FP2級の過去問
2020年9月
学科 問52
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問題
FP技能検定2級 2020年9月 学科 問52 (訂正依頼・報告はこちら)
贈与税の計算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 暦年課税による贈与税額の計算上、贈与税の税率は、贈与税の課税価格に応じた超過累進税率である。
- 子が同一年中に父と母のそれぞれから贈与を受けた場合、同年分の子の暦年課税による贈与税額の計算上、課税価格から控除する基礎控除額は、最高で 220万円である。
- 贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税額の計算上、課税価格から配偶者控除額として最高で 2,000万円を控除することができるほかに基礎控除額も控除することができる。
- 相続時精算課税制度を選択した場合、特定贈与者からの贈与により取得した財産に係る贈与税額の計算上、贈与税の税率は、一律 20%である。
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この過去問の解説 (3件)
01
贈与税の計算についての問題です。
[1]適切
超過累進課税は、課税標準が一定額を超えた場合に、その超えた額に対してのみ、高い税率を適用する制度です。
累進課税制度には、超過累進課税方式以外に、単純累進課税方式がありますが、単純累進課税制度では税率の境目ぎりぎりの人にとっては、納税額が急に増加することによる不合理が生じるため、現在の贈与税・相続税・所得税などの税額の計算には超過累進課税方式が採用されています。
なお、贈与税は10~55%までの8段階の税率があります。
[2]不適切
暦年課税における贈与税の基礎控除は110万円ですが、この110万円の基礎控除とは、贈与をした人ごとに与えられるわけではなく、受贈者ごとに1年間で110万円です。
本問では「子が同一年中に父と母のそれぞれから贈与を受けた場合、課税価格から控除する基礎控除額は、最高で220万円である」とありますので、誤りです。
[3]適切
贈与税の配偶者控除とは、夫婦間で居住用不動産または居住用不動産の取得資金の贈与があった場合に、基礎控除110万円のほかに、特別控除として最高2,000万円までの控除が認められる制度です。
つまり、合計で2,110万円までの控除が認められます。
なお、贈与税の配偶者控除が適用できる要件は、以下の通りです。
①婚姻期間20年以上の配偶者からの贈与であること
②自ら居住するための居住用不動産または居住用不動産の取得資金の贈与であること
③贈与を受けた配偶者が、贈与を受けた年の翌年の3月15日までに居住の用に供し、その後も引続き居住する見込みであること
④贈与税の申告期限までに、税額がゼロであっても贈与税の申告書を提出すること
[4]適切
相続時精算課税制度とは、特定贈与者からの贈与時に、累計で2,500万円までを控除した後の課税財産に対して、一律20%の税率で贈与税を納付し、その後、特定贈与者の相続時に、贈与財産と相続財産を合算した課税価格から相続税額を計算し、納付済みの贈与税額を控除して、納付すべき相続税額を算出する制度です。
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02
1.○
超過累進課税とは、課税標準が一定額を超えた場合、超えた額に対して高い税率を適用する制度のことです。贈与税や所得税では、超過累進課税方式が採用されています。
2.✕
贈与税の基礎控除は110万円ですが、これは贈与者1人が贈与した額ではなく、受贈者1人が贈与を受けた額に対して算出します。設問の例では、贈与を受けた220万円のうち、110万円を控除した残りの110万円に対して贈与税が課税されます。
3.○
婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用不動産、または居住用不動産の購入資金として金銭の贈与があった場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円までの控除ができる特例です。
4.○
相続時精算課税制度で贈与者として届出した者を特定贈与者といいます。特定贈与者からの贈与については、2,500万円の特別控除額がありますが、これを超えた分については一律20%の税率を乗じて贈与税額が計算されます。
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03
正解は2です。
1.適切です。
贈与税や所得税では、超過累進課税方式が採用されています。課税標準が一定額を超えた場合に、その超えた部分について高い税率が設定されます。
2.不適切です。
暦年課税による贈与税額の計算上、課税価格から控除する基礎控除額は、何人から贈与を受けようと1年に110万円が限度です。
3.適切です。
婚姻期間が20年以上ある夫婦間での、居住用不動産または居住用不動産の購入資金贈与における贈与税には、配偶者控除が適用されます。その上限は2000万円で、これは基礎控除110万円と併用可能です。
4.適切です。
特定贈与者からの贈与について相続時精算課税制度を選択した場合、累計2500万円が控除されますが、これを超えた分については一律20%の税率を乗じて贈与税額が計算されます。
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