FP2級の過去問
2019年9月
実技 問81

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問題

FP技能検定2級 2019年9月 実技 問81 (訂正依頼・報告はこちら)

米田さんは、各相続人の納付税額を計算する際の「配偶者に対する相続税額の軽減」について、FPで税理士でもある目黒さんに質問をした。下記の空欄( ア )~( ウ )にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

米田さん : 「配偶者の相続税を軽減する制度があると聞きました。」
目黒さん : 「配偶者に対する相続税額の軽減があります。」
米田さん : 「対象となる配偶者と被相続人との婚姻期間について、要件はありますか。」
目黒さん : 「婚姻期間について、( ア )。」
米田さん : 「この制度の適用を受けた場合、相続税はどの程度軽減されますか。」
目黒さん : 「被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のどちらか( イ )の金額までであれば、配偶者には相続税がかかりま      せん。」
米田さん : 「相続税の申告期限までに、配偶者に分割されなかった財産も税額軽減の対象になりますか。」
目黒さん : 「申告期限までに分割されなかった財産は、軽減の対象になりません。ただし、所定の手続きを行ったうえで、申告期限から( ウ )以内に分割された場合は、税額軽減の対象になります。」
  • ( ア )20年以上あることが必要となります  ( イ )多い方   ( ウ )10ヵ月
  • ( ア )20年以上あることが必要となります  ( イ )少ない方  ( ウ )3年
  • ( ア )要件は定められていません      ( イ )少ない方  ( ウ )10ヵ月
  • ( ア )要件は定められていません      ( イ )多い方   ( ウ )3年

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、4です。

(ア)について
配偶者に対する相続税額の軽減に関し、婚姻期間についての要件は定められていません

法律上の配偶者であれば適用を受けられます。


(イ)について
軽減される相続税額は、1億6,000万円もしくは配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い方の金額までです。


(ウ)について
配偶者に対する相続税額の軽減は、相続税の申告期限までに遺産分割が整わない場合は、適用を受けることができません。

しかし、所定の手続きを行った上で、申告期限から3年以内に分割すれば、適用を受けることができます。

したがって(ア)要件は定められていません (イ)多い方 (ウ)3年 となります。

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02

【正解4】

配偶者に対する相続税の負担軽減について、配偶者に「婚姻期間の要件はなく」、相続を放棄した配偶者や制限納税義務者である配偶者もこの制度の適用を受けることができます。

また、被相続人の配偶者が実際に取得した遺産額が、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のどちらか「多い」金額まで相続や遺贈により財産がを取得しても、配偶者には相続税がかかりません。

最後に、申告期限までに分割されなかった財産は、軽減の対象になりません。ただし、所定の手続きを行ったうえで、申告期限後「3年」以内に分割された場合は、税額軽減の対象になります。

以上より、(ア)要件は定められていません(イ)多い方(ウ)3年

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03

4が適切です。
配偶者の税額軽減は、配偶者の生活保障や配偶者の被相続人の資産形成に対する貢献を考慮して定められた制度です。

(ア)要件は定められていません
配偶者と被相続人との婚姻について、配偶者の相続税額の軽減では必要な期間の定めはありません。ただし、戸籍を入れていない内縁関係は適用されません。

(イ)多い方
配偶者が遺産分割や遺贈などで実際に取得した遺産の額が法定相続分相当額、または1億6,000万円のいずれか多い方の金額までであれば、相続税はかかりません。

(ウ)3年
相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています。それまでに配偶者に分割されなかった遺産は、税額軽減の対象にはなりません。
ただ、申告期限までに遺産の分割などで親族間でまとまらない場合や、遺産の処分など分割自体が実行できない場合も想定されます。そのような場合でも、所定の手続きを経た上で、申告期限から3年以内に分割して配偶者が取得すれば、税額軽減の対象にすることができる制度です。

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