FP2級の過去問
2020年1月
学科 問20
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問題
FP技能検定2級 2020年1月 学科 問20 (訂正依頼・報告はこちら)
損害保険を利用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
- 仕出し弁当を調理して提供する事業者が、食中毒を発生させて法律上の損害賠償責任を負うことによる損害に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。
- 製造業を営む事業者が、業務中の災害により従業員やパート従業員がケガを負う場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として労働災害総合保険を契約した。
- 建設業を営む事業者が、請け負った建築工事中に誤って器具を落とし第三者にケガを負わせて法律上の損害賠償責任を負うことによる損害に備えて、請負業者賠償責任保険を契約した。
- 貸しビル業を営む事業者が、火災により所有するビル内に設置した機械が損害を被る場合に備えて、機械保険を契約した。
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この過去問の解説 (3件)
01
[1]適切
生産物賠償責任保険(PL保険)は、提供したサービス等が他人に引き渡された後、その物や仕事の欠陥によって生じた事故による対人・対物損害賠償責任を補償するものです。
よって、仕出し弁当が原因で食中毒が発生した場合の備えとしては適切です。
[2]適切
労働災害総合保険は、企業のための労災費用を補償するもので、
①法定外補償(政府労災の上乗せ給付)
②使用者賠償責任(使用者の法律上の賠償責任負担の補償)
のいずれか、または双方を選択します。
よって、業務中の災害によって従業員がケガを負う場合への備えとしては適切です。
[3]適切
請負業者賠償責任保険は、建設・土木などの請負業者が行う業務から生じた事故による損害賠償責任を補償するものです。
よって、請負工事における第三者への損害賠償責任への備えとしては適切です。
[4]不適切
機械保険は、事業場で稼働している機械、機械設備および装置が「偶発的な事故(火災等を除く)」によって被った損害を補償する保険です。
よって、ビルの火災により機械が損害を被る場合の備えとしては不適切です。
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02
【正解 4】
事業活動のリスク管理についての問題です。
[1]適切
生産物賠償責任保険(PL保険)は、製造・販売・提供した商品やサービス等が引き渡された後に、その欠陥によって生じた事故による損害賠償責任を補償する保険です。
仕出し弁当を調理・提供する事業者の、食中毒が発生した場合の備えとしては、適切です。
[2]適切
労働災害総合保険は、政府労災保険を補完するもので、政府労災の上乗せ給付や使用者賠償責任を補償する保険です。
業務中の災害によって、従業員がケガを負う場合への備えとしては、適切です。
[3]適切
請負業者賠償責任保険は、建設業者や清掃請負業者が請負業務の遂行に伴う事故による損害賠償責任を補償する保険です。
請負工事中の第三者への損害賠償責任の備えとしては適切です。
[4]不適切
機械保険は、作業ミスなどの物理的要因による突発的な事故によって機械や設備が受けた損害を補償する保険です。
火災による損害については補償対象外です。
本問では、「火災により所有するビル内に設置した機械が損害を被る場合に備えて」とありますので、誤りです。
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03
解答 4
1.○
食料品店や飲食店などが製造、販売、提供したものが原因で、他人の身体や生命に被害を与える場合に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約することは適切です。PL保険とは、被保険者の占有を離れた財物に起因して、もしくは被保険者が行った仕事の結果に起因して、他人の身体や生命を害したり、他人の財物を破損したことについて、法律上の賠償責任を負担することによる損害を補償するものです。
2.○
労働災害総合保険は、労災事故の際に、事業主が行う上乗せ補償(法定外補償)や、果たすべき法律上の責任(使用者賠償責任)を補償する保険です。
3.○
請負(業者)賠償責任保険は、建設や土木などの工事業者や清掃、荷役請負業者などが請負業務の遂行に伴って発生する事故に起因する賠償責任を補償する保険です。
4.✕
機械保険は、「火災または火災による爆発以外」の不測かつ突発的な事故による損害を被る場合に備える保険です。「火災」による損害の補填としては、火災保険を別に準備する必要があります。
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