FP2級の過去問
2019年9月
実技 問61

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問題

FP技能検定2級 2019年9月 実技 問61 (訂正依頼・報告はこちら)

ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)が、ファイナンシャル・プランニング業務を行ううえでは関連業法等を順守することが重要である。FPの行為に関する次の( ア )~( エ )の記述について、適切なものは○、不適切なものは×とした場合に、正しい組み合わせとなるものを選択しなさい。

( ア ) 投資助言・代理業の登録を受けていないFPが、顧客が保有する株式の発行会社のホームページからダウンロードしたIR資料を印刷して手渡した。
( イ ) 弁護士資格を有していないFP(遺言者や公証人と利害関係はない成年者)が、顧客から依頼されて公正証書遺言の証人として立ち会い、顧客から適正な報酬を受け取った。
( ウ ) 税理士資格を有していないFPが、顧客に対し、顧客が持参した資料を基に具体的な所得税の納税額計算を無償で行った。
( エ ) 社会保険労務士資格を有していないFPが、顧客である個人事業主が受ける雇用関係助成金申請の書類を作成して手続きの代行を行い、報酬を受け取った。
  • ( ア ) ○  ( イ ) ○  ( ウ ) ×  ( エ ) ×
  • ( ア ) ○  ( イ ) ×  ( ウ ) ×  ( エ ) ○
  • ( ア ) ×  ( イ ) ○  ( ウ ) ○  ( エ ) ×
  • ( ア ) ○  ( イ ) ×  ( ウ ) ×  ( エ ) ×

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、1です。

(ア)〇

 新聞・雑誌・インターネットなど不特定多数の者がいつでも自由に内容を確認できるものを使用し、一般的な情報を提供することは、投資助言・代理業の登録を受けていないFPはもちろん、誰でもすることができます。

(イ)〇

 公正証書遺言の証人となるために特別な資格を有する必要はないため、弁護士資格を有していないFPでも証人となることは可能です。それに対する報酬を受け取ることも問題ありません。ただし、遺言者や公証人と利害関係がある場合は、証人となれません。

(ウ)×

 具体的な税務相談は税理士の独占業務です。税理士資格を有していないFPは、たとえ無償であったとしても、顧客の資料を基にした所得税の納付額計算などの具体的な業務を行うことはできません。

(エ)×

 労働社会保険諸法令に基づき「申請書類の作成、提出手続きの代行」「申告等の代理」「帳簿書類の作成」は社会保険労務士の資格を持っていなければすることができません。よって、社会保険労務士資格を有していないFPは、以上の業務を行うことはできません。

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02

【正解1】

(ア)経済動向や個々の企業業績、有価証券の価値で一般に入手可能な新聞・雑誌・書籍等の資料を示すことは、投資助言・代理業には該当しません。

(イ)公正証書遺言の承認となるための資格に制限はないため、弁護士資格を有していないFPでも証人となることが可能です。

(ウ)個別具体的な税務相談、税務書類の作成、税務代理行為は、営利目的の有無、有償・無償を問わず、税理士または税理士法人でない者は行うことができません。

(エ)労働社会保険諸法令に基づく「申請書等の作成、その提出に関する手続きの代行」は社会保険労務士の独占業務(1号業務)です。

よって、(ア)〇(イ)〇(ウ)×(エ)×

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03

1が適切です。

(ア)○適切
投資助言・代理業は、登録業者以外の未登録の者が行うことが禁止されています。
ただし、設問のように、投資判断の前提となる基礎資料を知らせるだけでは、投資判断の助言とならないものと解されています。

(イ)○適切
公正証書遺言の証人になるためには特別な資格は必要ありません。ただし以下の者は証人になることができません。

1.未成年者
2.推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
3.公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人

2は相続人の関係者、3は証人の関係者です。FPは弁護士資格がなくても、上記に該当しない限り、報酬の有無に関わらず証人になることができます。

(ウ)✕不適切
税務の申告等の代理行為、税務書類の作成、税務相談を税理士資格のない者が行うことは、有償無償を問わず税理士法で禁止されています。設問のように、たとえ無償であったとしても、税理士資格を持たないFPが具体的な納税に関わる相談を受けることはできません。

(エ)✕不適切
労働及び社会保険に関する申請書の作成や手続の代行などは、社会保険労務士資格のない者が行うことは禁止されています。設問のように、社会保険労務士資格を持たないFPは、雇用関係助成金の書類の作成や手続の代行を行うことはできません。

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