解説 (2件)

01

新分野展開の、売上高要件に関する問題です。

選択肢1. 5%以上

不適切な選択肢です。

選択肢2. 10%以上

正解の選択肢となります。

選択肢3. 15%以上

不適切な選択肢です。

選択肢4. 20%以上

不適切な選択肢です。

参考になった数1

02

正解は、「10%以上」です。

 

【基礎知識】

事業再構築補助金の問題です。

 

事業再構築補助金は事業再構築に取り組む中小企業を支援する施策です。

補助金を受けるためには、3つの要件が必要です。

 

◇3つの要件

①事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること

②事業計画について金融機関等や認定経営革新等支援機関の確認を受けること

③補助事業終了後3~5年で付加価値額の年平均成長率3~5%(事業類型により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率3~5%(事業類型により異なる)以上増加の達成

 

事業再構築は6つの累計に分かれます。どれかの累計に属していることが必要です。

①新市場進出(新分野展開、業態転換)

(概要)新たな製品等で新たな市場に進出する

(要件)①製品等の新規性要件、②市場の新規性要件、③新事業売上高10%等要件

 

②事業転換

(概要)主な「事業」を転換する

(要件)①製品等の新規性要件、②市場の新規性要件、③売上高構成比要件

 

③業種転換

(概要)主な「業種」を転換する

(要件)①製品等の新規性要件、②市場の新規性要件、③売上高構成比要件

 

④事業再編

(概要)事業再編を通じて新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業転換、又は業種転換のいずれかを行う

(要件)①組織再編要件、②その他の事業再構築要件

 

⑤国内回帰

(概要)海外で製造等する製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備する

(要件)①海外製造等要件、②導入設備の先進性要件、③新事業売上高10%等要件

 

⑥地域サプライチェーン維持・強靱化

(概要)地域のサプライチェーンにおいて必要不可欠であり、その供給に不足が生じ、又は、生ずるおそれのある製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備する

(要件)①地域不可欠性要件、②導入設備の先進性要件、③新事業売上高10%等要件

 

◇要件を示すにあたり、明示する必要のある内容

・製品等(製品・商品等)の新規性要件

①過去に製造等した実績がないこと、②定量的に性能又は効能が異なること

(※)製品等の性能や効能が定量的に計測できる場合に限る

 

・市場の新規性要件

既存事業と新規事業の顧客層が異なること

 

・新事業売上高10%等要件

新たな製品等の(又は製造方法等の)売上高が総売上高の10%(又は総付加価値額の15%)以上となること

 

・売上高構成比要件

新たな製品等の属する事業(又は業種)が売上高構成比の最も高い事業(又は業種)となること

 

・組織再編要件

「合併」、「会社分割」、「株式交換」、「株式移転」、「事業譲渡」等を行うこと

 

・その他の事業再構築要件

「新市場進出(新分野展開、業態転換)」、「事業転換」又は「業種転換」のいずれかを行うこと

 

・海外製造等要件

海外で製造・調達している製品について、国内で生産拠点を整備すること

 

・地域不可欠性要件

地域のサプライチェーンにおいて必要不可欠であり、その供給に不足が生じ、又は、生ずるおそれのある製品について、国内で生産拠点を整備すること

 

・導入設備の先進性要件

事業による製品の製造方法が先進性を有するものであること

 

【選択肢評価】

新規事業売上高要件は、「新たな製品等の(又は製造方法等の)売上高が総売上高の10%(又は総付加価値額の15%)以上となること」になります。

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