FP2級の過去問
2020年1月
学科 問21

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問題

FP技能検定2級 2020年1月 学科 問21 (訂正依頼・報告はこちら)

経済指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 景気動向指数は、生産、雇用などさまざまな経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって作成された指標であり、コンポジット・インデックス( CI )を中心として公表される。
  • 消費動向指数は、家計調査の結果を補完し、消費全般の動向を捉える分析用のデータとして作られた指標であり、世帯消費動向指数( CTIミクロ )と総消費動向指数( CTIマクロ )の 2 つの指標体系で構成される。
  • 全国企業短期経済観測調査(日銀短観)は、全国の企業動向を的確に把握し、金融政策の適切な運営のために、統計法に基づいて日本銀行が行う調査であり、全国の約 1 万社の企業を対象に、四半期ごとに実施される。
  • マネーストック統計は、金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量を示す統計であり、一般法人、金融機関、個人、中央政府、地方公共団体などの経済主体が保有する通貨量の残高を集計したものである。

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この過去問の解説 (3件)

01

【正解 4】

[1]適切
景気動向指数は、生産、雇用などさまざまな経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを合成することによって作成された指標で、主として景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定することを目的とするコンポジット・インデックス( CI )が公表形態の中心です。

[2]適切
消費動向指数は、家計調査の結果を補完し、消費全般の動向を捉える分析用のデータとして作られた指標で、世帯消費動向指数( CTIミクロ )と総消費動向指数( CTIマクロ )の 2 つの指標体系で構成されています。

[3]適切
全国企業短期経済観測調査(日銀短観)は、全国の企業動向を的確に把握し、金融政策の適切な運営のために、統計法に基づいて日本銀行が行う調査で、全国の約 1 万社の企業を対象に、四半期ごとに実施されています。

[4]不適切
マネーストック統計は、金融機関や中央政府「以外の」通貨保有主体(一般法人・個人・地方公共団体等)が保有する通貨の総量のことで、日本銀行が公表しています。

参考になった数13

02

【正解 4】

経済指標に関する記述についての問題です。


[1]適切
景気動向指数とは、生産や雇用などさまざまな経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合したもので、内閣府が毎月調査・発表しています。

景気動向指数には、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)の2種類がありますが、公表されるのはコンポジット・インデックス(CI)が中心です。

なお、コンポジット・インデックス(CI)は景気変動の大きさやテンポ(量感)の測定を目的とし、ディフュージョン・インデックス(DI)は景気の各経済部門への波及度合の測定を目的としています。


[2]適切
消費動向指数(CTI)は、家計調査の結果を補完し、消費全般の動向を捉える分析用のデータで、総務省が公表しています。

世帯消費動向指数(CTIミクロ)は、基準年の2015年を100として世帯の消費支出の平均額の推移を示す指数です。

総消費動向指数(CTIマクロ)は、我が国の世帯全体の消費支出総額の推移を推測する指数です。

[3]適切

日銀短観は、日本銀行が全国1万社の企業経営者を対象に行う、資金繰り・雇用人員・業況の見通しなどに関するアンケート調査結果をもとに、四半期ごとに作成している報告書です。

なお、日銀短観の調査結果の一つである「業況判断DI」は、企業の景況感を表すもので、特に大企業・製造業の「業況判断DI」は、注目されています。


[4]不適切
マネーストック統計とは、一般法人・個人・地方公共団体などが保有する通貨量の残高をみるもので、日本銀行が毎月公表しています。

なお、マネーストックにおける通貨量には、中央政府・金融機関が保有する通貨量は含まれません。

本問では、「一般法人、金融機関、個人、中央政府、地方公共団体などの経済主体が保有する通貨量の残高を集計」とありますので、誤りです。

参考になった数3

03

解答 4

1.○

景気動向指数は、生産や雇用などの数値をもとに、現在の景気の把握や将来の動向を予測するときに使われる指標で、内閣府から発表されます。景気動向指数には、景気変動の大きさやスピードを表すコンポジット・インデックス(CI)と、拡大・縮小等変化の方向を表すディフュージョンインデックス(DI)があります。

2.○

消費動向指数は、代表的な統計調査である「家計調査」を補完し、精度向上を図るために総務省統計局開発中の参考指標です。世帯単位の消費支出の平均額の推移を示す「世帯消費動向指数(CTIミクロ)」と世帯全体の消費支出総額を推測する「総消費動向指数(CTIマクロ)」から構成され、2018年1月から公表されています。

3.○

全国企業短期経済観測調査(日銀短観)は、日本銀行が行う統計調査で、全国1万社を対象に四半期ごとに実施されています。

4.✕

マネーストック統計とは、金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量を表す統計です。マネーストックは、金融機関・中央政府以外の一般法人、個人、地方公共団体が保有する通貨の残高のことです。景気が上向くと、設備投資などのために銀行からの借入が増えてマネーストックが増え、景気が悪くなるとその逆になります。

参考になった数1