中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
中小企業経営・中小企業政策 問41

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 中小企業経営・中小企業政策 令和5年度(2023年) 問41 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

中小企業診断士のX氏は、ポストコロナ時代の経済社会の変化に対応するため事業再構築に意欲を有する中小企業の経営者Y氏(食料品製造業)から、事業再構築補助金に関する相談を受けた。X氏は、Y氏に対して、中小企業庁の事業再構築指針に基づく説明を行うことにした。
以下は、X氏とY氏との会話である。

X氏:「事業再構築とは、新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業転換、業種転換、事業再編または国内回帰のいずれかを行う計画に基づく事業活動のことです。」
Y氏:「そうなのですね。当社は、とくに新分野展開に関心があります。たとえば、( A )などは、新分野展開に該当するのでしょうか。」
X氏:「はい、該当します。ただし、新製品の売上高などに関する要件があります。」
Y氏:「売上高に関する要件ですか。具体的に教えていただけますか。」
X氏:「事業計画期間終了後、新製品の売上高が原則として総売上高の( B )となる計画を策定することが必要になります。」

会話の中の空欄Aに入る記述として、最も適切なものはどれか。
  • 過去に製造していた自社製品を再製造し、新たな市場に進出すること
  • 自社の既存の製品を単に組み合わせて新製品を製造し、新たな市場に進出すること
  • 自社の既存の製品に容易な改変を加えた新製品を製造し、新たな市場に進出すること
  • 他社の先行事例を参考に自社の既存製品と比較し高性能の製品を新規に開発し、新たな市場に進出すること

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この過去問の解説 (2件)

01

事業再構築補助金に関する問題です。

本問では新分野展開について問われていますが、選択肢の表現から推測することが可能です。

選択肢1. 過去に製造していた自社製品を再製造し、新たな市場に進出すること

不適切な選択肢です。

選択肢2. 自社の既存の製品を単に組み合わせて新製品を製造し、新たな市場に進出すること

不適切な選択肢です。

選択肢3. 自社の既存の製品に容易な改変を加えた新製品を製造し、新たな市場に進出すること

不適切な選択肢です。

選択肢4. 他社の先行事例を参考に自社の既存製品と比較し高性能の製品を新規に開発し、新たな市場に進出すること

正解の選択肢となります。

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02

正解は、「他社の先行事例を参考に自社の既存製品と比較し高性能の製品を新規に開発し、新たな市場に進出すること」です。

 

【基礎知識】

事業再構築補助金の問題です。

 

事業再構築補助金は事業再構築に取り組む中小企業を支援する施策です。

補助金を受けるためには、3つの要件が必要です。

 

◇3つの要件

①事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること

②事業計画について金融機関等や認定経営革新等支援機関の確認を受けること

③補助事業終了後3~5年で付加価値額の年平均成長率3~5%(事業類型により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率3~5%(事業類型により異なる)以上増加の達成

 

事業再構築は6つの累計に分かれます。どれかの累計に属していることが必要です。

①新市場進出(新分野展開、業態転換)

(概要)新たな製品等で新たな市場に進出する

(要件)①製品等の新規性要件、②市場の新規性要件、③新事業売上高10%等要件

 

②事業転換

(概要)主な「事業」を転換する

(要件)①製品等の新規性要件、②市場の新規性要件、③売上高構成比要件

 

③業種転換

(概要)主な「業種」を転換する

(要件)①製品等の新規性要件、②市場の新規性要件、③売上高構成比要件

 

④事業再編

(概要)事業再編を通じて新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業転換、又は業種転換のいずれかを行う

(要件)①組織再編要件、②その他の事業再構築要件

 

⑤国内回帰

(概要)海外で製造等する製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備する

(要件)①海外製造等要件、②導入設備の先進性要件、③新事業売上高10%等要件

 

⑥地域サプライチェーン維持・強靱化

(概要)地域のサプライチェーンにおいて必要不可欠であり、その供給に不足が生じ、又は、生ずるおそれのある製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備する

(要件)①地域不可欠性要件、②導入設備の先進性要件、③新事業売上高10%等要件

選択肢1. 過去に製造していた自社製品を再製造し、新たな市場に進出すること

誤り。新規性の要件は、①過去に製造等した実績がないこと、②定量的に性能又は効能が異なることとなります。過去に製造していた場合は当てはまりません。

選択肢2. 自社の既存の製品を単に組み合わせて新製品を製造し、新たな市場に進出すること

誤り。新規性の要件は、①過去に製造等した実績がないこと、②定量的に性能又は効能が異なることとなります。既存製品を単に組み合わせただけでは当てはまりません。

選択肢3. 自社の既存の製品に容易な改変を加えた新製品を製造し、新たな市場に進出すること

誤り。新規性の要件は、①過去に製造等した実績がないこと、②定量的に性能又は効能が異なることとなります。既存製品に容易な改変を加えただけでは当てはまりません。

選択肢4. 他社の先行事例を参考に自社の既存製品と比較し高性能の製品を新規に開発し、新たな市場に進出すること

正しい。記載の通りです。

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